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  • 「村上隆のスーパーフラット・コレクション」カタログ

    「村上隆のスーパーフラット・コレクション」カタログ

    改めて分厚い本だなと、写真がとにかく多く綺麗なので、展覧会の内容がよく分かると思います。書いてある文章自体もそれほど難しくはなく、とにかくアーティストではなくコレクターとしての村上隆さんがどのような人なのか。どのようにアーティストとしての村上隆と繋がっているのか?が分かるような内容です。

    こういうことを知りたくて村上隆さんがコレクターになったというステートメントの一部を抜粋しておきます。

    まず・・・・・・芸術はなんで高額で取引されるのか?
    それから・・・・・・古いものはなぜ、高額になってゆくのか?
    古くて、かつ、芸術的に高い価値を持つものとは何か?
    有名な名物の古いものと、無名のものとの間にある差とは何か?
    芸術における良し悪しとは何に起因しているのか?
    価値に個人的な思い入れは関係があるのか?
    国によって、価値の変動はあるのか?
    画商ってどういう商いを行うのか?
    コレクションを集めてゆくとはどういうことなのか?
    美術館とはなぜできたのか?
    人はなぜ、芸術を鑑賞せねばならないのか? などなど。

    十和田市現代美術館で行われる展示はこの中から特に現代陶芸の部分に焦点をあてて、強力なコレクターとして、さらには世界的なアーティストであるという視点を入れた展示になっているようなので、かなり面白そうで、行きたいのですがいけるかなぁ・・・。頑張って予定を早く立てないと気がつくと終わっちゃう展覧会とかあるので要注意ですね。

    ちなみにステートメントの一部を抜粋しておきます。

    利休にはじまる茶の湯、柳宗悦を中心とした民藝運動、デパート陶芸からクラフトフェアまで、多様に展開する陶芸の世界から、日本の価値と美のありようを汲み上げる村上の頭の中の陶芸史を初公開。陶芸の文脈を再考しつつ、「芸術とはなにか」に迫る、村上隆キュレーションによる美術館初の陶芸展です。ぜひご期待ください。

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  • 村上隆「村上隆のスーパーフラットコレクション」- 横浜美術館

    村上隆「村上隆のスーパーフラットコレクション」- 横浜美術館

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    個人コレクション周辺が最近いろいろ賑わっている。いくつかのファッション系の社長さんとかがかなりのコレクションをしていて公開していたり、海外でも個人コレクションの美術館的なものができたりとか。

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    そんな中、村上隆さんのコレクションが横浜美術館で公開されています。そしてそれがもう世界レベルのコレクションなわけです。大まかに分けて現代美術と骨董と現代生活陶芸の三本柱という感じのコレクションで、絵画等で近代以前のものは日本のもの(白隠とか)しかないという感じでした。

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    トークショーを聞いてから、展覧会を見たのですが、見るだけではわからないことも沢山あったり、赤裸々にコレクションの値段とかを話したりしてくれたので、非常に面白かったです。村上さんレベルになると、自分の好みを理解するために沢山買ってみるというような方法を取っていてすごいなと。この展覧会に出す予定の作品も最初は400点くらいの予定だったようなのですが、結果的には1100点くらいというものすごい量の展示になっています。

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    骨董は日本の国宝レベルのものもあったりするんですが、今日本の名品と言われるものは価値が下がってきているそうなので昔よりは買いやすい値段になってきているそうです。しかし、それでもお金があれば買えるというわけではなく、いろいろ騙されたり盛られたりしながら、売ってもいいかな?というところに来たそうです。それが北大路魯山人旧蔵の茶碗と鼠志野茶碗が並んで入口付近に展示されていて象徴しているようです。

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    それとある意味連続しているようなのが、現代生活陶芸で、桃居や坂田から、魯山やうつわ祥見やうつわノートあたりで色々な作家さんを買っているようで、この辺りはそれほどコレクション展には多く出品されていなかったですが、たくさんコレクションがあるそうです。この現代生活陶芸も文脈やその売り手の思想を買う部分があり現代美術と近いという部分があるようです。

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    ヴェネチアビエンナーレでミカロッテンバーグが出していた作品があったり、来場者がPOPな人体像をスケッチすることで完成するデイヴィットシュリグリーの作品などもあり、インスタレーションまでコレクションしているというすごさがありました。(個人的には奈良美智さんの像の後ろにキムゴードンのプッシーガロアがみえるのが結構ツボ)

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    そして圧巻の現代美術コレクションは入口すぐの巨大なキーファーや李禹煥の部屋があり、ジャン・ホアンの巨大なスフィンクスのようなライオンのような像も、ものすごく巨大でいきなりやられる感じです。そこから奈良美智さんの馬車のような作品に流れるわけで、それはもうすごいわけですが、大竹伸朗さんや中村一美さんなどがあったり、ジェフクーンズやダミアンハーストがあったり、とにかく国内外のトップアーティストの作品がありました。

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    そしてMr.の作品があるのはわかるけど、指差し作業員や小泉明朗さんの作品があったのはびっくりしたり。基本的にKaikaiKikiギャラリーやHidariZingaroで見たいようなものは全てコレクションに入っているところが、売れなかったら買っているというのか?好きだから呼んでいるのか?というところもありますが、それもやはりすごいと思いました。

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    このコレクションをみて感じたところは現代アートは確実に抑えつつも、日本の古くからの骨董を持っていることや、現代生活陶芸を多く持っていることを含めて五百羅漢展で感じたサブカルチャーを通り越して古い日本との接続が見られるコレクションでありこの辺りが五百羅漢にも通じているところなんだろうなと思いました。

    このグチャグチャとした大量のコレクションが全て並列であるかのように考えることがスーパーフラット考え方の一部であるということが非常にわかりやすかったような気がします。森美術館と合わせて2つの展覧会をみることで、それぞれの展覧会単体ではみれなかったあらたなものが見えてくるような気がしました。これほどのコレクションをみることはなかなかないので面白い展覧会です。

    PHOTO

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    村上隆の五百羅漢図展

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  • 束芋「断面の世代」- 横浜美術館

    束芋「断面の世代」- 横浜美術館

    横浜美術館でやっている束芋さんの「断面の世代」のチケットをもらう事ができたので、行ってきました。たびたび束芋さんの映像はみているんですけど、多作ですね。頻繁に展示が行われているイメージがあります。

    ということで、横浜美術館に行きました。入ってすぐ作品が投影されてて美術館も暗くなっていたので、すごさがありました。新しいタイプの作品では無かったです。いつもより大きいかなと思いました。

    入ってからは、緻密なドローイングとか、それを利用した映像とか。ドローイングがスゴい上手いんですが、いきなりかけるのではなくやはり下書きとかを入念にした後に書いているというのがわかって何だかちょっと安心したというか、奇才って感じではないんだなって思いました。

    その後、結構大がかりな映像が続くって感じでした。細部では詰めの甘いようなところもあったような気がします。そういうところであまり大きい映像だとちょっと疲れたりしました。でも、昔と比べるとドンドン作品の細部が詰められているような感じがして、それは好きずきだとは思いますが、ちょっと重すぎる印象が。

    ただ、人気があるんで、結構人がたくさんいましたし、こういうのが好きな人が多いんだなーという印象を強く受けました。色の使い方とかが上手いからかなぁ。個人的にはもっと家サイズの作品があったらおもしろいかもとか思ったりしました。それがみてても疲れないクオリティだったらとか想像すると面白いなー。これからもドンドン出てくる人だとおもうので気になります。

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  • 「柳 宗理展」- 横浜美術館アートギャラリー

    「柳 宗理展」- 横浜美術館アートギャラリー

    横浜美術館アートギャラリーでやっていた、柳宗理展に行ってきました。丁度、カメラの電池が切れてしまったので、残念ながら写真はなしです。スイマセン。柳宗理といえば、超有名なインダストリアルデザイナーっていう印象だったんですけど、思ったよりも色々なものをデザインしてました.この展示では、今まで柳さんがデザインして来た色々なものが展示されたりしてました。

    柳さんの有名なものだと、お皿とか湯のみとかもありますし、冷酒のグラスとかも知らず知らずに使ってると思います。あと、最近CMでやかんをみますが、そういうキッチン用具もたくさん作っていますね。そのほかにも色々、バタフライスツールやエレファントスツールなんていう、デザイン系のショップに行けばあるようなものもつくってます。またこの展示の面白いところで言うと、関越トンネルの入り口とか、高速道路の料金所/壁や、年賀状とかいろいろな細かいもののデザインもありました。

    多分誰が作ったかわからないものを結構デザインしていたりするようです。そういう作家性のない誰もが普通と思うデザインをたくさんしているようです。今でいうとロングライフデザインになるようなものを意図的につくっていたんでしょう。個人的には柳さんのキッチン道具は幾つか使ってますが、スゴく気に入ってます。展示では知ってるものも多かったんですけど、なかなか面白かったです。

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  • 金氏徹平「溶け出す都市、空白の森」- 横浜美術館

    金氏徹平「溶け出す都市、空白の森」- 横浜美術館

    ついに行ってきました。金氏徹平さんの「溶け出す都市、空白の森」です

    横浜美術館って奈良美智さんの展示の時に来ただけだったので、かなり久しぶりに展示を見ることになりました。

    あまり現代美術とかやらない場所のイメージで、西洋美術が多いんだと思うんですけど、そういう建物だとしてみると、なかなかよく出来てます。

    金氏徹平さんの展示ですが、思ったよりもボリュームがあって、さらにいくつかのシリーズがあるんですけど、知らないシリーズのものとかもあって面白かったです。

    基本的に余白をデザインしているというか、やはり現代の考え方として、足し算よりも引き算がすばらしいと捉えられるという部分って言うのは多かれ少なかれあるとおもうんですけど、足す事によって空白をつくるという手法は、なかなか無いんじゃないかなと思います。そういう空白を全面に出したもの以外ももちろんありますが、何となく空白を意識して出来てるものが面白いです。

    何かを足す事で本質が見えずらくなるところに空白が生まれて来たり、そのなかにボヤケタ部分が生まれて来たり。そういう曖昧とか空白とかそういう物を足す事によって表現するというのは面白いなと思いました。ただ、カオスに足してすべてをノイズにして空白を生み出す感じでもないし。そのあたりのバランスが面白いです。

    どっかでTeenageFanClub(というシリーズがあります。)が買えないかなー。もう高くなっちゃって手が出ないかもしれない・・・。とりあえず、動画を貼付けておきます。とりあえず、白地図のコラージュみたいなTシャツ買いました。

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