カテゴリー: EXHIBITION

  • 大竹伸朗「大竹伸朗展」- 国立近代美術館

    大竹伸朗「大竹伸朗展」- 国立近代美術館

    大竹伸朗:宇和島駅

    大竹伸朗さんの「大竹伸朗展」を観に国立近代美術館に行ってきました。

    大竹伸朗さんの伝説の展覧会「全景」展から16年ぶりの回顧展で、楽しみに行ってきました。500点というとても大量の作品数ですが、以前の全景と比べると(比べる意味はないけど)流石に少なく感じましたが、それでもすごいボリュームの展覧会です。

    「全景」展の時と同じく、今回も入口で宇和島駅が迎えてくれます。そして「Documenta 13」で展示されたモンシェリーを筆頭に、大きな作品も多数展示され、「ヴェネチア・ビエンナーレ」と同じようにスクラップブックも全て展示されています。キーとなる展示を引用しつつ、平面も立体もあり、圧倒的なエネルギーや時間を感じることになります。(かつて行ったDocumenta13の記事はこちら。

    大竹伸朗:モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像

    今回の展覧会は、作品が時系列に並べられるのではなく、「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」という、7つのテーマに分類されています。分類は一応されていますが、テーマが重なったり横断することもあり、混ざり合って展示されています。

    水戸芸術館で開催されたビル景などを例にしてもわかるように、1つのテーマでも美術館をいっぱいにできる作品数があるはず。なので、まだまだもっとたくさん観たいという気持ちになります。

    作品の大きさだけみてもモンシェリーは美術館の天井に突き刺さっているし、その他の作品も天井ギリギリまでの作品も多く、一般的な美術館という空間には収まり切らないスケールの作品ももっとあるのでは?と思わせられました。

    そういう意味では、直島のような野外であったり、建物ごと作品のような、自由にひらけた環境の方が大竹さんにはあっているのかもしれないと思ったりもします。

    現代美術だとコンテクストが複雑なものもある中で、大竹さんの作品はもっと直感的または原始的とも言えるようなものが多いように思います。

    それはテーマになっているものからもわかると思いますが、時間や記憶や音などのような、誰にでもあるようなものを堆積させて作品にというところか、作品を直感的にしているようにも思えました。

    大竹伸朗さんの作品は、コラージュやアッサンブラージュがされているものも多く、それがサンプリングやリミックスのように、切り取られ、編集され、貼り付けられ、使われていくという部分を核に観ていくと作品の導入として良いかもしれません。

    スクラップブックが、その傾向が最も分かりやすいと思います。コラージュなどが圧倒的な、量、時間、堆積となり作品を構成しています。

    もちろん、それだけではなく、ドローイングのようなものや、版画や、コラージュを剥がした痕跡のような作品など、積み重ねていくだけではないシンプルな作品もあり、作品の種類は多岐にわたります。

    ニューシャネルも、ただそこにあったドアを切り取り使い方/見せ方を変える事で新たな作品としてしまうなど、サンプリングと近い手法にも感じます。

    このニューシャネルからさらに発展させて大竹文字と言われるフォントまで展開させていくこともまた、リミックスの発想に近い手法に感じます。

    日本景、ぬりどき日本列島などのシリーズもサンプリング的な手法ですし、様々な部分から何気ないものを作品として変化させられる審美眼のようなものを感じます。

    ダブ平の名前の元になっているDUBという音楽もそんなサンプリングやリミックスを中心とした音の加工も含めた手法。音楽も作品としている大竹伸朗さんらしい手法とも思えます。

    一見まるでゴミのような素材を、その選択眼・審美眼により見極め堆積させ・混ぜ合わせ、新たな作品を生み出していく、そこに尋常ではないエネルギーが詰まっていることが感じ取れます。

    圧倒的なボリューム、スケール、時間、堆積、などなど、そこにあるものを受け取るだけでも作品が成立するので、難しいことを考えずに身を任せて観られる展覧会です。誰にでもオススメです。まずは、そのエネルギーを感じてください。

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    INFO

    大竹伸朗展

    会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー、2Fギャラリー4
    会期:2022年11月1日(火)~2023年2月5日(日)
    休館日:月曜日(ただし1月2日、9日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月10日(火)
    開館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)
    *入館は閉館30分前まで

    公式WEB:https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/
    東京国立近代美術館WEB:https://www.momat.go.jp/am/exhibition/shinro-ohtake/

    巡回展: 
    愛媛県美術館 2023年5月3日(水・祝)―7月2日(日)
    富山県美術館 2023年8月5日(土)―9月18日(月・祝) [仮]

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  • 岡﨑乾二郎「TOPICA PICTUS Revisited Forty Red, White, And Blue Shoestrings And A Thousand Telephones」- Blum & Poe

    岡﨑乾二郎「TOPICA PICTUS Revisited Forty Red, White, And Blue Shoestrings And A Thousand Telephones」- Blum & Poe

    岡﨑乾二郎さんの「TOPICA PICTUS Revisited Forty Red, White, And Blue Shoestrings And A Thousand Telephones」をBlum & Poeで観てきました。

    岡﨑乾二郎さんの個展ですが、とにかくまずはステートメントを読むと今回の作品がどういう状況で作られたかよくわかるので、引用してみます。

    2021年10月、岡﨑は突如として病に倒れました。6ヶ月以上にわたる入院生活や壮絶なリハビリを経て驚異的な回復を遂げた岡﨑は、再び筆を取り始めます。この一連の経験は、身体と精神さらには世界の間に存在する関係性について新たな示唆を作家に与え、さらには、芸術制作の意義についての新たな視点をもたらしたと言います。本展では、退院後から取り組んできた初公開の最新作の数々が一堂に会します。 

    引用:https://www.blumandpoe.com/exhibitions/topica_pictus_revisited

    病に倒れ、入院生活とリハビリを経ての新作ということなんですが、以前と作品の作りというかフォーマットといわれるような部分はそのままに思えるのに、こんなに違うものに見えるとは。というのが第一印象でした。
     
    過去の作品と細かく比較しているわけではないので、イメージではあるのですが、何もかもが変わったような、今までなかったものが作品になっている印象で、とても良かったです。これは欲しいなと思いました。

    色の選択や、色の混ざり合い、筆の使い方まで、何かが今までと違うなと感じさせる部分があり、晴れ晴れとした清々しさがあるようにも感じてしまいました。

    また、対になっている作品なども多くあり、両方を見ると対になっていることがわかるのですが、その共通点が確実にありながらも、一見共通点がないような絶妙な繋がりがあり、とても良かったです。

    小さいながらも、十分に内容が詰まっていて、このサイズ感と思わせない広がりのようなものを感じました。

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    岡﨑乾二郎
    「TOPICA PICTUS Revisited Forty Red, White, And Blue Shoestrings And A Thousand Telephones」

    会場:Blum & Poe Tokyo
    会期:2022年9月24日 – 11月6日

    WEB:https://www.blumandpoe.com/exhibitions/topica_pictus_revisited

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  • MADSAKI「Island Love」- Kaikai Kiki Gallery

    MADSAKI「Island Love」- Kaikai Kiki Gallery

    MADSAKIさんの「Island Love」をKaikai Kiki Galleryで観て来ました。

    MADSAKIさんは、スプレーを使ってペインティングしていく作品を作っていますが、いわゆるストリートとは違ったペインティングをしています。

    名画や、アニメやコミックなどを模写するようなものや、ポートレート的なものをスプレーで描いていたりします。

    ポートレート的な作品をみていると、アーティスト情報にある、「(アメリカと日本という)2つの異なる文化を包含するアイデンティティに由来するフラストレーションや疎外感を表現」というものを強く感じます。

    今回の展覧会は、コロナ禍で移動もままならない状況に悶々とした日々に、ハワイの友人との充足した日々を作品にしたものです。(詳しくはステイトメントにあります。

    開放的であり、幸せな友人との時間であり、自分を取り戻すような時間を切り取った作品ということが画面からよく伝わってきます。

    それと同時に、MADSAKIさんの作品にいつも感じる冷静な落ち着いた寂しさのようなものも感じます。

    パーソナルなテーマでありつつも、コロナ禍では共通の感覚でもあり、幸せな時間を感じられるような展覧会でした。

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  • 清水信幸「踊れる線と肉」- HARMAS GALLERY

    清水信幸「踊れる線と肉」- HARMAS GALLERY

    清水信幸さんの「踊れる線と肉」をHARMAS GALLERYで観てきました。

    清水信幸さんは、以前は平面が立体化したような、あくまで絵画あるいは平面が立体的に立ち上がっているような印象の作品でした。
     
    今回はどちらかというと、平面というよりは立体と言って良いような作品で、空間または空中にドローイングしたような感じの作品でした。

    立体であり絵画であるような不思議なバランスの上で成り立っていて良かったです。立体すぎない平面すぎない。気になるバランスが最高です。

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    清水信幸「踊れる線と肉」

    会場:HARMAS GALLERY
    会期:2022/10/8(土)〜11/12(土)金/土/日のみオープン
    WEB:http://harmas.fabre-design.com/past/1956/

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  • 金氏徹平・小林健太「Human Behaviour」- RICHO ART GALLERY

    金氏徹平・小林健太「Human Behaviour」- RICHO ART GALLERY

    金氏徹平さん・小林健太さんの2人展の「Human Behaviour」をRICHO ART GALLERYで観てきました。

    2人展ですが、組み合わせ理由が2人ともサマーソニックで展示したとかっぽく、あとから付け加えたみたいな理由はあるっぽいんですけど、旬のイベントの後に展示やった方がいいよねという感じに思えたんですが、どちらにせよ新作が見られるのは嬉しいです。

    StareReapは、一般的な印刷は2次元の平面ですが、そこに3Dプリンタ印刷を組み合わせたような立体的な印刷を可能としている技術です。RICHO ART GALLERYでは2.5次元(半立体)を印刷すると表現されています。
     
    金氏徹平さんは、前回の動物とのシリーズ「海と膿」の動物を猫だけに絞った作品でした。前回とはほぼ近い感じ。そのなかでは、キャンパスの形が変形した作品になっていたりしたものとか面白かったです。

    個人的には、なんとなくこういう印刷物っぽいのはStare Reapの表面の質感がザラついてて気になってしまう。ツヤツヤもできるのかなぁ。

    対して、小林健太さんの方はザラついた質感と作品のマッチが良かったです。ツヤツヤな部分はガラスのような素材で作られていたので、コントラストも強く出ていて、面白い表面になっていた気がします。

    立体でデコボコする部分も適度にこのくらいのバランスでいいかもと思わせるくらいで、印刷の荒さも作品に取り込んでいたように思えたので、相性が良い上に取り込み方も上手ですごいと思いました。

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    金氏徹平・小林健太「Human Behaviour」

    会場:RICOH ART GALLERY
    会期:2022/10/08(土)〜10/22(土)
    休廊日:日・月・祝
    WEB:https://artgallery.ricoh.com/exhibitions/teppeikaneujixkentakobayashi_human-behaviour

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  • 西野辰(西野達) 個展「リビングルーム」- Akio Nagasawa Gallery Aoyama

    西野辰(西野達) 個展「リビングルーム」- Akio Nagasawa Gallery Aoyama

    西野辰さん(こと西野 達さん)の「リビングルーム」をAkio Nagasawa Gallery Aoyamaで観てきました。

    西野達という名義での活動が一番多いのではないか?と思いますが、作家のオフィシャルサイトに行っても、色々な名義が書かれています。

    今回は西野辰(Nischi Tatzz)という初の名義での個展です。

    西野達さんとしては、銀座のメゾンエルメスの屋上にプレハブを作って花火師(という屋上の彫刻)を女子高生の部屋の中においてしまうような作品や、シンガポールのマーライオンの口の下にベッドを置いてしまうようなマーライオンホテルを作ったりなど、驚きと笑い等をパッケージしたような大規模な作品のイメージがあります。

    大きな意味では、今回も場の変容させてしまっているという所は同じとも考えられますが、小さなスペースながら全面を絵画で覆うことでギャラリーをリビングルームにしてしまっていました。

    そのリビングルームに作品が飾ってあるかのように作品が点在し、いつものような立体や写真作品から、あまり観ない絵画作品までありました。

    名前や今回の展示については、下に貼った動画のなかで解説しているので、ぜひ観てもらえればと思います。西野辰さんがどのような作家なのか分かりやすい気がします。

    ギャラリーのページにも今回の展覧会に到るまでのコメントがありますので、そちらも合わせて見てもらうと、とても分かりやすいと思います。

    大規模とはいえないですが、西野辰さんだなという場の変容はギャラリーに入った瞬間に体感できて、とにかくよかったです。

    西野さんの空間を変化させる力がこんな小さなギャラリー空間でも発揮され、リビングルームとして絵画が空間を拡張してる。そこに落書きみたいな絵画が調和するとか凄すぎる。必見です。

    MOVIE

    Youtube:Tokyo Art Beat チャンネル

    【ONLINE Exhibition】No.033 Nischi Tatzz ‘Living Room’ 西野 辰「リビングルーム」
    Youtube:AKIO NAGASAWA GALLERY チャンネル

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    INFO

    西野 辰 個展「リビングルーム」

    会場:Akio Nagasawa Gallery Aoyama
    会期: 2022年8月25日(木) 〜 10月29日(土)
    開館時間:11:00 – 13:00 14:00 – 19:00
    休館日:日〜水・祝日

    WEB:https://www.akionagasawa.com/jp/exhibition/nischi-tatzz/
    オフィシャルサイト:https://www.tatzunishi.net/

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  • 金氏徹平「S.F (Something Falling/Floating)」- 市原湖畔美術館

    金氏徹平「S.F (Something Falling/Floating)」- 市原湖畔美術館

    金氏徹平さんの「S.F. (Something Falling/Floating)」- 市原湖畔美術館に行ってきました。

    金氏徹平さんの久々の美術館での個展なので、市原湖畔美術館まで行ってきました。S.F.シリーズの最新展覧会で、今回は(Something Falling/Floating)です。金氏さんといえば、コラージュ的作品が多いですが、展覧会タイトルですら、組み合わせです。

    昔に比べコラージュ対象自体がサンプリングされてサイズが変更されているので、作品が大きくダイナミックです。

    平面や、半平面が多い時期もあった気もするけど、今回は立体が多かったです。

    作品自体はモノトーンのものが増えていて、ほとんどの作品が灰色ですが、展示空間が全体的にライティングされていて、色が変わり続ける、カラフルな展示でした。

    色が変わり続けることで、作品がいつもの作品のようにカラフルになるのですが、色が変化するのでダイナミックに作品が変化しているとも言える感じになっていました。

    色が常に変化していくことやダイナミックな感じは大地の芸術祭でみた「SF (Summer Fiction)」に通じるものがありました。

    大地の芸術祭ではそこにあったトラクターとか除雪車のようなものがコラージュされていたのに対して、今回はいつもの作品に近い印象です。

    TOWERのようにどこかで何かが起きて変化しているように、常に表情が変わり続けるので、いくらでも観ていられます。

    作品ダイナミックになっていっているので、美術館なんかの大きな空間ならでわの作品があって良かったです。

    MOVIE

    引用:市原湖畔美術館
    引用:アイエム[インターネットミュージアム]

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    金氏徹平「S.F. (Something Falling/Floating)」

    会場:市原湖畔美術館
    会期:2022年4月16日(土)- 6月26日(日)
    休館日:月

    WEB:https://lsm-ichihara.jp/exhibition/金氏徹平sf/

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  • 金氏徹平「Fluorescent Green Boxと未発表、未完成作品」- NADiff Gallery

    金氏徹平「Fluorescent Green Boxと未発表、未完成作品」- NADiff Gallery

    金氏徹平さんの「Fluorescent Green Boxと未発表、未完成作品」をNADiff Galleryで観てきました。

    金氏徹平の活動20周年を記念した展示で、「Fluorescent Green Box」のリリースとともに、未発表作品や未完成作品がありました。

    未発表作品というだけあって、あまり見ない作品もあり、興味深かったです。とはいえ、金氏さんのコラージュというか、物と物を出会わせている感じもある作品でした。

    人気が高いと思われる、White DischargeとかTeenage Fan Clubシリーズなんかは未発表作品ではないので展示がなかったです。

    今回は、コラージュとペイントと印刷が混ざったようなよくわからない平面作品や、写真とモニタと思い出みたいなのがコラージュされたような写真作品などありました。

    普段は、あまり観たことのない絵画や写真の作品だったので意外性がありました。

    また、なんと言っても20周年記念で、この20年をパッケージしたFluorescent Green Boxが気になりました。木箱と、段ボールのシリーズがあり、木箱の方にはWhite Discharge シリーズが必ず一点は入っている豪華さ。

    木箱の方は高いけど、中身が選べるし、お買得感すらあります。段ボールの方も、いい作品入ってるのとかありそうですが、見れない。けど、金氏作品と考えれば良いと思います。とにかく面白いので、木箱の方見せてもらうといい気がします。オススメです。

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    BOOK

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    金氏徹平「Fluorescent Green Boxと未発表、未完成作品」

    会場:NADiff Gallery
    会期:2022年4月7日(木)〜5月08日(日)
    開館時間:13:00 – 19:00
    休館日:月、火、水

    WEB:http://www.nadiff.com/?p=26989

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  • チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム畑」at 池上 – Kotobuki PourOver

    チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム畑」at 池上 – Kotobuki PourOver

    チェルフィッチュ × 金氏徹平さんの「消しゴム畑」at 池上 をKotobuki PourOverで観てきました。

    チェルフィッチュ×金氏徹平さんの消しゴムシリーズの最新作「消しゴム畑」で、今回は日常空間版ということのようです。

    言葉で説明するのがとても難しいのだけど、人とモノと空間と時間の関係を半透明化するシリーズです。

    今回は金氏さんがZOOMを使って画面越しに双方向に事柄が起きるのを、双方に反応している映像をみつつ、自分たちが写っているモニターを見ながらさらに反応するみたいな作品でした。(語彙力の問題が・・・)

    とにかく、画面の中と同じ物体があって映像が流れていて、その映像に反応しながら(反応しなくても良いと思いますが)物を置くんですが、子供が大喜びで並べてました。

    意志を持って置くんじゃない!半透明にある状態にするんだ!と、スパルタで教えてましたが(自分もわかってない)、子供は無視して楽しそうに、適当に?/ 意思をもって?配置していて良かったです。

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    チェルフィッチュ×金氏徹平「消しゴム畑」

    会場:Kotobuki PourOver
    会期:2022年3月25日(金)〜3月31日(木)
    開館時間:11:00 – 17:00

    WEB:https://chelfitsch.net/activity/2022/03/eraser-fields.html

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  • 大竹伸朗「残景」- Take Ninagawa

    大竹伸朗「残景」- Take Ninagawa

    大竹伸朗さんの「残景」を観にTake Ninagawaに行ってきました。

    国立近代美術館での大回顧展を控えてのTake Ninagawaでの新作展です。

    大竹伸朗さんといえばかなり大きな作品などもあったりしますが、今回は大竹さんのかなでは、それほど大きな作品でもないかなと思います。

    「残景」というシリーズは比較的新しいシリーズみたいなので、ここで展示されているものが、回顧展でも展示されるかもしれないです。

    とはいえ、説明不要というか、説明できないというか、安定の大竹さんの作風です。

    荒々しい感じはもちろんあるのですが、今回の作品はより構築的で重層感がある気がしました。

    サイズのせいかも知れませんが、細部まで色々詰め込まれていて、いつまでも観ていられます。

    ただ積み重なっているだけではなく、立体的になっていたり、平面とも言い難い立体的な物があったり。

    これぞ大竹伸朗といっていいような作品がならんでしました。とにかく平面と言えない作品です。見ないとわからないので、必見です。

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    大竹伸朗「残景」

    会場:Take Ninagawa
    会期:2021年10月30日(土)~12月18日(土)
    休館日:月曜日、日曜日、祝日
    開館時間:11:00-19:00

    WEB:https://www.takeninagawa.com/exhibitions/9896/

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  • 金氏徹平「S.F.(Smoke and Fog)」- ART FRONT GALLERY

    金氏徹平「S.F.(Smoke and Fog)」- ART FRONT GALLERY

    金氏徹平さんの「S.F.(Smoke and Fog)」をART FRONT GALLERYで観てきました。

    今回の展示は、金氏徹平さんが参加する「奥能登国際芸術祭2020+」(石川県珠洲市)と連動した形で開催しています。

    伝統的なお祭りでつかうキリコ燈篭をしまうためのキリコ倉庫をきっかけとして、風景や町中に架空のキリコ倉庫を想像するためのインスタレーションを設置するとのことでした。

    そして、東京のギャラリーではそのコンセプトと共通した、都市の中のキリコ倉庫的な作品を展開します。

    そんな展示とのことでしたが、半分弱くらいの作品が最近よく使っているStareReapとコラボした作品で、半分弱くらいは世界の様々なところでコラボした作品で、ほんの少しその他の作品がある感じでした。

    StareReapとのコラボで色々な作品がどんどんできているようで、最近の作品はStareReapを使った作品が多いですが、その前にもSTPIでの印刷とのコラボや、ベネチアングラスとのコラボなんかもあり、その作品も並んでいました。

    金氏徹平さんといえば、コラージュ的な手法をよく使ってきた作家さんですが、コラボレーションは人と人との関係性をコラージュしているという感覚のようです。

    最近は、演劇なども含めて積極的コラボレーションすることで、色々なものを取り込んで作品にしているので、どんどん新しいシリーズの作品が誕生してるようです。

    国外での発表が増えている中で、気がついたら新しいものができていて、国内で見ているだけでは追いつけない感じがしていたので、様々な新シリーズをまとめて観れる機会なのでとてもよかったです。

    基本的なコラージュ的な何かを出会わせるような手法はそのままに、作品のスケールや手法が幅広くなっていくことで、作品が作られていました。

    それぞれのシリーズだけでもギャラリーをいっぱいにできる作品数があるので、また横浜美術館のような大きな美術館での個展で全ての作品が観れるような展覧会があればいいのになと想像してしまうバリエーションの多さでした。

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    金氏徹平「S.F.(Smoke and Fog)」

    会場:ART FRONT GALLERY
    会期:2021年9月10日(金)- 10月3日(日)
    開館時間:水~金 12:00-19:00 / 土日および9月23日(木祝)11:00-17:00
    休館日:月、火

    WEB:https://artfrontgallery.com/exhibition/archive/2021_07/4469.html

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  • デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」- GYRE GALLERY

    デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」- GYRE GALLERY

    デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」をGYRE GALLERYで観てきました。

    本展覧会「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」展は、小説『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香の“ユートピア”という世界観を、村田沙耶香と現代美術家のデヴィッド・シュリグリー、金氏徹平との相互の作品を通じた対話によって浮かび上がらせていく。

    引用:https://gyre-omotesando.com/artandgallery/sayaka-murata/

    村田沙耶香さんの小説「コンビニ人間」を起点として、村田沙耶香さんの小説(と今回出ている絵画)に反応する形で、デヴィッド・シュリグリーさんと、金氏徹平さんの作品が展開されている展覧会です。

    金氏さんは今までの様々なシリーズからテーマに沿ったものを出しているようなイメージで小説「コンビニ人間」の表紙に使われたTowerシリーズや、White Dischargeシリーズ、Ghost in the Liquid Roomシリーズ、などなどありました。

    残念ながら小説を読んでいないため、関連性を見出すことは難しかったのですが、壁に小説の一説のようなものがあったので、それと関連するように観ていく形になりました。

    どちらかというと、デヴィッド・シュリグリーさんの作品の方が、直接的に小説の内容に反応して作られているような感じで、文章と絵画がリンクしているようでした。デヴィッド・シュリグリーさんの作品の方は文字も入っているので、わかりやすかったです。

    小説と関係なく、今回の展示をみても、デヴィッド・シュリグリーさんと金氏徹平さんの作品は力の抜け方が近い気がしましたし、色の使い方なんかも似ているような印象を受けました。

    そのため、展示空間に統一感があって、村田沙耶香さんの絵画やコラージュの方がちょっと浮いちゃってるかもしれないと思うほどでした。

    ほんとは村田沙耶香さんの展覧会なので、小説を読んでからいくべきでした。

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    デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力」

    会場:GYRE GALLERY
    会期:2021年8月20日(金)- 10月17日(日)

    WEB:https://gyre-omotesando.com/artandgallery/sayaka-murata/

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  • 金氏徹平 個展「S.F.(Splash and Fragments)」- RICOH ART GALLERY

    金氏徹平 個展「S.F.(Splash and Fragments)」- RICOH ART GALLERY

    金氏徹平さんの「S.F.(Splash and Fragments)」をRICOH ART GALLERYで観てきました。

    RICHO ART GALLERYといえは、プリンターなどをつくっているRICHOのギャラリーでRICHOのStareReapというプリント技術を使った作品を展示しています。

    StareReapは、一般的な印刷は2次元の平面ですが、そこに3Dプリンタ印刷を組み合わせたような立体的な印刷を可能としている技術です。

    どこまで立体的に表現できるのかとかはわかりませんが、平面と立体の間というような。マチエールやらレリーフやら何で表せばいいのかという印刷で、RICHOでは2.5次元(半立体)を印刷すると表現されています。

    今回は、金氏さんの過去に作ったシリーズでStareReapに合うシリーズをピックアップして新たに作品を作ったものが並んでいました。

    「海と膿」シリーズ、「Teenage Fan Club」シリーズ、「Model of Something」シリーズ、「tower」シリーズの作品が作られていました。

    動物の写真と化粧品のリキッドの写真がコラージュされている「海と膿」シリーズが最も作品数も多く、StareReapの技術も馴染んでいました。

    「Model of Something」シリーズのアクリルにマジックで線を描いたようなものや、養生テープを木に貼り付けたような作品は、これでやる必要があるのか?とちょっと思ってしまったものの、ステイトメントを読むと、どうやら時間軸をずらすように作られているようです。

    「Teenage Fan Club」シリーズや、「tower」シリーズみたいな、人気のシリーズも作られていて、今まで立体だったものを強引に2.5次元的に平面に押し込めたり、平面的だったものを強引に立体化させたり色々実験しているようでした。

    最近いろいろ行なっているコラボレーションの一つとして、RICHOとのコラボレーションという形になると思いますが、近いタイミングで行われている他の展覧会でも同じ技術がつかわれているようなので、今回だけでなく新たに長く続くシリーズになるのかも?

    過去の作品だったので、どちらかというとStareReapの技術のほうが気になってしまいましたが、リキッド等が凹凸してるのは、作品として面白かったです。

    個人的には印刷表面が何となくザラついているというか、イマイチ気になってしまうので、もうちょっと技術があがってくるともっと面白くなりそうだなと思いました。

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    金氏徹平「S.F.(Splash and Fragments)」

    会場:RICOH ART GALLERY
    会期:2021年8月20日(金)- 2021年9月18日(土)
    開館時間:12:00 – 19:00
    休館日:日、月、祝

    WEB:https://artgallery.ricoh.com/exhibitions/splash-and-fragments

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  • 今井俊介「Red, Green, Blue, Yellow, and White」- HAGIWARA PROJECTS

    今井俊介「Red, Green, Blue, Yellow, and White」- HAGIWARA PROJECTS

    今井俊介さんの「Red, Green, Blue, Yellow, and White」をHAGIWARA PROJECTSで観てきました。

    いつもの今井俊介さんの作品のスタイルは、ストライプやドット柄のカラフルな布がはためいていて、それが重なり合っているような作品です。

    ですが、今回はそのスタイルではなく、正三角形の赤・緑・青・黄と背景の白のみの4色だけで作られた作品のようです。

    今回のスタイルはコレですと言わんばかり、ギャラリーの中央には正三角形が印刷された紙が配置されていました。

    また、プレスリリースには以下のように書かれていました。

    今回発表する作品は、これまでと少し違う視点から制作されました。制作のプロセスは同じですが、まず元のパターンに、ストライプやドットを使わず、規則的に配置された単色の正三角形のみを用いました。そしてその三角形の色には、赤、緑、青、黄という限定した色しか使っていません。

    「形」と「色」で絵画が成立するとはどういうことか。今井の探求が、今回の作品へと繋がっています。絵を描くときに使う最も基本的な色、そして規則的に配置した三角形、という一見ミニマルな要素から作られた絵画に、イリュージョンは起こるのか。断片的なパーツとなった形は、どうすれば魅力的なイメージになり得るのか。また今回は、展示会場の壁が木材であるため、作品の白地も「色面の形」として見えることも想定されます。さらに、色やコンポジションについて参照項となる絵画史を、現代の作家がその文脈をどう更新していくことが可能であるか。

    引用:https://www.hagiwaraprojects.com/_files/ugd/0034d8_a615d825dcc14517911d1c114645fd13.pdf

    いつものスタイルに比べると、シンプルで奥行きが少なくより平面のように感じたり、色や形が少ないためか単純に感じてしまうところはありました。

    ただ、そこを比較してとらえるとスタイルが違うことによって、これだけの違いが出てくるということが浮き彫りになりハッキリとしてくるので、いつものスタイルのものと隣り合わせで観たいと思いました。

    この新しいタイプの作品はまだ面白くなっていく予感がするので、これからこのスタイルがどのように変わっていくのか。もっと単純化して平面となっていくのか、それとも複雑化して立体感がでてくるのか。それとも全く違うようになっていくのか。想像すると作品に余白があるように思えて楽しみです。

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  • Wolfgang Tillmans「How dose it feel?」- WAKO WORKS OF ART

    Wolfgang Tillmans「How dose it feel?」- WAKO WORKS OF ART

    Wolfgang Tillmansさんの「How dose it feel?」を、WAKO WORKS OF ARTで観てきました。

    現代アートで写真を使った作家で、イギリスのtate主催のターナー賞をイギリス人以外で受賞した、国際的に活躍しているWolfgang Tillmansさんの個展です。

    スナップ写真と言っていいような感じの写真、静物の写真、ポートレート、よくわからないイメージのような写真まで、様々な写真が展示されていました。

    印刷の方法も、写真プリントからプリンターのようなもので印刷されたもの。写真のサイズも、大きなものから小さなものまで。プリントされたままのものや、額装されたもの。

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    引用:Wolfgang Tillmans

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    INFO

    Wolfgang Tillmans「How dose it feel?」

    会場:WAKO WORKS OF ART
    会期: 2020年11月7日(土)~12月19日(土)
    開館時間:事前予約制
    休館日:日、月、祝

    WEB:https://www.2022.wako-art.jp/2020wolfgangtillmans
    オフィシャルWEB:https://tillmans.co.uk/

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  • トム・サックス「Retail Experience」- ISETAN THE SPACE

    トム・サックス「Retail Experience」- ISETAN THE SPACE

    トム・サックスさんの「Retail Experience」をISETAN THE SPACEで観てきました。

    伊勢丹で「店舗体験」という展覧会を行うということは、アート作品の販売に重点を置いた展覧会だと思います。トム・サックスに以下のコメントがあります。

    “Good business is the best art of all”─アンディ・ウォーホール

    トム・サックス スタジオのプライオリティは彫刻にあります。ここであなたが目にするモノは、made by hand in USAです。チェア、テーブル、ランプ、キャップ、ノート、シャツなどは日用品です。しかし、それらはまた”アート”でもあるのです。慎ましやかなオブジェたちは、スタジオのエネルギーがもたらす大胆さと、細部へのこだわりを表現しています。

    これらはすべて”彫刻”であります。

    引用:https://www.mistore.jp/shopping/feature/women_f2/thespace3_tomsachs1_w.html

    日常生活に現代アートを取り入れることを提案していきたいと考えていた伊勢丹新宿店が、この彫刻を販売するということが今回の展覧会のコンセプトともいえそうです。

    実際、アート作品といえるようなものから、トム・サックスのアイコンともいえるプライウッドによるチェアやテーブル、Tシャツや、その他の小物のようなものまでいろいろ置かれ伊勢丹的な商品として陳列され販売されていました。

    デパートでのアート販売というと、ただ置いてあるような販売のされ方が多いように思いますが、デパート内で展覧会が開かれそこでデパート的に販売されるという、普通に販売することがアート販売としては特殊な状況になっていて面白い展覧会でした。

    PHOTO

    INFO

    トム・サックス「Retail Experience」

    会場:ISETAN THE SPACE
    会期:2020年9月29日(火)〜11月30日(月)

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  • 森靖「Ba de ya」- PERCEL

    森靖「Ba de ya」- PERCEL

    森靖さんの「Ba de ya」をPERCELに観てきました。

    とにかく、中央の大きいスペースにあった超巨大なエルビスプレスリーの彫刻作品に全てを持って行かれました。なぜか体だけ女性化していて、しかしプレスリーの男臭さはそのままにかなりの奇形かつエモーショナルな作品として、怖さすら感じる仕上がりでした。とにかく力を感じる圧倒的な存在感があり、宗教的な何かに感じるほどでした。

    木彫でこれほど大きなものは現代アートしては見たことがないような気がします。どちらかというと、金剛力士像のようなものと近いものに感じました。このような力が宗教に利用されているという運慶などの当時の存在を体験しているようにも感じました。

    そのほかにも小さなものなどや人体のサイズくらいの作品もあったのですが、どれも何か異形の者のような雰囲気のある力強さを感じました。

    このような異形の作品を絵画でみることはありますが、実態となって立体化しているとその圧倒的なリアリティと木という自然の力も合間って、そこに新たなコンテクストが生まれているように感じます。

    とにかく巨大な作品に圧倒されますが、それ以外の作品からもその圧倒的な力を補強するような力がありました。

    PHOTO

    INFO

    森靖「Ba de ya」

    会場:PERCEL
    会期:2020年9月26日(土)- 2023年11月15日(日)
    開館時間:14:00 – 19:00
    休館日:月、火、祝日

    WEB:https://parceltokyo.jp/exhibition/upcoming-ba-de-ya/

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  • MADSAKI「1984」- Kaikai Kiki Gallery

    MADSAKI「1984」- Kaikai Kiki Gallery

    MADSAKIさんの「1984」をKaikai Kiki Galleryで観て来ました。

    1980年、MADSAKI、6歳の頃。英語を全く話せない状態で、彼は、日本の大阪からアメリカのニュージャージーのバーゲン・カウンティへ移住しました。知らない人からは人種を理由にばかにされたりからかわれたりする一方で、フレンドリーに接してくれたクラスメートのなかにも完全には溶け込めず、彼らとの間に大きな壁を感じていました。そういうわけで放課後は、友達と遊ぶかわりに家でひとりテレビアニメを見ることが多くなり、とりわけ熱中したのは、マテル社が開発した「マスターズオブザユニバース」という玩具を基にしたアニメ番組「ヒーマン&ザマスターズオブザユニバース」でした。

    引用:https://gallery-kaikaikiki.com/2020/09/1984/

    作品の背景は展覧会のステイトメントを見ると、とても丁寧に説明されているので、そちらから一部を引用しました。

    新しい土地にうまく馴染めないなかでヒーロとなったアニメとコミックとフィギュアが愛情たっぷりに描かれている気がしました。

    特にギャラリー中央に巨大化したフィギュアは等身大といっていいようなサイズで、圧倒的な力強さと存在感がありました。

    それとは対照的に見えてしまうのが、ポートレートのような写真シリーズです。

    こちらに描かれているヒーロはなんともバランスが悪く、子供(おそらくMADSAKI)の笑顔も今ひとつ。

    この対照的な作品がMADSAKIさんの作品の魅力であり興味を惹かれる部分の一つに感じます。

    作品のなかに閉じ込められているストーリーが、一見緩くもあり、荒くもあるようなスプレーのペインティングで表現されていることによって、より魅力が増しているようにも思えます。

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  • ジョナサン・チャプリン「Hunter Gatherer」- NANZUKA

    ジョナサン・チャプリン「Hunter Gatherer」- NANZUKA

    ジョナサン・チャプリンさんの「Hunter Gatherer」をNANZUKAで観てきました。

    チャプリンの作品において、「レンダリング」というコンピューター言語は、もはや美術用語として語られます。物体の形状、物体を捉える視点、物体表面の質感/テクスチャー、光源、シェーディングなど、チャプリンは自身の絵画制作に必要なあらゆる物理的な要素を、予め3Dプログラムを駆使したコンピューターの画面上でシミュレートします。

    引用:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/2020-jonathan-chapline/press-release

    とあるように、3Dのバーチャルな空間をペインティングにしているような作品を作っているようです。

    作品全体を通して、出てくる人のような彫刻のような物体がどことなくマティスやピカソあたりを思わせるような形をしています。ステイトメントをみると、そのあたりを意識しているようでした。

    セザンヌやピカソ、フェルナン・レジェ、マティス、マックス・ベックマン、フィリップ・ガストン、トマス・ハート・ベントン(Thomas Hart Benton)、アレクサンダー・アーキペンコ(Alexander Archipenko)、アンリ・ローラン(Henri Laurens)といったといったアーティストの作品を研究対象とし、自身の特徴的なスタイルで再解釈した作品を多数描いています。

    引用:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/2020-jonathan-chapline/press-release

    3Dと絵画とあまり近い関係とは言いにくいものをつなげることで新たな空間のようなものが生まれているように思えました。

    また、平面作品の中にでてくる立体作品を実際の立体作品として展示することで、その中に入っていけるような平面と立体を行き来するような仕掛けは面白くみれました。

    実際に絵画作品内の作品を立体作品として立ち上げることによって、平面内の空間が立体として一緒に立ち上がってくるようなそんな面白さがありました。

    また、絵画内に作られている空間もどこかで建築家が実際つくっていそうな存在しそうな建築を作っているため、より絵画内の世界にリアリティーがでてくるという、平面と立体の相互作用がありました。

    一見、3Dとしては単純そうな造形にも見えますが、平面と立体の相互作用を起こすためにはこれくらいの情報量が正しいのかもしれません。あまり複雑化しすぎるとここまでの没入感のような感覚にはならないように思えました。

    PHOTO

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    ジョナサン・チャプリン「Hunter Gatherer」

    会場:NANZUKA
    会期: 2020年1月31日(金) 〜3月1日(日)

    WEB:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/2020-jonathan-chapline/press-release

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  • チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム森」- 金沢21世紀美術館

    チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム森」- 金沢21世紀美術館

    チェルフィッチュ × 金氏徹平さんの「消しゴム森」を金沢21世紀美術館に観に行きました。

    チェルフィッチュ × 金氏徹平さんの、消しゴムシリーズの美術館版となる「消しゴム森」です。

    消しゴムシリーズでやっていることは、おそらくその演劇に出てくる役者や舞台美術などのすべてのものを等価に捉え、人がものを使うのではなく、ものが人を使うようなことが起こる。

    そんな関係性を曖昧に新しくしていく演劇だと思われます。そこは、美術館のWEBページを見ると書かれています。

    「消しゴム山」でやっていた劇場という空間の制限や、役者と観客という関係すら曖昧にしてしまう。それが美術館版の「消しゴム森」だと思いました。

    美術館のいくつかの展示室があるので、何も起きていない空間や、何かが起きている空間、何かが起きているかもしれない空間など、曖昧に存在し、それらを自由に行き来することができる。

    展示室を見ているとある時突然パフォーマンスをしていたりすることがありました。パフォーマンスといっても、役者が何かをしていることもあるし、していないような場合も。

    または、役者が映像として空間にものと並列に設置されパフォーマンスをしている場合などもありました。

    そして、役者はものを移動させ、常に様々なものが曖昧に変化していく。そのような空間の中では、観客すら、自ら移動するものであり、役者として演じさせられているとも言えるようでした。

    いくら状況を説明しても、一体何が起きているのか分かりづらく、体験してみないと説明はできないと思ってしまいます。

    そんなですが、こちらのページで360°の動画がこちらで体験できます(現時点では無料公開されていました)。これもまた実際の体験とは違った体験ですが、雰囲気の一端がわかるのではないかなと思います。

    観客のための演劇や作品ではなく、新たな関係性を見つけるような作品でした。おそらく消しゴムシリーズをいくつか体験することによち、消しゴムシリーズの見方のようなものが新たに見つかっていくように思いました。

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム森」

    会場:金沢21世紀美術館
    会期:2022年2月7日(金)〜2月16日(日)
    開館時間:11:00 – 17:00
    ライブパフォーマンス:11:00〜16:00

    WEB:https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=45&d=1778

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  • DUMB TYPE「Actions + Reflections」- 東京都現代美術館

    DUMB TYPE「Actions + Reflections」- 東京都現代美術館

    DUMB TYPEの「Actions + Reflections」を東京都現代美術館で観てきました。

    結成35周年にあたる2019年に開催する本展は、2018年にフランスのポンピドゥー・センター・メッス分館において開催された個展(キュレーション 長谷川祐子)の作品群や新作にパフォーマンスアーカイブなどを加え、よりバージョンアップした内容となります。

    ー中略ー

    本展は、大型インスタレーションによって構成される大規模個展であるとともに、古橋悌二の没後も独自のスタイルで若手アーティストに大きな影響を与える高谷史郎や池田亮司らに加え、若いメンバーを得て活動を続けるダムタイプの、まさに「ダムタイプ- タイプ」といえる卓越したあり方を包括的にみせる試みです。

    引用:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/dumb-type-actions-reflections/

    それぞれの展示作品については、東京都現代美術館の展覧会のページに詳しく書かれていたので、それを見るのがもっともわかりやすいと思われます。

    入ってすぐのところに展示されていた、様々な展覧会でのセッティング図のようなものが物語るように、メディアアートとされるものでは、機材とそのセッティングも作品の重要な要素になります。

    美しく描かれたセッティング図は、ダムタイプの展示の美しさ、静けさ、力強さが表されているようで、ここが根幹にあるということを言っているような展覧会のスタートでした。

    そこから「Playback」、新作の「TRACE/REACT II」へと続きます。会期前半は「TRACE/REACT II」ではなく、「LOVERS」が展示されていたということですが、こちらも観てみたかった。

    その次に超巨大LEDパネルの「MEMORANDUM OR VOYAGE」の展示に。 ダムタイプの過去3作品「OR」、「memorandum」、「Voyage」から印象的/象徴的なシーンをピックアップし、さらに新しく撮影した映像素材を組み合わせて再編集して一つのビデオインスタレーションにした作品。

    最後は、「LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE」と「pH」を合わせた部屋に。

    どの作品にも共通して言えることだと思うのですが、メディアアートなので、テクノロジーが重要だと思うのですが、ただ単純に最新のギジュを使った作品です。というわけではなく、「LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE」に象徴されるような背景に共通するテーマをもち、「ダム※(セリフの排除)」という手法で、装置、映像、音、これらに反応するパフォーマーの生の身体によって作品を構成されています。(※ダム dumb [英] :間抜け、ばかげた、口をきこうとしない、の意)

    すぐに答えにたどり着くような表現ではなく、問いを提示しながら、身体を包み込むような作品がメディアアートでしか表現できないものになっていて強度がある表現でした。

    MOVIE

    引用:Museum of Contemporary Art Tokyo
    ダムタイプ|アクション+リフレクション Dumb Type | Actions + Reflections
    引用:Epidemic Video
    Dumb Type – MEMORANDUM OR VOYAGE

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    BOOK

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