ジョナサン・チャプリン「Hunter Gatherer」- NANZUKA

ジョナサン・チャプリンさんの「Hunter Gatherer」をNANZUKAで観てきました。

チャプリンの作品において、「レンダリング」というコンピューター言語は、もはや美術用語として語られます。物体の形状、物体を捉える視点、物体表面の質感/テクスチャー、光源、シェーディングなど、チャプリンは自身の絵画制作に必要なあらゆる物理的な要素を、予め3Dプログラムを駆使したコンピューターの画面上でシミュレートします。

引用:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/2020-jonathan-chapline/press-release

とあるように、3Dのバーチャルな空間をペインティングにしているような作品を作っているようです。

作品全体を通して、出てくる人のような彫刻のような物体がどことなくマティスやピカソあたりを思わせるような形をしています。ステイトメントをみると、そのあたりを意識しているようでした。

セザンヌやピカソ、フェルナン・レジェ、マティス、マックス・ベックマン、フィリップ・ガストン、トマス・ハート・ベントン(Thomas Hart Benton)、アレクサンダー・アーキペンコ(Alexander Archipenko)、アンリ・ローラン(Henri Laurens)といったといったアーティストの作品を研究対象とし、自身の特徴的なスタイルで再解釈した作品を多数描いています。

引用:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/2020-jonathan-chapline/press-release

3Dと絵画とあまり近い関係とは言いにくいものをつなげることで新たな空間のようなものが生まれているように思えました。

また、平面作品の中にでてくる立体作品を実際の立体作品として展示することで、その中に入っていけるような平面と立体を行き来するような仕掛けは面白くみれました。

実際に絵画作品内の作品を立体作品として立ち上げることによって、平面内の空間が立体として一緒に立ち上がってくるようなそんな面白さがありました。

また、絵画内に作られている空間もどこかで建築家が実際つくっていそうな存在しそうな建築を作っているため、より絵画内の世界にリアリティーがでてくるという、平面と立体の相互作用がありました。

一見、3Dとしては単純そうな造形にも見えますが、平面と立体の相互作用を起こすためにはこれくらいの情報量が正しいのかもしれません。あまり複雑化しすぎるとここまでの没入感のような感覚にはならないように思えました。

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INFO

ジョナサン・チャプリン「Hunter Gatherer」

会場:NANZUKA
会期: 2020年1月31日(金) 〜3月1日(日)

WEB:https://nanzuka.com/ja/exhibitions/2020-jonathan-chapline/press-release

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