カテゴリー: EXHIBITION

  • 梅沢和木「Beyond the Windows」- NADiff Gallery

    梅沢和木「Beyond the Windows」- NADiff Gallery

    梅沢和木さんの「Beyond the Windows」をNADiff Galleryで観てきました。

    梅沢さんといえば、インターネット上にあるものを素材として、それをコラージュしたり、加筆したりして作品をつくっています。

    その中でも重要な要素としてキャラクターが置かれています。キャラクターを絵画の中心に置くことで、現実的な世界とインターネット的な仮想世界が曖昧になるような作品です。

    過剰にコラージュされ、様々な解像度のパーツが画面を覆い尽くしているイメージで、どこまでも圧縮されて詰め込まれている印象があるのですが、今回は少し変わったようにも思いました。

    今までと違い、原色や蛍光的な派手な色使いだけではなくペールトーンのようなパステルカラーのような色でまとめられた作品などもありました。

    また、かなりの作品が画面の中央あたりに顔が置かれていて、ある種の肖像画のような印象を受けるものが多かったです。以前のようにとにかく圧縮して貼り付けられて詰め込まれている画面ではなく、絵画的なバランスを重視して、抑揚がつけられているような印象もありました。

    パソコンの画面のコラージュ的なアプローチよりも、絵画的なアプローチへの比重が大きくなっているようにも思え、とても好きなバランスに仕上がっていました。

    今回のステイトメントの「キャラクター画像と当事者性」という文章でなぜキャラクターを使うのか整理するような文章を書いていて、そこはまとまりがないまま、迷いがありつつ作品を作り続けているということが興味深かったです。

    RICHO ART GALLERYで見たときは、StareReapの印刷技術と作品の相性が良いので今後も使っていくのかなと思いましたが、今回の作品は逆に印刷よりも絵画に近づいて行ったようにも思えて面白かったです。

    どうしても、カオスラウンジやキメこななどの印象が強いため、モヤモヤっとした気分になる部分がないとは言い切れないのですが、一つくらい作品を持ってても良いかなと思うくらいに、今回の展示は好きでした。

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    INFO

    梅沢和木「Beyond the Windows」

    会場:NADiff Gallery
    会期:2023年7月6日(木)- 2023年7月30日(日)
    開館時間:12:00 – 20:00
    休館日:月(7月17日は祝日のため営業、翌18日(火)休み)

    WEB:http://www.nadiff.com/?p=30609

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  • 森靖「Twister」- PERCEL

    森靖「Twister」- PERCEL

    森靖さんの「Twister」をPERCELに観てきました。

    森靖さんといえば、前回「Ba de ya」の女性化したエルビスプレスリーの超巨大な彫刻のイメージが強いのですが、今回はそれに比べれば小さいものの、木彫としてかなり大きい作品や、かなり異形な作品などがありました。

    前回の展示は圧倒的な存在感と宗教的な力のようなものすら感じましたが、今回もその力を感じつつもプレスリーというスターのアイコンではない、美術的な文脈を感じるようなものがありました。

    今回の展示を理解するには、とにかくステイトメントがわかりやすいので、コチラを読んでから観ていただくとより良いのではないかと思います。

    文章であげていくと、そのまま全部引用していまいそうなので、キーワードをあげていくと、「その高さは人類が医学的な記録上現存する最長の記録272cmに迫ります。」「現実においてのスケールを実感することが必要だと感じている」「様々な事象がツイストした(ねじれた)状態で共存しています」美術文脈のみならず、大衆的な「美」に対する意識しつつ、美を作品の基準の一つとして制作しているようです。

    その美への考えが、ねじれ、多様性、などと合わさることでかなり強い強度をもって見ている方にも伝わってくるような、かなり力強い作品がならんでいました。

    それはただ、モノとして大きいから強いというわけではなく、小さい作品でも木のそのままの力を生かしつつ、彫刻することでの引き算、木や粘土のようなものをつかった足し算することで木や作品の力を強化してるようにも思えます。

    粘土が付加された作品からはマークマンダースのような西洋的な文脈も感じました。(マークマンダースは粘土じゃなかったりしますが。)

    奇形樹をつかった骸骨などの作品をみていると、そこにある木と向かい合いそこにある形を掘り出しているだけではないか?と思わせるくらい、彫刻であり、木であるような形状をしています。

    自然をすべて排除しないことによる、力強さも感じることができ、すべての要素がエネルギーに集約されていっていました。

    サイズが極小の自由の女神から、巨大サイズの作品まで、サンプリング/リミックスされたような造形がありつつも、美しさ、力強さ、荒々しさを中心に据えたような芯のある作品は見ている方にも力強くパワーをぶつけてこられているようなエネルギーを感じます。オススメです。

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    INFO

    森靖「Twister」

    会場:PERCEL
    会期:2023年5月27日(土)- 2023年7月11日(火)
    開館時間:14:00 – 19:00
    休館日:月、火、祝日(7/10と7/11を除く)

    WEB:https://parceltokyo.jp/exhibition/twister/

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  • 金氏徹平「exhibition of Kaneuji Teppei」- anonymous art project

    金氏徹平「exhibition of Kaneuji Teppei」- anonymous art project

    金氏徹平さんの「exhibition of Kaneuji Teppei」をanonymous art projectで観てきました。

    めずらしくTeenage Fan Clubシリーズのみの展示でした。White Dischargeシリーズがたくさんというパターンは横浜トリエンナーレとかでも観た記憶があるのですが、Teenage Fan Clubは結構美術館やギャラリーでも見る機会が少ないイメージがあるので、嬉しいです。

    どういう経緯でここでイベント的に展示をしているのかはわからないのですが、このanonymous art projectのコンセプトは以下のようです。

    知る人ぞ知る完売作家が日本の現代アートには存在します。
    完売作家の作品は発表後すぐにコレクターに購入されます。作品はそのあと長い間、コレクター所蔵のまま非公開となります。
    完売作家の作品ほど、じかに体験するチャンスは一瞬しかありません。
    anonymous collectionは、そんな完売作家の代表作を、誰でもじかに体験できるプロジェクトです。
    2022年完売した現代アート作家の代表作を、ギャラリストとコレクターの協力により2週間ずつ展示しております。フリーのオープンスペースですから、誰でも自由に入り、写真撮影も自由としております。
    もし好きな作家に出会えたら、作家のInstagramをフォローすることで応援してもらえたらうれしいです。

    なにやら人気作家の作品をギャラリーやコレクターの力をかりて展示して、ファンを増やそうというものらしく、それだけで、このスペース運営できるのか?一体どういうカラクリなのか全く謎ですが、観てきました。

    休みの日に行ったので、表参道はかなりの人出でこんな場所に開放的に展示しててなかなかセキュリティも緩めかなと。

    しかし、緩いおかげで、作品の後ろ側に回り込めたりして結構じっくり見ることができてよかったです。

    このシリーズから派生している作品なども多いですし、初期から続く作品として代表作のシリーズでもあると思います。このシリーズを今まとめて見ておけるのでオススメです。

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    BOOK

    INFO

    金氏徹平「exhibition of Kaneuji Teppei」

    会場:Zero Base 神宮前
    会期:2023年6月27日(火)- 2023年7月10日(月)
    開館時間:9:00 – 20:00
    休館日:無休

    WEB:https://anonymous-collection.jp/2023-6-27-2023-7-10/

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  • トム・サックス「茶碗」- 小山登美夫ギャラリー

    トム・サックス「茶碗」- 小山登美夫ギャラリー

    トム・サックスさんの「茶碗」を小山登美夫ギャラリーで観てきました。

    最近は、伊勢丹での展覧会や、NIKEとの「MARS YARD SHOE 2.0」「MARS YARD OVER SHOE」「NIKECRAFT GENERAL PURPOSE SHOE」などのコラボレーションなどをやっていたので、「ティーセレモニー」のようなものは、日本での展覧会を行なって、一旦終了かなと思っていました。

    今回の展覧会は、再度「茶碗」という直球のスタイルで作られた作品がならんでいました。

    過去の展覧会でも、茶碗的なものはあったのですが、今回はより少し崩れていたり、継いであったり、樹脂で埋められていたりなど、バランスの悪いものが選ばれているような気がしました。

    そのバランスを整えるように、宇宙船のような足がつけられていたり、またはまるで宇宙船そのもののような形になっていたりと、前回までの作品より一歩進んだ感じがしました。

    それだけでなく今回は、2つ映像オマージュの作品がありました。

    本展の2つの主要な作品は、ナム・ジュン・パイクの作品と、サックス自身の継続的な映像制作へのオマージュとなっています。1つは1970年代のアメリカで彼が子供時代に使っていたテレビを再利用し、テレビの中に新しい茶碗を入れたもので、テレビのスイッチを入れると彫刻が照らされるようになっています。それに対してもう1点では、茶碗は段ボール箱の中に入れられています。箱の中のビデオカメラが箱の外のスクリーンに映像を映し出し、中にある茶碗を「翻訳」して見せるのです。

    引用:http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/sachs2023/

    いつも通りですが、NASA、SONY、マキタから、スターウォースやキティちゃんまで、様々なものを取り込んで作品になっていました。Tom Sachs印のプライウッドを使った台座などがあったり、逆にあまり見なかったような鏡の置かれた作品などもありました。

    さらに今回は、ギャラリーの外にも作品があり、タバコの灰皿なのですが、LPガスのボンベの上に灰皿があるような、作品があって、ここにタバコ入れるの危険すぎるだろという…。

    Tom Sachsらしい、意味や価値をふざけているのか?楽しんでいるのか?のようなシニカルな感じでの楽しさのようなものが、多くの作品にありました。

    次は新たな展開になるのか、一歩進んでいくのか。まずは早くスタジオの問題をクリアになればいいなと思います。

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    INFO

    トム・サックス「茶碗」

    会場:小山登美夫ギャラリー
    会期: 2023年4月15日(土) 〜5月13日(土)
    開館時間:11:00-19:00
    定休日:日月祝

    WEB:http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/sachs2023/

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  • 丹羽良徳「人類はなぜ経済活動をしているの?」- Satoko Oe Contemporary

    丹羽良徳「人類はなぜ経済活動をしているの?」- Satoko Oe Contemporary

    丹羽良徳さんの個展「人類はなぜ経済活動をしているの?」をSatoko Oe Contemporaryで観てきました。

    丹羽さんというと、衝撃的だった初期の「水たまりAを水たまりBに移しかえる」から、ずっと独自の方法で社会に介入したり、新たな方向から社会を切るような作品をつくっている作家さんで、多くの作品は動画やパフォーマンスの形で発表されている印象があります。

    今回の展覧会に出ていた作品は、以下のような作品です。

    大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした資本主義社会と、それが生み出す商品によって人間のアイデンティティがどのように形成されるかに光を当てています。

    引用:http://satokooe.com/category/exhibitions/

    いつものように動画の作品もありましたが、コロナ禍でつくられた絵画作品が大量にありました。ほとんどは丹羽さんの作品のタイトルのような文言が書かれていました。

    パフォーマンスアーティストとして長らく活動してきた丹羽良徳にとって、作品タイトルは非常に重要な意味を持っています。これまでほぼ全ての彼の作品タイトルは「~する」という形式で示されています。彼の展示するパフォーマンス記録映像は、その一例に過ぎず、言い換えれば、誰でも実行可能なプロトコルとして公に開かれています。

    引用:http://satokooe.com/category/exhibitions/

    このそれぞれをタイトルのような文章を、プロトコルとして実行してしまったらと想像するだけですごいですが、丹羽さんのアイデアの一部をみているようでした。

    おそらく今回出ていた、ほとんどの作品が丹羽さんのオフィシャルWEBのドローイングのページでみれます。

    また、ビデオのページでかなり多くの作品をみれます。観てみると面白いと思います。かなりヒリヒリする感じの作品が並んでいます。

    いくつか作品を見てから展示を見たりすると、またドローイング作品の見え方が変わってきそうな気がします。

    今回のテーマは「資本主義社会に組み込まれた大量生産・大量消費・大量廃棄に翻弄される人類のあり方に、疑問を投げかけるものです。」とありますが、一般的な常識から逸脱しているパンクスのような、ヒトラーとか共産党とか、あと一歩で狂気に踏み込みそうなギリギリな作品が丹羽さんという印象があり、どうしても毎回気になってしまいます。

    今回は、2本の動画が展示されていました。

    「我々の所有財産を語る, 2022」は、ロンドンでのパフォーマンスの記録動画で、ゴールのギャラリーまでの道のりで目に入った言葉を読んでいくのですが、聞いているうちにあらゆるものが広告や製品での文字であり、町にある文字がほぼ消費社会に関連していることに気がつかされます。(関係ないけど、肘が痛そうでめちゃくちゃ気になる。苦笑)

    「他人の所有物に生きる, 2023」は、人は持ち物を自分の意思で購入し、何か考えて購入している。それを貸し出す(または貸し出さない)ことにより、他人の意思の中/他人の消費の中で自分の生活を行うことで何が起きるのかが見えてきます。

    普通に生きていると気がつかなくなってしまっている、壁や境界のようなもの(今回なら資本主義社会に組み込まれた大量生産・大量消費・大量廃棄)を独自の視点から切ることによって、そこに疑問や問いのようなものを投げかけてくる、現代アートならではの作品と言えると思います。

    MOVIE

    我々の所有財産を語る, 2022
    他人の所有物に暮らす, 2023
    日本共産党にカール・マルクスを掲げるよう提案する, 2013
    水たまりAを水たまりBに移しかえる, 2004

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    INFO

    丹羽良徳「人類はなぜ経済活動をしているの?」

    会場:Satoko Oe Contemporary
    会期: 2023年4月15日(土)〜5月20日(土)
    開館時間:12:00-18:00
    定休日:日、月、祝、休(4月29日〜5月8日までGW期間休廊)

    WEB:http://satokooe.com/category/exhibitions/

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  • 今井俊介「スカートと風景」- オペラシティアートギャラリー

    今井俊介「スカートと風景」- オペラシティアートギャラリー

    今井俊介さんの「スカートと風景」をオペラシティアートギャラリーで観てきました。

    本展は、2022年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された、美術館における初めての個展を、東京に巡回します。本展ではストライプの絵画に至る過程ともいえる作品群を新たに加え、初期作品から新作まで、絵画を中心に、立体や映像、インスタレーションなど、さまざまな表現をあわせてご紹介します。

    引用:https://www.operacity.jp/ag/exh261/j/introduction.php

    瀬戸内国際芸術祭のタイミングで丸亀で行われていた展示の巡回となります。丸亀の展示に行けなかったので、とても楽しみにしていました。

    今井俊介さんといえば、カラフルなストライプとドットとチェックの柄が絡みあうように立体的に描かれている絵画シリーズを作っている作家です。

    独自のポップな色彩感覚で、波や旗のようにも見えるイメージを表した絵画シリーズは、ある時ふと何気なく目にした知人の揺れるスカートの模様や、量販店に積み上げられたファストファッションの色彩に強く心を打たれた体験が原点となっています。
    ストライプや水玉といった単純な色と形の組み合わせによる模様をランダムに配置し、さらにそれらが歪んだり波打ったりすることで生まれる形態をキャンバスに描きだす今井の制作は、絵画の基本要素である色や形、平面性への考察に基づいており、今井は絵画の根本的な意味やその可能性を問い続けています。

    引用:https://www.operacity.jp/ag/exh261/j/introduction.php

    展示内で展示されていた動画でも言っていたのですが、デザインや建築などに興味があったということで、絵画の中にデザインや建築の要素に感じる部分が多々あります。

    重なり合う柄はそれぞれが壁のように空間を意識させるようにも感じますし、その色の組み合わせや柄の組み合わせはデザイン的にも感じます。

    ショップの方にもあった、建築もつくったりしたエルズワースケリーの色の感じを思い出したり(以前の展覧会の、Red, Green, Blue, Yellow, and Whiteってその影響かもしれない)、ブリジットライリーの色やゆらぎを思い出したり。

    カラフルな色が多く鮮やかな作品も多いですが、少ない色で大きな面を埋めているような作品の前では、バーネットニューマンの作品の前で感じたような色で目眩がするような感覚もあったりしました。

    美術界からの影響を感じながらも、どこかデザイン的または建築的に落とし込んでいるような気もしてしまう部分が面白く感じます。デザインというフィールドでアート的なことをやる人は多いような気がしますが、アートというフィールドでデザイン的なことをやる人はそれほど多くないように感じるので、これからどういう作品を作るのか気になっています。

    巡回の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の展示でのインタビューが面白かったので是非。前編後編

    関連展示がNADiff Galleryで行われています。

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    INFO

    今井俊介「スカートと風景」

    会場:オペラシティアートギャラリー
    会期: 2023年4月15日(土) 〜6月18日(日)
    開館時間:11:00-19:00
    定休日:月曜(ただし5月1日は開館)

    WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh261/

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  • 益永梢子「その先の続き」- Maki Fine Arts

    益永梢子「その先の続き」- Maki Fine Arts

    益永梢子「その先の続き」作品

    益永梢子さんの「その先の続き」をMaki Fine Artsで観てきました。

    益永さんというと、様々な作品がありますが、絵画を空間や面や立体のように捉えて彫刻のようだけれど必ず絵画として成立している作品を作られています。

    今までの作品でも、ペインティングした顔料のようなものの厚みをレイヤー状に捉えているような作品や、キャンパスを立体的に再構築することで平面が立体的に立ち上がるような作品を観たことがあります。

    今回の展示はその延長線上にありつつも、今までなかったようなペインティングした顔料そのものがめくれ上がって、立体的に構築されるという手法がつかわれていて、今までの作品がミックスされているような面白い作品でした。

    ペインティング自体は彩度の低い落ち着いた、日常生活のなかで見るような色合いの線や面が抽象画として作られていて、その絵画のレイヤーを剥がし、切り取り、曲げられ、ねじられ、まるめられ、折りたたむような形でさらに新しい面が構成されている作品でした。

    今までもキャンパスが立体的に曲げられたり、まるめられるような形の作品があったとは思うのですが、それがペインティングの顔料になったことで、想像を一つ越えたところに連れて行かれた気がしました。

    それにしても、どうやって飾ればいんだろうかって観てるだけで、ドキドキしてしまいます。アクリルとかで閉じ込めてしまうのがいいのだとは思うけど、そうするとこのめくれていたりする立体としての良さが減ってしまう気がしてしまうし。でも気になる。

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    INFO

    益永梢子「その先の続き」

    会場:Maki Fine Arts
    会期: 2023年3月18日(土) 〜4月23日(日)
    開館時間:水曜日〜土曜日 12:00-19:00 / 日曜日 12:00-17:00
    定休日:月曜・火曜

    WEB:https://makifinearts.com/exhibitions/masunaga2023/

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  • ジョナサン・チャプリン「Metropolis」- NANZUKA UNDERGROUND

    ジョナサン・チャプリン「Metropolis」- NANZUKA UNDERGROUND

    ジョナサン・チャプリンさんの「Metropolis」をNANZUKA UNDERGROUNDで観てきました。

    ジョナサン・チャプリンさんの作品は以前にもNANZUKAで観たことがあったので、気になっていました。

    チャプリンの作品において、「レンダリング」というコンピューター言語は、もはや美術用語として語られます。物体の形状、物体を捉える視点、物体表面の質感/テクスチャー、光源、シェーディングなど、チャプリンは自身の絵画制作に必要なあらゆる物理的な要素を、予め3Dプログラムを駆使したコンピューターの画面上でシミュレートします。

    引用:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/jonathan-chapline-metropolis/press-release

    とあるように、3Dのバーチャルな空間をペインティングにしているような作品を作っているイメージです。

    また、今回の展示はステイトメントには以下のようにありました。

    3Dソフトを用いて構築されたチャプリンの新作ペインティングは、建築物を解体することで、特定の機能から解放された構造体の集合体として描かれています、そこでは、全ての要素が、無重力という美学的な力を持って生まれ変わります。デジタル空間の中において、都市は自由に可変的であり、都市のようでいて、そうではありません。またオブジェクト、モニュメント、空間のディテールを取り除かれたその景色は、より均一で本質的です。

    引用:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/jonathan-chapline-metropolis/press-release

    以前の作品は実在できそうな、空間に無理のないものが多かった印象なのですが、今回は構造が空中に浮遊し、分解しているような3D空間の作品でしたでした。

    CGや何らかのソフトなどで作った空間や画像のようなものを、そこからペインティングにするという手法自体はいろんな人がやっている手法だと思います。

    さらにCGとしての立体データがあるのだから、そこから立体がつくられるという確率も高くなると思います。そこで、上手く絵画と連結できているイメージが取り出せるのか、絵画と違和感なく立体が並べられるかという部分があると思います。

    今回はその都市としての絵画と、都市のまたは公共の象徴とも言える噴水の立体は、非常に親和性が高く絵画の中に入れるようなイメージの連結ができてとても良かったです。

    MOVIE

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    INFO

    ジョナサン・チャプリン「Metropolis」

    会場:NANZUKA UNDERGROUND
    会期: 2023年3月18日(土) 〜4月16日(日)
    開館時間:11:00 – 19:00
    閉廊日:月曜・火曜

    WEB:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/jonathan-chapline-metropolis/press-release

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  • 近藤恵介・冨井大裕「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」- LOKO GALLERY

    近藤恵介・冨井大裕「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」- LOKO GALLERY

    近藤恵介さんと冨井大裕さんの「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」をLOKO GALLERYで観てきました。

    ギャラリーにはいると衝撃的な作品(被災し、修復した作品)が目に入ってきます。ステイトメントを読むと以下の文章があります。

    川崎市市民ミュージアムに収蔵されていた近藤恵介と冨井大裕の共作による《あっけない絵画、明快な彫刻》は2019年10月の令和元年東日本台風で地階収蔵庫の浸水によって被災した多くの作品の中に含まれていました。
    被災し修復を施されたこの5点の作品の運命に二人の作家は向き合い新たな作品《あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻》を制作しました。

    近藤恵介さんは、以下のような作品を制作している方です。

    日本画の技法を使いながら日本画の技法を用い、やまと絵に見られる構図法「吹抜屋台」などから引用した建築的な構図の中に、植木鉢やコップなど日常にあるものを精密な描写で並列させた絵画を制作。

    引用:https://bijutsutecho.com/artists/374

    冨井大裕さんは、以下のような制作をしている方です。

    スーパーボール、クリップ、鉛筆、ハンマーなど、多種多様な既製品を用いて立体作品を構築する作品スタイルへと移行。並べる、重ねる、束ねる、折り曲げるといったシンプルな手法によって、既製品を本来の意味や機能から解放し、彫刻の新たなあり方を探求し続けている。

    引用:https://bijutsutecho.com/artists/64

    2人とも、日常にあるものをそれぞれの手法で変化させて作品をつくっているようです。何となくですが、近藤さんが作った日用品の絵画のようなものを冨井さんがコンポジションしているのかな?と思わせる作品でした。

    展覧会タイトルにもあるのですが、以前の「あっけない絵画、明快な彫刻」から、「続いているわからない絵画と彫刻」ということで、全く関連性がないかというとそういう訳でもない絵画があったりしました。

    新作として作られた、石膏の作品と平面的な作品があったのですが、どちらの作品もなにかあっけらかんとしているというか、被災した作品との関連性がないように感じるほど、楽しそうな明るい作品に感じました。

    被災した作品だけで、展覧会を作った場合にはまた違う雰囲気の空間になっていたと思いますが、新作があったことで、過去のことを気にしつつも前を向いて新しく楽しく進んでいく力強さを感じました。

    4/10まで川崎市市民ミュージアムWebサイト内「the 3 rd Area of “C”―3つめのミュージアム」上で開催されている「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」展をみると展示の背景や修復の様子とか見れます。

    また、合わせて上記展覧会の図録がつくられています。こちらの図録は、執筆に近藤恵介さん、冨井大裕さんだけでなく、佐藤美子さん、杉浦央子さん、羽生佳代さん(川崎市市民ミュージアム学芸員)、成相肇さん(東京国立近代美術館主任研究員)、林卓行さん(美術批評・東京藝術大学准教授)となっていますので、充実の内容になっていそうです。

    実物のギャラリー展示、WEB上での公開、資料としての本での公開と、様々な方法でこの状況を共有できるような展開がされていて必見です。

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    BOOK

    INFO

    近藤恵介・冨井大裕「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」

    会場:LOKO GALLERY
    会期: 2023年3月9日(木)~4月9日(日)
    開館時間:11:00 – 19:00 / 日曜;12:00-18:00
    閉廊日:月曜・火曜・祝日

    WEB:https://lokogallery.com/archives/exhibitions/plainandsimplepaintingandsculpturethatcontinueslikeanenigmainthebackground

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  • ob「となりあうもの」- Kaikai Kiki Gallery

    ob「となりあうもの」- Kaikai Kiki Gallery

    obさんの「となりあうもの」をKaikai Kiki Galleryで観てきました。

    以前からobさんをみていればすぐに気がつくと思うのですが、いままでのどこまでも入っていってしまうような、黒くて深い目の表現が変わっていました。

    全体的に淡い色合いだったりするのが、より淡い色合いに変わっているような印象もあり、書き込み自体も少し増えているのか、絵画の全体の印象も変わってきています。

    しかし、やはり最初に書いたように目の表現が吸い込まれそうな黒から、何も見えなくなってしまったような白に変わったところが、とても印象的でした。

    展覧会のタイトルが「となりあうもの」ということから、隣に誰か(または何らかの動物とか)がいる作品が多いような気がします。となりあうものがいる作品に限って目は真っ白になっているという。

    黒目のようなものが少しだけある作品はこちらが見られているような向かい合っているような気にさせられ、こちらが隣り合っているかのように思えます。

    ドローイングなども展示されていたのですが、それは目の表現は白と黒が反転しているような?ハイライトが多く入っているような、書き方なので、それがどんどん進行して光が入りすぎて真っ白になってしまったような経過が見て取れるような気がしました。

    展覧会にあたってのobさんのコメントと村上隆さんのコメントがステイトメントとして出ているのですが、とても面白いです。

    このコメントを読めばそれがすべてなのではないかと思えるほどなので、ぜひ読んでもらえるといいと思います。

    この表現の変化と、パンデミックと、obさんがペロタンギャラリーで取り扱われて世界的にブレイクして人気になっていることとがリンクしていてとても興味深い話でした。

    こういうようなスタイルの絵なのにも関わらず、大きな画面を埋めてしまえるほどの技量を重ねてきたところが、このブレイクにもつながっていると思うと、ブレイクするべくしてしたと思えて感動的でした。

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    ob「となりあうもの」

    会場:Kaikai Kiki Gallery
    会期: 2023年3月10日(金)~3月30日(木)
    開館時間:11:00 – 19:00
    閉廊日:日曜・月曜・祝日

    WEB:https://gallery-kaikaikiki.com/category/exhibitions/ex_solo/solo_ob/となりあうもの/

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  • 桑田卓郎 展 「ー伝陶ー」- 柿傳ギャラリー

    桑田卓郎 展 「ー伝陶ー」- 柿傳ギャラリー

    桑田卓郎さんの 「ー伝陶ー」を柿傳ギャラリーで観てきました。

    柿傳ギャラリーは、京懐石・柿傳さんが運営している、陶磁器を中心に展示・販売するギャラリーです。

    現代美術ではなく、お皿や器や湯呑みやお茶関係のものなどの展示販売をしています。

    つまり、今回の桑田卓郎さんの作品は現代美術的な側面の作品ではなく、陶芸家としての側面の桑田卓郎さんの作品がありました。

    桑田さんの作品は、茶埦(茶道具として使われるようなもの)、CUP(日常的に使用可能なもの)、オブジェ(巨大すぎる茶埦や、現代美術として展示されているようなもの)の3タイプにグラデーションはありつつも大きく分けられいます。

    それらは共通して、陶芸で使われている技術や手法などが使われて作品を作られています。

    今回の展示は、主にCUPの作品が多く特に新たに工房に作られたという薪窯を使った新作のCUPがメインでした。

    そのため、今までのような電気窯でつくったカラフルだったりメタリックだったりする作品は少なめで、早々に売り切れていました。

    桑田卓郎さんの作品といえば、今までの陶磁器としての枠を超えるような型破りな作品が多いイメージです。

    しかし、今回のタイトルが「伝陶」という部分や、電気窯ではなく薪窯を使った作品という事から、新たなスタイルでありながら、陶芸の伝統を組み込んだ作品にも思えます。

    初窯であるとのことで、様々なスタイルの作品がでていました。今までも様々なスタイルの作品を出しながら、いくつかのスタイルのものが定番として作品として作られ続けているので、この中から新たな定番が出てくるかもしれません。

    (個人的には写真の「CUP 焼き〆 土化粧白磁 オデキ」あたりが好きでした。桑田さんなので少し変形してたりノイズがあるようなものが気になってしまいます。)

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    桑田卓郎 展「ー伝陶ー」

    会場:柿傳ギャラリー
    会期: 2023年3月25日(土)~3月30日(木)
    開館時間:11:00 – 19:00

    WEB:https://www.kakiden.com/gallery/archives/59450/

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  • 掛井五郎 – タカ・イシイギャラリー

    掛井五郎 – タカ・イシイギャラリー

    掛井五郎さんの展示をタカ・イシイギャラリーで観てきました。

    不勉強ながら掛井五郎さんという作家さんを知らなかったのですが、掛井五郎財団ができるほどの作家さんで、2021年の91歳まで作品を作っていたそうです。

    一見、子供が作ったように思えてしまうようなプリミティブな形をしているのですが、そこには生命力のような力強さがあります。

    絵画も合わせてみると、どれも人体でユーモアがある形をしている作品が多く無邪気に制作をしているのかな?というような自由さを感じます。

    しかし、どことなく南米またはアフリカのような形状がところどころに見えたりしましたが、実際メキシコで教鞭をとっていたこともあるそうです。作品によってはジャコメッティのような細長い人体の形状が見えたりもします。

    それにしても、こういう作家の作品を現代美術のフィールドで突然みせられて、古さを感じないところなど、ギャラリーのキュレーションというか、目利きを感じます。

    実際、ここにない作品の画像や、アトリエの映像などをみるともっと無邪気で子供が作ったような作品もあるので、現代アートのフィールドに合わせているんだろうなと思います。

    アメリカの西海岸とかでウケそうな展示のされ方だし、そういう感じのある作品のチョイスだなと思ったら、どうやらFRIEZE LOS ANGELESにも作品が出ていたようで、ギャラリーとはこういうものか、すごいなと思いました。

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    掛井五郎

    会場:タカ・イシイギャラリー
    会期: 2023年2月25日(土)– 3月25日(土)
    開館時間:12:00 – 19:00
    休館日:日・月・祝

    WEB:https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/28446/

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  • ジョージェ・オズボルト「The pleasure principle」- TARO NASU

    ジョージェ・オズボルト「The pleasure principle」- TARO NASU

    ジョージェ・オズボルトさんの「The pleasure principle」をTARO NASUで観てきました。

    何かどこかで見たようなイメージ。ピカソだったり、ゴッホだったり、モンドリアンだったり、コルビュジエだったり、そのほかにもどこかでみたような?というイメージがありました。

    そのイメージがコラージュのように加算されていたり、逆に減算され切り抜かれてカラフルな背景の中に置かれていたり。

    同時に文脈とも切り離され、絵画の中にあったときとはまた別の意味を持ち始めることになる。

    また、その他のイメージと連結されることによって、新たな文脈が強化され全く違う絵画になってしまう。そんなコラージュで遊んでいるかのようなところがあったり。

    どこかが脱力していてコミカルで、どこかに暗い雰囲気がありシリアス。謎が謎を読んでくるような連鎖があるところが、ジョージェ・オズボルトさんの作風なのかな?という感じがします。

    ステイトメントに答えが書いてあるかもしれない。

    今回、オズボルトが一連の作品の主題としてとりあげたのは「名画」として認識されている西洋美術史上の著名な絵画の断片的イメージである。

    画像アプリで切り取られたかのように背景を失い、バラバラなモチーフとして残った「名画の断片」は、本来、強力な視覚情報だったそれらが、複製の過程で無力化された姿ともいえよう。その姿に、様々な形で分断され、断片化されていく現代人の日常とアイデンティティを想起することも不可能ではあるまい。

    文脈を失うことで意味を失い、伝えるべきメッセージを失って色と線の塊として取り残されたそれらの「画像」は、果たして鑑賞者の視線によって新たな意味を与えられ、「再生」を果たすのだろうか。かつて属していたのとは異なる、未知なる空間に放り出されたそれらの「画像」は、いかにして生き延びることができるのだろうか。

    引用:https://www.taronasugallery.com/exhibition/current/

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    ジョージェ・オズボルト「The pleasure principle」

    会場:TARO NASU
    会期: 2023年2月25日(土) – 3月25日(土)
    開館時間:11:00 – 19:00
    休館日:日・月・祝

    WEB:https://www.taronasugallery.com/exhibition/current/

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  • DUMB TYPE「2022: remap」- アーティゾン美術館

    DUMB TYPE「2022: remap」- アーティゾン美術館

    DUMB TYPEの「2022: remap」をアーティゾン美術館で観てきました。

    今回の展示は、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示で発表された「2022」の、単純な再現展示ではなく、アーティゾン美術館の空間に「2022: remap」として再配置した展示です。

    まず、ダムタイプがどのような集団なのかをWEBの解説から引用します。

    ビジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成されるグループ。1984 年の活動開始以来、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を続けてきました。特定のディレクターをおかず、プロジェクト毎に参加メンバーが変化するなど、ヒエラルキーの無いフラットでゆるやかなコラボレーションによる制作活動は、既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして内外で紹介されています。

    引用:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/

    アートコレクティブ的な集団ですが中心メンバーのような人物はいて、私の認識では、最初は古橋悌二さんなのですが、亡くなってしまったため、その後は高谷史郎さんや、池田亮司さんというイメージがありました。ですが、今回は音楽が池田亮司さんではなく、坂本龍一さんが担当していました。

    といっても、坂本龍一さんがピアノで曲をつくったとかではなく、ヴェネチアビエンナーレという世界的な場での展示なので、世界中のフィールドレコーディングされたものや、地理の教科書から取られたシンプルで普遍的な問いが読み上げられるサウンドディレクション/デザインを行なっていました。

    使っている機器や技術を新しいものにアップデートしつつ、集団のメンバーも新陳代謝を行なって作品がつくられているので、DUMB TYPEというイメージは共通のまま新しいDUMB TYPEになっているという印象があります。

    今回の作品は、レーザーや超指向性スピーカーなどを使って、真っ暗な空間のなかで、掴み取れそうで掴み取れないような存在感がありながらも、一部は気配を作り出すような繊細さもあり、想像力や読解力のようなものを問われているような展示でした。

    会場が暗いという理由だけでなく、それぞれの機器が機械としての存在感があまりないようなものを選択されているのか、作品への没入感が強く、超指向性のスピーカーが突然近くに存在があらわれるようなインスタレーションの強さがありました。体感しないと分からない部分が大きく、これがDUMB TYPEの作品だなと感じました。

    MOVIE

    引用:The Japan Foundation国際交流基金
    第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示
    ダムタイプ《2022》報告会
    引用:VernissageTV
    360°: Dumb Type / Pavilion of Japan
    at Venice Art Biennale 2022

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    DUMB TYPE「2022: remap」

    会場:アーティゾン美術館
    会期: 2023年2月25日(土)~5月14日(日)
    開館時間:10:00–18:00(5月5日を除く金曜日は20:00まで)
    休館日:月

    WEB:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/

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  • 河原温「Today」- THE ANZAI GALLERY

    河原温「Today」- THE ANZAI GALLERY

    河原温さんの「Today」を THE ANZAI GALLERYで観てきました。

    言わずとも知れた、コンセプチュアルアートの大御所、河原温さんの「TODAY」シリーズと「I GOT UP」シリーズの展覧会がTHE ANZAI GALLERYで開かれていました。

    河原温さんの財団であるOne Million Foundationと共催ということだけあって、資料の本や会場の音まで作り込まれていて、美術館レベルの作品が並んでいました。

    説明は不要かもしれませんが、「TODAY」シリーズは、日付絵画とも言われるその日にいた地域での言語で日付を書くという作品で、1日のうちに完成しない場合は破棄されるというルールのもとに作られています。

    初期作品は、作品を入れる箱側にその日の新聞などがコラージュされていて、時間をパッケージしているとも言える作品です。

    その考え方や、繰り返し作られていくことや、作品の制作方法など、そのコンセプトにアートという部分があるという、コンセプチュアルアートを体現しています。

    Todayシリーズ以外にもI GOT UPシリーズがならんでいました。

    I GOT UPシリーズは、絵葉書に起床時間を書いた手紙を送るというシリーズで時間という概念と場所という概念が作品の中にパッケージされている。

    それが日々反復されていくことにより、作品の意味や文脈が増えて作品としての重みが増していくという作品です。

    また、会場の一部では、One Million Yearsの音声が流れていました。これもまた時間を捉える作品で河原温さんを考える上で時間というものがどれだけ重要かが分かるようでした。

    MOVIE

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    河原温「Today」

    会場:THE ANZAI GALLERY
    会期: 2023年1月14日(土)~3月4日(土)
    開館時間:12:30 – 18:00
    休館日:日・月・祝

    WEB:https://www.theanzaigallery.com/today

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  • Wolfgang Tillmans「MOMENTS OF LIFE」- ESPACE LOUIS VUITTON

    Wolfgang Tillmans「MOMENTS OF LIFE」- ESPACE LOUIS VUITTON

    Wolfgang Tillmansさんの、「MOMENTS OF LIFE」をESPACE LOUIS VUITTONで観てきました。

    現代アートで写真を使った作家で、イギリスのtate主催のターナー賞をイギリス人以外で受賞した、国際的に活躍しているWolfgang Tillmansさんの個展です。

    以前、WAKO WORKS OF ARTで観た時とは空間の広さも違うので、作品の大きさも違っていて、かなり大きな作品が多かったです。

    展示や展示されている作品については、ESPACE LOUIS VUITTONのWEBを見ると詳しく載っているので、是非そちらを読んでもらうといいと思います。

    個人的には、写真作品を読み解くのは得意ではないので難しいです。

    しかし、作品1つ1つのそれ自体は大きな意味をもたなそうなのに、展覧会全体でみると何かの文化的な意味が立ち上がってくるような、展示のバランスでした。

    1部に日本の写真が使われていて、絶妙に既視感のようなものがあり、何やら入り込まれている気がしました。

    大きな紙に印刷されているようなものや、額装されている写真、サイズもいくつかあり、壁の中でも位置が計算されて配置されています。

    空間の光まで完全にコントロールするためか、普段は大きな窓で開けているESPACE LOUIS VUITTONの窓を全て閉じた空間になっていました。

    WAKO WORKS OF ARTでの展示は小さいものが多く、少し大きなものがあったりもしたのですが、こちらは大きな作品がメインで小さいものはなかったです。

    しかし、展示のバランスのようなものは似ていて、これがティルマンスの展示手法なのかと思いました

    展示方法の意味などはわからないのですが、それぞれの写真が関係性を持って配置されていて、写真同士の関係で作品に物語があるように感じさせているような気もしました。

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    Wolfgang Tillmans「MOMENTS OF LIFE」

    会場:ESPACE LOUIS VUITTON
    会期: 2023年2月2日(木)~6月11日(日)
    開館時間:11:00 – 19:00
    休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店に準じる

    WEB:https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/
    オフィシャルWEB:https://tillmans.co.uk/

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  • 鹿野震一郎「年末年始」- 照恩寺

    鹿野震一郎「年末年始」- 照恩寺

    鹿野震一郎さんの「年末年始」を照恩寺に観に行きました。

    一見、脱力しているかのようなゆるい絵のようにもみえるのですが、鹿野さんの作品を何度も見ていると何かの暗号のようにも思えてきます。

    何度も出てくるサイコロ、トランプ、骸骨、月などのアイコン的なモチーフと、ルールがありそうな配置や、空白などが、意味がありそうに思えてきます。

    この繰り返し出てくるモチーフが、何度も展示を観ているうちにとても面白くなってきます。

    今回の展示もインスタグラムなどでいくつかの投稿を見ていたら、年末では灰色の空白だったところに、年始には月が浮かび上がってきていました。(写真の月の絵画です)

    その他にも、作品の展示場所がかなりの確率で光の影響が強すぎるような場所に展示されていて、これは意図的なのか、どうなのか・・・。(写真をみてたら逆光率の高さ。色が正しく撮れていないと思います)

    普通ならこの壁とか光を受けるように展示しそうという場所はありました。しかし、そこではなく実際の展示は、かなり逆光だったり、ちょっと暗いところだったり、ガラスとかの近くで光の影響を受けそうだったり、環境の影響を受けそうなところに作品が置いてあったようにも思えました。(お寺という場所の制約上そういうところにしか展示できなかったのかもしれないですが。)

    こちらが考えすぎなのか?謎が多いのか?ゆるいようにも感じるけど、複雑にも感じる展示で面白かったです。(過去の動画で鹿野さんの謎のヒントになるかもしれない動画があったのでリンクをつけておきます。

    PHOTO

    INFO

    鹿野震一郎「年末年始」

    会場:照恩寺
    会期: 2022年11月23日(水)~2023年1月29日(日)
    開館時間:13:00 – 18:00
    休館日:火・水、11/26、12/3、1/13、1/28 年末年始のお休み:12/27~1/4

    WEB:https://www.shouonji.jp/blog/art20221107/

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  • 泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」- オペラシティ アートギャラリー

    泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」- オペラシティ アートギャラリー

    泉太郎さんの「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」をオペラシティ アートギャラリーで観てきました。

    はじめに、この展覧会は体験する要素が多いので、行く予定の方はそっとブラウザを閉じていただいた方がいいかもしれないです。

    また、VR作品があるのですが、3時間待ちだったので、観ていません。全て見られる方は、朝一で行かれた方がいいかもしれません。

    展覧会に入ると、荷物をロッカーに入れるように言われるのですが、すでに荷物が入っていて、どうやらそれを着て観てください。とのことでした。

    袋をあけるとマント?が入っていたので、それの白い方を着て展示室へ。(子供用のマントもありました。写真は子供用です。)

    展示室にはいると、QRコードを読み込み、そこで17分程度の展覧会を観るルールとそれは出来ないなぁと拒否する会話を聞きます。また、この会話の中に展覧会のヒントのようなものが散りばめられています。(ヒントといっても答えがあるわけではないのですが)

    その曖昧でわからないルールと、展覧会のヒントと、壁に書かれた曖昧でわからない説明を手掛かりに展覧会をみることになります。

    さらに進むと、ずれたカーペット、倒れたような壁、ON/OFF、ひっくり返って点いているのかわからないモニタ、過去の展覧会の要素なのか?縮小版なのか?、落ちた宇宙船のようなVRを観るための作品、米と犬とポップコーン・・・。

    もはや何もわからない中、手探りで観ていると突然マントを脱ぐ指示と棒を取り墓を立てろという指示。

    次の展示室に入るとテントがたくさん立った部屋が現れて、墓がテントで・・・。マントを裏に返し、古墳の石室のテントを開いているスペースに作り、このテントの中でゆっくりして寝転んでもいい。

    部屋の奥には先ほどの宇宙船のようなVRの作品を観るための予約受付と、事務的な予約の呼び出し。

    (3時間待ちだったのでVR作品は見られず)

    待ち時間をテントの中でゆっくりと待つことができる。このテントの数だけの人間がこの中にいると思うと(実際は全部にはいないけれど)かなり人が密集している。

    けれどもテントの中にいるので、どれだけの人がいるかわからないため、思った以上にリラックスできる。これは美術館なんだろうか。そのまま展覧会が終了します。

    これが再野生化なんだろうか。とにかく体験しないとわからない気がしました。体験しても何をしているのかわからないのですが、それが良かったです。

    わからないということが作品であるような気がします。現代アートとなると、分かる人/分からない人で分けられてしまう部分が多少なりともあると思うのですが、分からないを作品にすることで鑑賞の体験を均等にしています。

    これが色々なものを曖昧に案内している泉太郎さんの意図かどうかはわかりませんが、分からないという体験、おそらく分からないままでいい、分かってみようかな?と考えるという面白さがあると思いました。VRが全員みれないのは意図だと思いますし、それもまた曖昧さだと思います。

    追記:会期後半に公開されたインタビューが面白かったので、追加しておきます。
    TOKYO ART BEAT「【対談】泉太郎×武田宙也「わからなさについてのプロセス」という永久機関。「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」展の謎を語り合う」

    MOVIE

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    BOOK

    INFO

    泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」

    会場:オペラシティ アートギャラリー
    会期: 2023年1月18日(水)〜 3月26日(日)
    開館時間:11:00 – 19:00
    休館日:月、2月12日(全館休館日)

    WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh258/

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  • 金氏徹平「POOOPOPOO」- Yumiko Chiba Associates

    金氏徹平「POOOPOPOO」- Yumiko Chiba Associates

    金氏徹平さんの「POOOPOPOO」をYumiko Chiba Associatesで観てきました。

    金氏徹平さんの2人展などはありましたが、個展としては、Yumiko Chiba Associatesさんでは初の展覧会だと思われます。

    今回の金氏さんの展覧会も新しいタイプの作品というイメージの作品なのですが、毎回毎回あたらしいので一体最近の作品ってどんな感じなのか掴みきれないという感じがしています。

    金氏さんというと立体作品というイメージだったころもあったのですが、最近は比較的平面の作品が多いようにも思えます。

    今回の平面作品は、Stare Reapの印刷をつかった独特の凹凸のある印刷がペインティングに混ざっているようなタイプの平面作品でした。

    作品としては、今までのStare Reap作品では観たことのないような大きなサイズでさらには、いくつかの平面ペイントの手法が混ざっているようでした。

    もちろん、印刷されているものもコラージュと言っていいような感じなのですが、手法としても手法をコラージュしている方法にも見えました。

    そんな中、アーティストステートメントなどを観ていると、この新展開がどのように作られているのかがわかって面白いです。

    ■アーティストステートメント

    タイトルのpとoの羅列は途中までは正確に作品の制作プロセスの順番を追っているが、途中からは無意味なフィクションです。
    photo、on、phenomenon、oil、paint、of、picture、object、panel、over、pour、or、print、opposite、planet、optimize、paper、、、
    液体としての写真、絵。”oil on photo” 、”写真の写真”から”photo on oil”、”絵の写真の絵の写真”。
    これらの作品は絵画ではなく、コラージュによって空間を作り出す彫刻だと考えています。
    一時的な単位、空間、歴史、集団、価値、を作り、それがまたバラバラになったり、別の何かに変化していく。
    閉じた一つとして見えていたものを、解体し、それ自体をマテリアルとして見て、それらの層の中に空間を作ることで異物やフィクションが紛れ込む余地を作っています。

    引用:http://ycassociates.co.jp/exhibitions/2022/12/22/1688/

    MOVIE

    PHOTO

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    金氏徹平「POOOPOPOO」

    会場:Yumiko Chiba Associates
    会期:2023年1月19日(木)- 2023年2月25日(土)
    開館時間:12:00 – 19:00
    休館日:日、月、祝

    WEB:http://ycassociates.co.jp/exhibitions/2022/12/22/1688/

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  • 森千裕、金氏徹平、CMTK「ねてるひとと、おきてるひと (The sleeping one, and the one that is awake)」- PARCEL

    森千裕、金氏徹平、CMTK「ねてるひとと、おきてるひと (The sleeping one, and the one that is awake)」- PARCEL

    森千裕さん・金氏徹平さん・CMTK(2人のコラボレーションの名義)の「ねてるひとと、おきてるひと (The sleeping one, and the one that is awake)」をPARCELで観てきました。

    森千裕さん・金氏徹平さんの、どちらの作品もありつつ、さらには共同のCMTK名義の作品があるという展覧会です。

    どちらの作家さんも知っているので、共同で作った作品が楽しみでした。共同で作った作品はCMTK名義で基本的にはレンチキュラー(シールとかにある、右からみたり左からみたりすると図像が変わるもの)をつかった作品でした。

    森千裕さんの写真の作品をレンチキュラーをつかって、金氏徹平さんが、コラージュしているようなタイプの作品でした。最近色々なところでCMTK名義での展示があるので、これから見る機会が多そうです。

    レンチキュラーというと、現代アートのなかではラファエル・ローゼンダールさんのイメージが強いですが、使い方はどちらかというと何かのオマケなどについているシールのような使い方に近いように感じました。

    レンチキュラーを使うと、見る位置から作品の見え方が変わっていくのですが、今回のCMTKの「Star & Dust」という作品は、マイケルジャクソンなどのスターの写真と、普通にも思える何でもない写真がコラージュされている作品であるようです。

    レンチキュラーで角度を変えると、マイケルジャクソンと一緒に見えてくる、一見普通の写真は、なんだかスターとの対比というよりも、その日常を切り取ったようにも見え、ストーリーがコラージュされているようにも感じました。

    今回は、CMTK・森千裕さん・金氏徹平さんのそれぞれの個々の作品があるため、作品のつながりのようなものをグラデーションのようになんとなく感じたりもしたのですが、CMTKとしての作品が適度に違うタイプの作品なので、3人展のようにも見えるので不思議な感じがしました。

    境界がありつつも、曖昧で、その曖昧な感じが、普段の作品もいつもと何か違うようにも感じてしまう面白い展示でした。

    MOVIE

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    BOOK

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    森千裕、金氏徹平、CMTK
    「ねてるひとと、おきてるひと (The sleeping one, and the one that is awake)」

    会場:PARCEL
    会期:2022年12月10日(土)- 2023年1月29日(日)
    開館時間:14:00 – 19:00
    休館日:Mon / Tue

    WEB:https://parceltokyo.jp/exhibition/the-sleeping-one-and-the-one-that-is-awake/

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  • 加藤泉「寄生するプラモデル」- ワタリウム美術館

    加藤泉「寄生するプラモデル」- ワタリウム美術館

    加藤泉さんの「寄生するプラモデル」をワタリウム美術館で観てきました。

    加藤泉さんは、昔は比較的ペインティングが多いような印象でしたが、最近は木や石などの自然の素材を使った立体が多くなっている印象でした。

    ところが、今回はさらに人工物であるプラモデルを使って作品を作っていました。とはいえ、昔から色々な場所でカラーリングが違うソフビの作品を売っていたり、シャンプーボトルの作品もやっていて、そのようなものが作品に取り込まれていたこともあるので、プラモデルも自然に作品に取り込まれていました。

    ただプラモデルと言ってもロボットとか車とか戦車ではなく、それどこに売ってるの?というような、動物や昆虫や魚のプラモデルでした。

    ステイトメントを見るとどうやら、ヤフオクやeBayで買った昔のプラモデルらしいのですが、それを見つけている時点で流石です。

    展覧会の最初の方の作品は、石にペインティングをした加藤泉さんのいつもの精霊のような何かを、作品にしているものとプラモデルが並んで組み合わさって作品になっていました。

    木彫の大きい作品などと、プラモデルがいくつも組み合わさっている作品などはもはやジオラマのようなプラモデルとの一体感があるように感じました。

    プラモデルとの組み合わせの面白さを観ていく展覧会のようにも見えたのですが、それだけではなかったです。

    最終的には、石の作品がそのままプラモデルになって組み立てられるというものが展示されていました。パッケージまで完璧にできているので、販売しているかのようなクオリティー。

    組立説明書もあるし、ポスターのようなものもあって、プラモデルを組み立ててデカールを貼ると完全に作品となるようです。

    しかし、これはいざ売ってたとして、買っても大切にして組み立てられないかもしれない。

    プラモデルと合わさった作品から、プラモデルが作品になるまで、なめらかに物語がつながっていて、とても面白い展覧会でした。

    外には、大きい石の作品がワタリウム美術館の道を渡った向かいにあるので、それも必見です。

    MOVIE

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    加藤泉一寄生するプラモデル

    会場:ワタリウム美術館
    会期:2022年11月6日(日)〜 2023年3月12日(日)
    休館日:月曜日(1/9は開館)、12/31-1/3
    開館時間:11時 – 19時

    WEB:http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202211/

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