梅沢和木さんの「Beyond the Windows」をNADiff Galleryで観てきました。
梅沢さんといえば、インターネット上にあるものを素材として、それをコラージュしたり、加筆したりして作品をつくっています。
その中でも重要な要素としてキャラクターが置かれています。キャラクターを絵画の中心に置くことで、現実的な世界とインターネット的な仮想世界が曖昧になるような作品です。
過剰にコラージュされ、様々な解像度のパーツが画面を覆い尽くしているイメージで、どこまでも圧縮されて詰め込まれている印象があるのですが、今回は少し変わったようにも思いました。
今までと違い、原色や蛍光的な派手な色使いだけではなくペールトーンのようなパステルカラーのような色でまとめられた作品などもありました。
また、かなりの作品が画面の中央あたりに顔が置かれていて、ある種の肖像画のような印象を受けるものが多かったです。以前のようにとにかく圧縮して貼り付けられて詰め込まれている画面ではなく、絵画的なバランスを重視して、抑揚がつけられているような印象もありました。
パソコンの画面のコラージュ的なアプローチよりも、絵画的なアプローチへの比重が大きくなっているようにも思え、とても好きなバランスに仕上がっていました。
今回のステイトメントの「キャラクター画像と当事者性」という文章でなぜキャラクターを使うのか整理するような文章を書いていて、そこはまとまりがないまま、迷いがありつつ作品を作り続けているということが興味深かったです。
RICHO ART GALLERYで見たときは、StareReapの印刷技術と作品の相性が良いので今後も使っていくのかなと思いましたが、今回の作品は逆に印刷よりも絵画に近づいて行ったようにも思えて面白かったです。
どうしても、カオスラウンジやキメこななどの印象が強いため、モヤモヤっとした気分になる部分がないとは言い切れないのですが、一つくらい作品を持ってても良いかなと思うくらいに、今回の展示は好きでした。
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INFO
梅沢和木「Beyond the Windows」
会場:NADiff Gallery
会期:2023年7月6日(木)- 2023年7月30日(日)
開館時間:12:00 – 20:00
休館日:月(7月17日は祝日のため営業、翌18日(火)休み)
WEB:http://www.nadiff.com/?p=30609