投稿者: watanabe

  • PIERRE SOULAGES – PERROTIN TOKYO

    PIERRE SOULAGES – PERROTIN TOKYO

    PIERRE SOULAGESさんの個展をPERROTINで観て来ました。

    ついに東京にきたビックギャラリーのペロタンのオープニング展なので期待していたのですが、PIERRE SOULAGESというアーティストでなんと黒一色。しかも黒い面を削り取ったかのような作品で黒の面と光だけが作品の中にあるという印象。とても力強い作品でした。

    最初の展覧会なので派手にいくのかと思ったのですが、一見地味とも言えるタイプの展覧会をやるとは思いませんでした。そして、奥の部屋には村上隆さんの作品とか置いてありましたが、それもすべてモノトーンの作品でした。徹底していてよかったなぁ。これからの展覧会も楽しみです。

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    Pierre Soulages New Paintings
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  • 関口正浩「Warped」- 児玉画廊

    関口正浩「Warped」- 児玉画廊

    関口正浩さんの「Warped」を児玉画廊で観てきました。

    絵具を使っているので、ペイントだとは思うのですが、彫刻というかなんというか。作品自体は恐らく絵具を膜のような状態にしてそれを加工しているために、半偶然というか、半自然というか、一見大理石のような柄が浮かび上がっているのですが、その過程が非常に彫刻的に感じられるという、作品で、ジャンルを横断しているような面白さがありました。

    大理石だけでなく、石や、岩などの柄のようにも感じたりして、ある意味これが自然がやっている作業なのではないかと思うくらいに面白さがありました。今後どういう展開をしていくのか楽しみです。

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  • 佐藤允「求愛 / Q1」-  KOSAKU KANECHIKA

    佐藤允「求愛 / Q1」- KOSAKU KANECHIKA

    佐藤允さんの「求愛 / Q1」をKOSAKU KANECHIKAで観てきました。

    前からやっている細かいどこまでも念のようなものを書き込んだ重い鉛筆画もあったんですが、それに加えて今回はペインティングもありました。さらに公開制作というかライブペインティングというか、その場で作品の制作を行っていました。

    ペインティングの作品も自画像なんですが、どこか念のような深い感情が刻み込まれているという感じがします。そこで今回のステイトメントを読んでみると、

    本展は人を傷つける、傷つけられるという、佐藤の制作自体の中心とも重なるテーマがあります。佐藤は以下のように述べています。

    —–
    求愛

    幼少期、絵を描いている私の絵を覗き込む大人達は皆、苦い顔をした。つまり、私の絵は気持ちが悪かったのだ。世の中には表してはいけない絵があり、作者の意志に関わらず、人を傷つけたり不快にさせる恐れのあるものは表現してはならないと教えてくれた先生もいた。

    私は表現していたのではなく、ただ吐き出していただけだった。
    周りの忠告から私は、隠れてこっそり絵を吐くようになった。

    大人になり、その気持ちに変化はない。今でも、絵を描いていると、描いてはいけないんじゃないか、と躊躇することがある。誰かを傷つけてしまうかもしれないことは日常の中に沢山あって、その傷は目に見えないから、描く手を止めて考える。これは人に見せてよいものなのだろうか。描くこと自体が悪いことのようにも思う。

    今回描かれているものは全て私のことだ。私は私を表す時程、清濁全てを覗いてみたいと思う。

    絵に自分自身を写すことで、私を理解してくれる誰かを探している。
    他人と心繋がず生きるのはとても苦しい。

    私は絵になって、人に触れたい。
    —–

    人と繋がりたいけれど、傷つけることも傷つけられることも避けたい。それは誰もが抱く思いです。佐藤の制作はパーソナルな事柄や問いから出発していますが、その切実さは鑑賞者の心をも動かします。またその一方で、「描く手を止めて考える」という習慣から佐藤が獲得した、俯瞰的で冷静な眼差しは、自身の描いたものを通してもう一度世界を捉えなおそうとしています。

    本展のタイトルにある「Q1」には複数の意味が含まれています。「求愛」としての「Q1」、そして「問1」としての「Q1」。今年の3月11日、6年前に震災があった同時刻に、2匹の虫が恐れながら互いに近づきあおうとしている場面を描いた作品が偶然完成しました。「求愛」はその作品によって佐藤の頭に浮かんだ言葉で、現在の彼の表現活動において重要なキーワードだと感じたと言います。

    人が誰かと完全に繋がり、一緒になるということは、人である以上不可能なことかもしれません。だからこそはかなく、美しいもの。絵画だけではなく、文学など様々な芸術において古くから続くこのテーマや理想を佐藤は追い続け、描いています。

    この表現はこういうところから来ているのかという理由がわかったような気がしました。
    深い思考があるからこその、作家に触れるかのような「求愛 / Q1」を興味深く見れました。

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  • 古武家賢太郎「ヒロシマカラー」- MAHO KUBOTA GALLERY

    古武家賢太郎「ヒロシマカラー」- MAHO KUBOTA GALLERY

    古武家賢太郎さんの「ヒロシマカラー」をMAHO KUBOTA GALLERYで観て来ました。

    10年のイギリス生活をしたのちに故郷ヒロシマに4ヶ月間戻った際の滞在制作ということなのですが、あまりヒロシマカラーという顕著なヒロシマ推しのようなものは見えず、どちらかというともう完全に軸足はイギリスにあるんだなということを思わせる展示になっていたように思えました。

    絵に描かれている人物やシチュエーションなんかも海外の瞬間を切り取ったように見えるし、ホックニー的な何かが感じ取れるというのは確かにと思うところでした。独特なタッチなのでその独特な雰囲気を出しながらも美術史の中から上手くエッセンスを抽出してるので、美術なんだなと思わせる強度があって面白いです。

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  • 菅木志雄「70年代、80年代の仕事から」- ヒカリエ 8/CUBE

    菅木志雄「70年代、80年代の仕事から」- ヒカリエ 8/CUBE

    菅木志雄展「70年代、80年代の仕事から」を渋谷ヒカリエ 8/CUBEで観てきました。

    小さな作品がいくつかと、70年代80年代のアクティベーション(簡単に言うと作品を作るようなパフォーマンス)の写真と動画が流れているという展覧会でした。

    いままでにアクティベーションを見たことはなかったのでなるほどなーという感じで、アクティベーションの動画は資料としての価値がありました。

    作品が空間を支配しているというか、空間を決めているような菅さんの作品が好きなので、アクティベーションの動画は時代を感じて、作品との違いを感じました。

    写真も昔のものがほとんどでしたが、スライドショーで画面で流れている写真には最近のDia:Chelseaでの展覧会などあったので、それはなかなかおもしろかったです。とにかく過去の作品の展示だったので、メインはあくまで小山登美夫ギャラリーでやっている「分けられた指空性」の方だなと思います。

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    世界を〈放置〉する: ものと場の思考集成
    菅 木志雄
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    Kishio Suga 菅木志雄
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  • Haroshi「GUZO」- NANZUKA

    Haroshi「GUZO」- NANZUKA

    Haroshiさんの「GUZO」をNANZUKAで観てきました。

    捨てられてしまうスケートボードのデッキを重ねて木材とした後に、それを彫った彫刻作品です。こんなに綺麗に重なった層が出てくるんだなと思うような彫刻作品で、キャラクターのようなコミカルな彫刻がおもしろかったです。

    KAWSのインスタグラムとかにも紹介されていたし、日本での展覧会もやっているけど、海外でも結構展覧会をやっているので、海外とかでも注目されるアーティストのようです。

    ギャラリー内にランプとか作っていたんですが(滑走禁止です)、どのデッキも綺麗で廃材とは思えないようなもので、一旦整備して色なども塗り直してから使ってるのかな?だからあれほど綺麗な断面がでてくるのかもしれない。それでないと柄とか出てきそうだもんなぁ。

    スケボーのデッキを使っている作品ですが、ストリート感に寄り添いすぎることがなく、現代アート作品としてのバランスも取れている感じがして面白かったです。

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  • 權寧禹 内藤楽子 ドロシア・ロックバーン「Systemic Paper」- BLUM & POE

    權寧禹 内藤楽子 ドロシア・ロックバーン「Systemic Paper」- BLUM & POE

    權寧禹(クォン・ヨンウ)、内藤楽子、ドロシア・ロックバーンによるグループ展「Systemic Paper」をBLUM & POEで観て来ました。

    タイトルにあるように、紙をシステマティックに解釈したり、構築することによって作られている作品で、紙という素材を活かした作品でした。破られたり、穴を開けたり、丸や立方体をつくって堆積させていたりと、折をつけていたりと、方向性はいろいろでしたが、根本にある紙の捉え方はかなり近いのではないかなと思うような3組でおもしろかったです。

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  • MADSAKI「HERE TODAY, GONE TOMORROW」- Kaikai Kiki Gallery

    MADSAKI「HERE TODAY, GONE TOMORROW」- Kaikai Kiki Gallery

    MADSAKIさんの「HERE TODAY, GONE TOMORROW」をKaikai Kiki Galleryで観て来ました。

    今回は以前に見たことがあった、有名な作品をスプレーで模写するような作品ではなく、MADSAKIさんの妻の題材にした作品で、それがどれもヌードでした。

    細かく書き込みがされているとかではなく、相変わらずのスプレーでのペインティングですが、モデルが近い存在のおかげなのか、どこかがなにやらエロく、そして身近に感じられ、表現豊かに感じられるような作品でした。

    ストリートっぽいものや、グラフティー的な感じの作品はなんだかんだで出てきたばっかりで、これからしっかりとアートとして認知されるんだろうなと思っているので、そういうアート寄りなグラフティー作品は、とても面白く感じます。

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  • リー・キット「Not untitled」- ShugoArts

    リー・キット「Not untitled」- ShugoArts

    リー・キットさんの「Not untitled」をシューゴアーツで観てきました。

    Not untitledというタイトルを観ただけでも、一筋縄ではいかない展覧会なのだなとわかる。
    そして内容もその通り一筋縄でいかなくてどう読み解けばいいのかわからない。しかし、タイトルから感じるのは自由に解釈して良いということの気がする。

    写真にはなかなか写しにくい(下手なので)展覧会なのだが、壁に投影された映像の一部が絵画であったり、アクリルの塊を介して投影されていたり、ギャラリーの壁を多くして、光や人間の動作までもある程度計算したようなつくりで、全貌を把握するのが難しく、それによって考えさせられるようなつくりでもありました。

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  • 菅 木志雄「分けられた指空性」- 小山登美夫ギャラリー

    菅 木志雄「分けられた指空性」- 小山登美夫ギャラリー

    菅 木志雄さんの「分けられた指空性」を小山登美夫ギャラリーで観てきました。

    菅木志雄は、1960年代終わりから70年代にかけて起こった芸術運動「もの派」のメンバーであり、同時代を生きる、戦後日本美術を代表するアーティストの一人といえます。「もの派」以降も東洋的思想に共鳴した独自の哲学に基づき、素材や物質、空間に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」の持つ存在の深淵を顕在化させてきました。「もの派」への評価が国際的に改めてクローズアップされている昨今においても、菅は更にその思考を深化させ、追求し、その表現をし続けています。

    という紹介が書かれている菅さんですが、その「もの」を出会わせているような感じの作品がなんとも言えないバランスでカッコよくというか、美しくというか、美術的に収まっているという素晴らしさがあります。なんといっていいかわからないのですが、これがもの派の「もの」に対するというスタンスなのかなと思わされます。

    額のように見えるようなフレームやキャンパスのあるように思える作品がいくつかあり、その中または外に飛び出す形で、絵画のようなバランスをもっているものなどもあり、単に空間とのバランスで作品となっているものだけではなくそれとして作品になっているものなどもありおもしろかったです。

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  • マリア・タニグチ – タカイシイギャラリー

    マリア・タニグチ – タカイシイギャラリー

    マリア・タニグチさんの個展をタカイシイギャラリーで観てきました。

    かなりコンセプチャルで内容をつかむのが難しく、よくわからなかったというのが正直なところです。作品は、単純なレンガのようなペインティングと円や線のような立体が空間を作っていました。

    レンガのようなペインティングの方がマリアタニグチさんがいつも作っている作品のようで、緻密に描かれていて巨大なものもあったり。また、空間にあわせたかのような立体によって緊張感ある空間になっていました。

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  • 大庭大介 個展 – SCAI THE BATHHOUSE

    大庭大介 個展 – SCAI THE BATHHOUSE

    スカイザバスハウスで大庭大介さんの個展を観て来ました。

    今まで偏光パールの絵の具を使って見る角度によって色が変わるような作品を作っていた大庭さんが、ホログラム系の顔料を使うことによって新たなタイプの作品を作ってきたという印象でした。今までは、光り方も含めて優しい感じの作品の印象があったのですが、今回は金属のような力強さがありました。

    エッジの立った筆の動きがわかるような力強さをより感じるようになり、新たな作品の方向性にいろいろな表情が加わって、作品の幅が一気にものすごく広がったような気がします。

    今回はさらに色のないような作品もあったりして、これからどんなものを作っていくのか楽しみになる個展でした。

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  • 大巻伸嗣「YCC Temporary」- YCCヨコハマ創造都市センター

    大巻伸嗣「YCC Temporary」- YCCヨコハマ創造都市センター

    YCC Temporary 大巻伸嗣をYCCヨコハマ創造都市センターで観てきました。

    ヨコハマの歴史とヨコハマの地図と建物の記憶を混ぜたような展示。白く書かれた大きな地図がさすが大巻さんだなという繊細さとダイナミックさを持っていてそれだけでも成り立ってしまいそうなクオリティーでした。時間のサイクルと歴史のサイクルを意識したという15分ののループするインスタレーションでおもしろかったです。

    大巻さんの作品で煙やシャボン玉を使ったものや、こういう地面に絵を描いても変化をさせていくようなものとかもあるので、そういう変化が起きるという意味ではそのループのサイクルも変化にも思えるし、横の赤い窓の中の絵や、全体が赤くなる瞬間など、戦争や地震という災害にサイクルがあるようにも思えるそういうテーマの作品で、読み込んでいくといろいろなコンテクストがあるような作品でした。

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  • 愛☆まどんな「曖昧なUミーハーな愛」- AWAJI Cafe and Gallery

    愛☆まどんな「曖昧なUミーハーな愛」- AWAJI Cafe and Gallery

    愛☆まどんなさんの個展「曖昧なUミーハーな愛」をAWAJI Cafe and Galleryで観てきました。

    POPな美少女の絵なんですが、クールな青だけの絵画でした。絵だけでもいい感じなんですが、その絵からはみ出す形でインスタレーションされていたというか、そういう会場構成になっていて絵画同士が繋がっているような面白い見せ方でした。

    美少女はもう書き慣れている感じで、愛まどんなさんの作品だなというのがすぐにわかるので、そこから先にどういう風になっていくのかな?と思ったりしたのですが、やはり1番大きな絵はなかなかでこれから大きい絵もどんどん作っていくのかな?と思ったりしました。絵画が繋がっているのもそれの布石に思えたりしました。まだ買えるレベルの値段なので、お買い得な気がしました。

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  • 青森県立美術館

    青森県立美術館

    青木淳さん設計の青森県立美術館を観てきました。

    青森で土地が余っているのか、かなり巨大な美術館で展示空間も超巨大なものがあって、これほど大きな作品を作るのは日本人ではあまりいないだろうなと思うし、海外からこれほど大きな作品をもってくることもなかなかできなさそうなので、この空間を生かすのは大変そうだなと思ったり。

    半分地下に埋まったような作りで、その地層がところどころ見えているような作りが、近くにある遺跡を思わせる作りになっているのは良いです。ただ、なぜレンガのようなファサードでそのレンガをわざわざ白く塗っているのかはわからなかったなぁ。10年たったので結構メンテナンスが大変そうな感じになっていました。

    コレクションは奈良美智さんの作品が1/3くらいを占めていた印象で、あと棟方志功の部屋みたいなのがありました。さらにシャガールのバレエ「アレコ」舞台背景画というのが超巨大空間を埋めていてこれのためにこの地下に埋まった天井高のある空間があるんだなという感じでした。あとは、野外作品に奈良さんの作品が2つあってあおもり犬は人気でした。あと、コレクション展のところにあった立石大河亞さんの立体もなかなかおもしろかったな。

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  • ラブラブショー2 – 青森県立美術館

    ラブラブショー2 – 青森県立美術館

    ラブラブショー2を青森県立美術館で観てきました。

    コンセプトが近かったり、合わせてみると面白いというような作品を、同じ空間に置いてそこから新たなコンテクストを読み解くような展示でした。

    コラボレーションという形というよりは、同じ空間に置いてあるという感じで、一緒に作品を作るという感じとはちょっと違ってるかなという感じでしたが、それはそれで面白い見方もできたりしてよかったです。また、青森県立美術館の建築としての面白さは遺跡のような地中に入っているような空間や、その中に現れる超巨大空間かと思うのですが、岡本光博さん(美術家)× 青秀祐さん(美術家)の部屋は巨大な作品が超巨大空間にあって、空間が生かせていて面白かったです。

    東京の飛び地も余裕があれば観に行きたい気もするがって思ったら、もう終わっていた。笑

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  • 十和田市現代美術館 と その周辺

    十和田市現代美術館 と その周辺

    西沢立衛さん設計の十和田市現代美術館を観てきました。

    小さい箱が通路で繋がっているというのは西沢さんらしいというか、SANAAらしいというか、21世紀美術館は美術館内部に入るにはどこからでも入れるけど、展示室には入れないように区切られている感じでしたが、十和田市美術館に関しては箱がバラバラに置いてあるが。その通路のなかには入れないことで展示室に入れないという感じでした。どちらもSANAAの建築で見る方法ですが、こっちの方が集合住宅的な手法でつくられている感じでした。

    草間彌生さんを筆頭にアート広場には大きめの野外作品が置いてあって、結構日本では見ない規模の野外作品だったので、結構すごいなという印象ですね。あと、残念ながら常設の方は写真不可なんだけど、やはりロン・ミュエクは一見の価値ありですね。目を合わせると合うんですよね。リアルすぎて。今なら進撃の巨人ってこんな感じかと思ったり。あとは、ジム・ランビーとかスゥ・ドーホーとか結構好きな作品もありました。

    アート広場はあるけど、建築自体が小さいところをみると土地はあったけど、予算が・・・という感じなのかもしれませんが、やっぱりもうちょっと大きな美術館だといいのになーと思いました。企画展のスペースが小さすぎる気がするんですよね。常設が3/4くらいある感じだし。

    とはいえ、美術館はそんな感じだけれども、十和田市はそれだけじゃないのがすごいですね。十和田市民図書館が安藤忠雄さんの建築なのです。中は安藤さんには珍しく木で暖かい感じにできていて採光も多くて明るい図書館でした。しかし、安藤忠雄部屋みたいなところもあって、そこはいかにも安藤さんだなという部屋でおもしろかったです。

    そして、さらにあるんです。隈研吾さんが作った市民交流プラザ、トワーレがあります。歩いて行ける範囲で安藤建築・隈建築・西沢建築がみられる場所って日本でも表参道か十和田市かって感じなんじゃないんだろうか?しかも表参道よりもこちらの方が作家性が出てて面白いです。そんな隈研吾さんは最近の感じの木を使った建築です。

    中は子供達が遊べる空間があったり、休憩することができる空間があったり市民交流プラザとして、人気でしっかり使われている感じがよかったですね。内側も木を使っていて綺麗にできててさすが隈さんだなぁという感じ。予算をかけずに見た目良くって感じで作ってそうだけど上手だなぁーという印象でした。

    十和田市はもちろん美術館の内容とか展示とか展覧会とかが中心で来る機会となったんだけど、こんなに建築的にも面白いところでいいなぁーと思いました。コンパクトながらに面白いものが集まっていました。センスがいいなぁ。

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  • 村上隆のスーパーフラット現代陶芸考 – 十和田市現代美術館

    村上隆のスーパーフラット現代陶芸考 – 十和田市現代美術館

    村上隆さんの「村上隆のスーパーフラット現代陶芸考」を十和田市現代美術館で観てきました。

    最近村上さんがFacebookなどでいろいろ投稿している現代陶芸の展覧会です。村上さん自身が現代陶芸のコレクターであるので、そのコレクション展であるのですが、村上さんは日本の現代陶芸と現代美術の共通点やその文脈から芸術を問い直すようなことをしていて、それの展覧会という形です。

    ステイトメントやコンテクストのようなものは村上さんのFacebookの2017年の前半くらいを見るといろいろ書いてあったりするので、その辺りを観ていただければと思いますが、陶芸の世界は日本の芸術の縮図でもあり、現代生活陶芸も現在外に活路を見出す時期に来ているのではないか?しかし、そんななかいつもの日本的な考え方でまた悪い方向に向かっているのではないか?というようなものであると思います。それを村上さんとしては打破して新たな芸術の道を進んでいこうとしていると思うのですが、それらのなかで重要となってくる作品の展示という感じでした。

    大谷工作室さんの巨大な作品から、奈良美智さんのような現代アートから来ている陶芸や、桑田卓郎さんのような陶芸の新たな一歩を進んでいるようなもの、また逆に普通の皿や壺のようなものまで所狭しと並べられていて、村上さんの話に出てくる作品を直に観るような機会になりました。

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  • 北参道オルタナティブ・ファイナル

    北参道オルタナティブ・ファイナル

    北参道オルタナティブ・ファイナルを観てきました。

    今回も前回と同じ場所で開かれている北参道オルタナティブのファイナル展です。観た感想としては、前回とほぼ同じ作家で、同じ場所ということで、新鮮味というかそういうものがあったんだなということが理解できました。そもそも結構こういう取り壊しになる建物を使っている割には無難なホワイトキューブ的な使い方をされているなという印象だったのですが、そういう空間で2回目ともなると、あたかも普通にホワイトキューブでグループ展を観ている感覚にかなり近いと感じました。

    それは同時に急激にハードルがあがるという気がします。より個々の作品の力量を問われる気もしますし。そういう面ではそのマイナスがあり前回の方がよかったかもな思ったのは否定できない部分ですが、それでも新しい作品や、外から観たときにいろいろ絵画が増えていたり見所はあったと思います。大槻英世さんのとかはいつ見てもマスキングテープにしかみえないし、区別できないし、今回はライブペインティング的に作業していたり、そういう前回との違いもありました。

    とはいえ、やはり前回の方が新鮮味があってよかったなと。作品の力がないわけではないんだけど、こういう場の雰囲気が強い場合に何度もやるのはかなりアーティスト側からすると実は辛いのかもなと思いました。難しいですね。

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  • カールステン・ニコライ「パララックス」- 市原湖畔美術館

    カールステン・ニコライ「パララックス」- 市原湖畔美術館

    カールステン・ニコライさんの「パララックス」を市原湖畔美術館で観てきました。

    展覧会自体はあまり大規模というほどでもなかったのですが、最初のunidisplayの作品はいくつものパターンを流したりするので、ボリューム的に少ないとはそれほど感じませんでした。結構湖畔美術館は空間が変な形で使いづらそうなのに、空間の使い方が上手いなーという部屋にあったそれぞれの展示でおもしろかったです。模様やパターンが少しづつ変化しながらサウンドを生成するような巨大なunidisplayは見飽きないで見続けられる映像で、映像美という言葉はまた違う気もしますが、こういうのも映像美としか言えない気がします。

    強いて言えば、映像はかなりしっかりと大きく出力されていたのに対して、音が思ったよりも小さめでもうちょと大きめな良いサウンドシステムで音を出したら面白いのになと思ったりしましたが、まあ、それぞれの作品の音声が干渉しあわないバランスをとるとあれくらいなのかもしれません。unidisplayとかは爆音で聴きたかったですね。

    今まであった路線バスがなくなり、最寄りの駅からはタクシー利用か丘を1つ越える20分コースの歩きしかないし、その最寄駅までも電車が1時間に1本あるかないかという非常に過酷な場所でやっていますが、見に行った甲斐はあったなと思いました。とはいえ、もうちょっとどうにかならないものかと思いますが・・・。苦笑

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  • 小泉明郎展「帝国は今日も歌う」- VACANT

    小泉明郎展「帝国は今日も歌う」- VACANT

    小泉明郎さんの「帝国は今日も歌う」を原宿のVACANTで観てきました。

    GWを含む9日間のみの会期なので、見れない人も結構いるかもしれませんが、思った以上に混んでいて注目度の高さが伺えました。

    私の夢も帝国に侵されたことがあります。というサブタイトルの通り、そのようなところから語りがスタートしますが、父が権力に連れて行かれる不安のようなものや、力や思想によって弾圧されるようなもの、それを見ようとしない外枠の人々のようなもの、それらの中を連れて行かれるような、夢のように進んで行く映像でした。

    結局のところこれを伝えるというようなものとは少し違った現在の空気をアートという形に封入して、それを長い時間いろいろな場所で再現できるようなものであるような気がしました。不安と権力と力と思想の混じり合ったものが圧倒的に迫ってくるようなものでした。国立や都立の美術館とかでは見れなさそうという話があるのも納得できるような気がしてしまうほど、強度のある映像でした。

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