泉太郎さんの「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」をオペラシティ アートギャラリーで観てきました。
はじめに、この展覧会は体験する要素が多いので、行く予定の方はそっとブラウザを閉じていただいた方がいいかもしれないです。
また、VR作品があるのですが、3時間待ちだったので、観ていません。全て見られる方は、朝一で行かれた方がいいかもしれません。
展覧会に入ると、荷物をロッカーに入れるように言われるのですが、すでに荷物が入っていて、どうやらそれを着て観てください。とのことでした。
袋をあけるとマント?が入っていたので、それの白い方を着て展示室へ。(子供用のマントもありました。写真は子供用です。)
展示室にはいると、QRコードを読み込み、そこで17分程度の展覧会を観るルールとそれは出来ないなぁと拒否する会話を聞きます。また、この会話の中に展覧会のヒントのようなものが散りばめられています。(ヒントといっても答えがあるわけではないのですが)
その曖昧でわからないルールと、展覧会のヒントと、壁に書かれた曖昧でわからない説明を手掛かりに展覧会をみることになります。
さらに進むと、ずれたカーペット、倒れたような壁、ON/OFF、ひっくり返って点いているのかわからないモニタ、過去の展覧会の要素なのか?縮小版なのか?、落ちた宇宙船のようなVRを観るための作品、米と犬とポップコーン・・・。
もはや何もわからない中、手探りで観ていると突然マントを脱ぐ指示と棒を取り墓を立てろという指示。
次の展示室に入るとテントがたくさん立った部屋が現れて、墓がテントで・・・。マントを裏に返し、古墳の石室のテントを開いているスペースに作り、このテントの中でゆっくりして寝転んでもいい。
部屋の奥には先ほどの宇宙船のようなVRの作品を観るための予約受付と、事務的な予約の呼び出し。
(3時間待ちだったのでVR作品は見られず)
待ち時間をテントの中でゆっくりと待つことができる。このテントの数だけの人間がこの中にいると思うと(実際は全部にはいないけれど)かなり人が密集している。
けれどもテントの中にいるので、どれだけの人がいるかわからないため、思った以上にリラックスできる。これは美術館なんだろうか。そのまま展覧会が終了します。
これが再野生化なんだろうか。とにかく体験しないとわからない気がしました。体験しても何をしているのかわからないのですが、それが良かったです。
わからないということが作品であるような気がします。現代アートとなると、分かる人/分からない人で分けられてしまう部分が多少なりともあると思うのですが、分からないを作品にすることで鑑賞の体験を均等にしています。
これが色々なものを曖昧に案内している泉太郎さんの意図かどうかはわかりませんが、分からないという体験、おそらく分からないままでいい、分かってみようかな?と考えるという面白さがあると思いました。VRが全員みれないのは意図だと思いますし、それもまた曖昧さだと思います。
追記:会期後半に公開されたインタビューが面白かったので、追加しておきます。
TOKYO ART BEAT「【対談】泉太郎×武田宙也「わからなさについてのプロセス」という永久機関。「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」展の謎を語り合う」
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INFO
泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」
会場:オペラシティ アートギャラリー
会期: 2023年1月18日(水)〜 3月26日(日)
開館時間:11:00 – 19:00
休館日:月、2月12日(全館休館日)
WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh258/