MADSAKI「1984」- Kaikai Kiki Gallery

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MADSAKIさんの「1984」をKaikai Kiki Galleryで観て来ました。

1980年、MADSAKI、6歳の頃。英語を全く話せない状態で、彼は、日本の大阪からアメリカのニュージャージーのバーゲン・カウンティへ移住しました。知らない人からは人種を理由にばかにされたりからかわれたりする一方で、フレンドリーに接してくれたクラスメートのなかにも完全には溶け込めず、彼らとの間に大きな壁を感じていました。そういうわけで放課後は、友達と遊ぶかわりに家でひとりテレビアニメを見ることが多くなり、とりわけ熱中したのは、マテル社が開発した「マスターズオブザユニバース」という玩具を基にしたアニメ番組「ヒーマン&ザマスターズオブザユニバース」でした。

引用:https://gallery-kaikaikiki.com/2020/09/1984/

作品の背景は展覧会のステイトメントを見ると、とても丁寧に説明されているので、そちらから一部を引用しました。

新しい土地にうまく馴染めないなかでヒーロとなったアニメとコミックとフィギュアが愛情たっぷりに描かれている気がしました。

特にギャラリー中央に巨大化したフィギュアは等身大といっていいようなサイズで、圧倒的な力強さと存在感がありました。

それとは対照的に見えてしまうのが、ポートレートのような写真シリーズです。

こちらに描かれているヒーロはなんともバランスが悪く、子供(おそらくMADSAKI)の笑顔も今ひとつ。

この対照的な作品がMADSAKIさんの作品の魅力であり興味を惹かれる部分の一つに感じます。

作品のなかに閉じ込められているストーリーが、一見緩くもあり、荒くもあるようなスプレーのペインティングで表現されていることによって、より魅力が増しているようにも思えます。

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