今井俊介さんの「スカートと風景」をオペラシティアートギャラリーで観てきました。
本展は、2022年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された、美術館における初めての個展を、東京に巡回します。本展ではストライプの絵画に至る過程ともいえる作品群を新たに加え、初期作品から新作まで、絵画を中心に、立体や映像、インスタレーションなど、さまざまな表現をあわせてご紹介します。
引用:https://www.operacity.jp/ag/exh261/j/introduction.php
瀬戸内国際芸術祭のタイミングで丸亀で行われていた展示の巡回となります。丸亀の展示に行けなかったので、とても楽しみにしていました。
今井俊介さんといえば、カラフルなストライプとドットとチェックの柄が絡みあうように立体的に描かれている絵画シリーズを作っている作家です。
独自のポップな色彩感覚で、波や旗のようにも見えるイメージを表した絵画シリーズは、ある時ふと何気なく目にした知人の揺れるスカートの模様や、量販店に積み上げられたファストファッションの色彩に強く心を打たれた体験が原点となっています。
ストライプや水玉といった単純な色と形の組み合わせによる模様をランダムに配置し、さらにそれらが歪んだり波打ったりすることで生まれる形態をキャンバスに描きだす今井の制作は、絵画の基本要素である色や形、平面性への考察に基づいており、今井は絵画の根本的な意味やその可能性を問い続けています。
引用:https://www.operacity.jp/ag/exh261/j/introduction.php
展示内で展示されていた動画でも言っていたのですが、デザインや建築などに興味があったということで、絵画の中にデザインや建築の要素に感じる部分が多々あります。
重なり合う柄はそれぞれが壁のように空間を意識させるようにも感じますし、その色の組み合わせや柄の組み合わせはデザイン的にも感じます。
ショップの方にもあった、建築もつくったりしたエルズワースケリーの色の感じを思い出したり(以前の展覧会の、Red, Green, Blue, Yellow, and Whiteってその影響かもしれない)、ブリジットライリーの色やゆらぎを思い出したり。
カラフルな色が多く鮮やかな作品も多いですが、少ない色で大きな面を埋めているような作品の前では、バーネットニューマンの作品の前で感じたような色で目眩がするような感覚もあったりしました。
美術界からの影響を感じながらも、どこかデザイン的または建築的に落とし込んでいるような気もしてしまう部分が面白く感じます。デザインというフィールドでアート的なことをやる人は多いような気がしますが、アートというフィールドでデザイン的なことをやる人はそれほど多くないように感じるので、これからどういう作品を作るのか気になっています。
巡回の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の展示でのインタビューが面白かったので是非。前編/後編
関連展示がNADiff Galleryで行われています。
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INFO
今井俊介「スカートと風景」
会場:オペラシティアートギャラリー
会期: 2023年4月15日(土) 〜6月18日(日)
開館時間:11:00-19:00
定休日:月曜(ただし5月1日は開館)
WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh261/