今井俊介さんの「Red, Green, Blue, Yellow, and White」をHAGIWARA PROJECTSで観てきました。
いつもの今井俊介さんの作品のスタイルは、ストライプやドット柄のカラフルな布がはためいていて、それが重なり合っているような作品です。
ですが、今回はそのスタイルではなく、正三角形の赤・緑・青・黄と背景の白のみの4色だけで作られた作品のようです。
今回のスタイルはコレですと言わんばかり、ギャラリーの中央には正三角形が印刷された紙が配置されていました。
また、プレスリリースには以下のように書かれていました。
今回発表する作品は、これまでと少し違う視点から制作されました。制作のプロセスは同じですが、まず元のパターンに、ストライプやドットを使わず、規則的に配置された単色の正三角形のみを用いました。そしてその三角形の色には、赤、緑、青、黄という限定した色しか使っていません。
「形」と「色」で絵画が成立するとはどういうことか。今井の探求が、今回の作品へと繋がっています。絵を描くときに使う最も基本的な色、そして規則的に配置した三角形、という一見ミニマルな要素から作られた絵画に、イリュージョンは起こるのか。断片的なパーツとなった形は、どうすれば魅力的なイメージになり得るのか。また今回は、展示会場の壁が木材であるため、作品の白地も「色面の形」として見えることも想定されます。さらに、色やコンポジションについて参照項となる絵画史を、現代の作家がその文脈をどう更新していくことが可能であるか。
引用:https://www.hagiwaraprojects.com/_files/ugd/0034d8_a615d825dcc14517911d1c114645fd13.pdf
いつものスタイルに比べると、シンプルで奥行きが少なくより平面のように感じたり、色や形が少ないためか単純に感じてしまうところはありました。
ただ、そこを比較してとらえるとスタイルが違うことによって、これだけの違いが出てくるということが浮き彫りになりハッキリとしてくるので、いつものスタイルのものと隣り合わせで観たいと思いました。
この新しいタイプの作品はまだ面白くなっていく予感がするので、これからこのスタイルがどのように変わっていくのか。もっと単純化して平面となっていくのか、それとも複雑化して立体感がでてくるのか。それとも全く違うようになっていくのか。想像すると作品に余白があるように思えて楽しみです。