タグ: 山本現代

  • できやよい「Flags」- 山本現代

    できやよい「Flags」- 山本現代

    できやよいさんの個展「Flags」を山本現代で観てきました。

    できさんのいわゆる、指でスタンプしたところに顔を書き込んでいくというスタイルで作られた作品でした。LGBTの旗のカラーリングが使われていたり、Flagsというタイトルだけあって、旗がモチーフになっているみたいです。

    ステイトメントみると、

    できがここ数年取り組んできたのは、世界各国の国旗をモチーフにした「国旗シリーズ」です。ウルグアイ、アイルランド、フランスなどの国旗に使われている色彩をモチーフとして、それぞれおよそ120cm四方の画面にびっしりとフィンガースタンピングで色を乗せ、無数の顔を描き込んだ、一見ミニマルに見えますが、スペクタキュラーな作品となっています。フリーハンドで水平方向に画面に乗せられた様々な色は、風を受けたなびくようにも見え、近寄って見たときに気づく無数の顔は、その国や地域に息づく人々の生を想起させる、非常にアグレッシヴで魅力的な作品です。

    引き続きフラッグに興味を持っていたできが今回のテーマに選んだ「マイノリティ・フラッグ」は、セクシャル・マイノリティなどの狭義の範囲でなく、過激な抗議活動で知られる動物愛護団体(動物は人間に対してマイノリティです)やパラリンピックなども含んだものです。

    という、ことなので、様々な人々の集まりが一つの旗の考え方を表したような、一見したところ一つの集まりとして見えない何かの中には多くの人間がいたりするようなものをPOPに表して絵画の雰囲気にくらべてPOPで乙女チックな感じがギャップがあって面白いです。

    PHOTO

    BOOK

  • 篠原有司男展 「我輩の絵にパンチが炸裂!」- 山本現代

    篠原有司男展 「我輩の絵にパンチが炸裂!」- 山本現代

    篠原有司男さんの「我輩の絵にパンチが炸裂!」を山本現代で観てきました。

    篠原有司男さんといえば、絵画、立体、パフォーマンスという様々な手法でいろいろな作品を作っていますが、今回はボクシングペインティングの作品を中心に展示していました。初日にはパフォーマンスがあったようなのですが、やはりそれを見てこその作品なのかな?と思って見に行きましたが、そんなことは関係なく作品としても強度があっていい作品でした。

    その名の通り、対象と真っ向から向き合い、格闘する「ボクシング・ペインティング」は、自分自身や、キャンバス、観客、ひいては社会との対戦そのものです。思考と同時に右から左にパンチが繰り出され、構図や筆圧を考える暇を与えません。途端にアクションは思考を追い越し、篠原のパンチそのものが純粋に作品となっていきます。

    http://www.yamamotogendai.org/japanese/previous-exhibitions/2017-shinohara

    —ボクシング・ペインティングは右から左に向かってボカボカやるので、構図とか絵の具のニュアンスとか全部一切抜きにして、左右の手の絵の具ついたボクシング・グローブの両脇を振り回すスピードと思考のスピードが一緒にならなくちゃいけないでしょ。そうすると思考っていうのは限られていくわけよね。手の方が早いから。そうすると手が自分の思考をリードしていくわけ、逆に。

    http://www.yamamotogendai.org/japanese/previous-exhibitions/2017-shinohara

    という風にあるように、もちろん、パフォーマンスが見れたらより作品が良くなるかもしれませんが、そのままでもボクシングのリズムと動きの感じが絵画として現れていてすごく良かったです。そのリズム感から琳派の要素が見受けられるとTwitterとかでみましたが、確かにこういう色合いとか見るとよりそんな気がしてきます。

    今回は、自分の書いた絵画の上にボクシングペインティングをするというようなことも行ったようなので、より見応えがあるようにも思えました。このボクシングペイティングはパフォーマンスを見てこそなのか、それとも作品が全てであるのかとか思ってしまいますが、そんなことについてもステイトメントに書いてありました。

    ボクシング行為は単なる技法であり、作品が本命だとする見方もあり得ますし、あるいは逆にそれは美術家のパフォーマンスであって、アクションこそが本命であり、絵の具のついた布はそのための道具に過ぎない、という見方もあり得ます。しかしそれは行為と作品の主従がない彼の作品の特徴であり、人々の前に身体をさらし、絵の具のしぶきやその場の喧騒、全てをひっくるめた「早く、美しく、リズミカル」な動きそのものがキャンバスに転写されており、行為と作品の優劣のない作品となっています。

    http://www.yamamotogendai.org/japanese/previous-exhibitions/2017-shinohara

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    BOOK

  • 宇治野宗輝「TRANSCRIBED」- 山本現代

    宇治野宗輝「TRANSCRIBED」- 山本現代

    宇治野宗輝 「TRANSCRIBED」を山本現代で観てきました。

    ターンテーブルを起点にしてレコードに突起をつけて回転させることで、その突起がターンテーブルの上に仕掛けられたスイッチを押し、電気が通電して様々な物を起動させて音を奏でます。

    例えば掃除機が吸い込む音がハイハットのように聴こえたり、木箱を叩く音がキックのように聴こえたり。その他にもモータをピックアップの近くに近づけることででる等を利用したり、ライトがついたり消えたりなども含めての作品でした。

    シーケンサーを思わせる動作ですが、それが現実に動いて音を奏でている感じがとても良かったです。

  • 今津景「Flash」- 山本現代

    今津景「Flash」- 山本現代

    今津景さんの「Flash」を山本現代で観てきました。

    山本現代というと何となく彫刻とかのイメージが強かったんですが、前回の松井えり菜さんに引きつづいて絵画でした。

    今津景さんは、抽象的な空気を持ちながらも何かの町や風景というようなそんな作品だったんですが、光のバランスというかどこかの色がハイライトされているようなそんな印象を受けてカラフルなんだけども、同時に闇や見えない部分も多く秘めているというような作品を書いていてもの凄いその捉え方が上手いと思いました。そしてその捉え方の奥行きのようなものに引き込まれて面白かったです。

    とにかく光のバランスや光の色の捉え方が良いです。街の夜の光を捉えた作品が多いのですが、その光の中に人の営みのようなものを感じさせる色合いになっていて、そのなかの生活が見えるような光を表現していてスゴく面白かったです。街以外の作品もそう捉えると人の時間や営みを感じられるようになっているように思えました。

    また、光以外の部分にフォーカスを当てても構図的にスゴく面白いものを感じたり。細部へのこだわりもかなり強く感じて絵画としてかなり素晴らしいです。俯瞰してみても細部をみても同様の情報量があって、どうやってみても飽きない面白さがありました。

    OTHER

  • 白金ギャラリー巡り 10.04.28

    白金ギャラリー巡り 10.04.28

    ・児玉画廊
    宮永 亮「地の灯について」
    宮永 亮さんの作品は初めて見たのですが、別の作品をみてからこれを観ると面白いようなのですが、この作品しかみていないので日常の夜の風景を切り取ってループしてる作品で、どう解釈したらいいんだろうかなぁ。まあ、ある日この作品が理解できるようになれば良いな。

    ・山本現代
    松井えり菜「ワンタッチ・タイムマシーーン」
    松井えり菜さんは相変わらずというか、ぶれません。ドンドン変な顔になってドンドン規模がでかくなっていると言う感じはしますが、軸がぶれないです。

    奇妙なくらいの変な顔に宇宙規模の存在感?関係性?とでも言えば良いしょうか?もはやぶっ飛んでるというしかない絵画ですね。しかし、今回は動画もあって、これが本人がアイドルになって歌っているという・・・。こちらもぶっ飛んでました。笑

    ・NANZUKA UNDERGROUND
    タティアナ・ドール [ REVENTON ]
    車の絵を中心にって感じだったんですが、わからなかったです。スピード感があるといえばそんな気もしたし、存在感を上手く表してる気もしたけど、いまいちわかんなかったです。

  • ギャラリー巡り 09.10.24

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    小林耕平個展[右は青、青は左、左は黄、黄は右]
    日常のようなそうでもないような映像の中に不自然を自然と作ってる。そんな映像が流れてました。山本現代でした。

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    佃弘樹 個展 [ Recollections ]
    白黒で書かれた陰影のようなドローイングです。なんとなく建築を思わせる雰囲気のあるのがいいバランスでよかったです。かなり好きな部類でした。こちらはNANZUKA UNDERGROUNDです。

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    横尾忠則 東京Y字路 写真展
    横尾さんのY字路の写真ですね。Y字路の絵もいいんですけど、その原型となる写真の方もそれだけでレベルが高いんですね。西村画廊でした。

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    ウェイ・ジャ (韋嘉) 展渡辺 豊 展
    どちらも小山登美夫ギャラリーですね。どっちもなかなか良いなぁと思ったんですけど、イマイチ好みとは違ってたな。

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    イケムラレイコ MEZAME
    SHUGOARTSですね。薄くかすんだようなドローイング。柔らかさのなかにも力強い意志のようなものがある。

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    木村 友紀 「1940年は月曜日から始まる閏年」
    闇の中に隠れているようなプリント?ドローイング?をみるようなそんなものでした。

    そのほかにもHIROMI YOSHIIにもいきました。
    ミヤギフトシ|AuthorT.J. ウィルコックスがやってました。
    ミヤギフトシさんの方は結構好みなのもあったかなぁ。

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    ジャン=ミッシェル・アルベロラ展「大きいものと小さいもの ? チャプター2」
    メゾンエルメスでやってた展示ですね。ここは情報少ないから、気がついたらすぐいかないとね。結構いい展示が多いし。

    BOOK

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  • 白金ギャラリー巡り 09.09.10

    白金ギャラリー巡り 09.09.10

    白金のあたりのギャラリーへ。山本現代とNANZUKA UNDERGROUND。児玉画廊も行ったんだけど、展示が分からなかったので、今回はなしで。

    山本現代で行われていたのは、「奇妙な風景」 [Unfamiliar Landscape]。これは、若手のグループ展ということで、あまり期待しないで行ったんだけど、かなり良かった。特にいいなぁと思ったのは、田中圭介さんの作品で木の柱のようなものから森を切り出すという感じの作品。柱が木に戻っているような、そこにあらたな森が出来ているような作品で好きな感じ。そのほかの人達も結構レベルが高かったので、グループ展なのに良いのはギャラリーがスゴいなーという印象も。

    NANZUKA UNDERGROUNDもグループ展でPLAY ROOMという展示。こちらは、子供のような無邪気なペインティングが中心。どちらかというとあまり得意じゃないタイプ。面白いのもあったけど、全体的にはそうでもなかったなぁ。こちらもグループ展の割には統一感はあった。

  • 小谷元彦「SP4″the specter” in modern sculpture」- 山本現代

    小谷元彦「SP4″the specter” in modern sculpture」- 山本現代

    小谷元彦「SP4″the specter” in modern sculpture」を山本現代で観てきました

    等身大くらいの「騎馬像」と「裸婦像」があったのですが、これがすごいリアリティでした。これらはゾンビなんですけど、本当に昔は生きていたのではないかと思う感じの現実味がありました。

    一般的にイメージするゾンビという物は西洋的だと思うのですが、何故かものすごく和風なゾンビに感じました。これはそういうモチーフなのかもしれないですけど、小谷さんの頭にあったゾンビを現実化するという点で、そういう日本人のイメージのような物が出たのかもしれないと思いました。逆にイメージするゾンビが欧米映画のゾンビのイメージでそっちが洋風すぎるのかもしれませんが。力を感じる圧倒的な存在感のある作品でした。