投稿者: watanabe

  • 会田誠「美術であろうとなかろうと」- トーキョーワンダーサイト本郷

    会田誠「美術であろうとなかろうと」- トーキョーワンダーサイト本郷

    会田誠「美術であろうとなかろうと」- トーキョーワンダーサイト・本郷

    会田誠さんキュレーションという感じでしょうか?「美術であろうとなかろうと」に行ってきました。入っていきなり掛け軸で「内容がないよう」って書いてあったりして。会田さんっぽさ全開という気もしました。

    会田さんの作品は2012年の年末にある森美術館でも大規模個展の最後の部屋を飾る作品の部分を一般参加者に段ボールで作成してもらうというワークショップに近いようなものが行われていました。

    その他にTEAMまこぷりの作品が結構好きでしたね。愛☆まどんなさんとかねむきゅんとか結構気になる人とかが参加してたしなー。その他の人の作品もまさに「美術であろうとなかろうと」という感じです。会田さんこういうの好きそうだよなーと思いつつも、会田さんはこういうもの以外にいろいろな引き出しがあるからいいけど、単に美術じゃないだろうと思われてしまう人達は大変だろうなーなんて思ったりしながら見てました。

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    MONUMENT FOR NOTHING
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    会田 誠
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    三十路―会田誠第二作品集
    三十路―会田誠第二作品集

     

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    会田 誠
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    カリコリせんとや生まれけむ
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  • 「αMプロジェクト2011 成層圏 Vol.6 村山悟郎」展 – Gallery αM

    「αMプロジェクト2011 成層圏 Vol.6 村山悟郎」展 – Gallery αM

    「αMプロジェクト2011 成層圏 Vol.6 村山悟郎」展 – Gallery αM

    コンピュータなどで有機的なものをグリットやフレームとかで幾何学的に表すパターンを手書きしている様な作品など有機的なものを幾何学で表しているものをもう一度有機的な方法で戻す様な作品だったように思えました。

    そこには単なるフレーム的なものを越えた美しさがあるように思えました。その狭間に生と死をみいだしているみたいなのだけども、そこまでは感じなかった。でも言われればそうかも?

  • 畠山瑞規 展 – taimatz

    畠山瑞規 展 – taimatz

    畠山瑞規 展 – taimatz(タイマツ)

    新しくできたtaimatz(タイマツ)というスペースです。TARO NASUの隣?横?にあってどこから入るのかなぁ?って思ってガラスに近づいたら自動ドアでした。スゴく良い空間ですね。ドアだということがわからないほど巨大なドアが動くっていうのが非常に良いですね。作品の傾向とかはまだわかりませんですが、これから面白いスペースができたのかなぁ?

    畠山瑞規さんの作品はスゴい独特なうねりの絵で遠目にみると写真の様なうねりの絵です。

  • 春木麻衣子「view for a moment」- TARO NASU

    春木麻衣子「view for a moment」- TARO NASU

    春木麻衣子 「view for a moment」- TARO NASU

    歩いている瞬間の前後。その間の時間を想像してしまう写真です。

    とはいえ、前後の人が違っていたり、前後での時間軸が全く違うんじゃないかと思ったりと単に間を想像するだけで色々なことが見えてくる気がします。

    何も見えてないかもしれないですけど。ちょっと間となるトリガーの写真2つがかけ離れているので、難しく感じました。

  • カンノサカン 「クォンタイズ」- ラディウムーレントゲンヴェルケ

    カンノサカン 「クォンタイズ」- ラディウムーレントゲンヴェルケ

    カンノサカン 「クォンタイズ」- ラディウムーレントゲンヴェルケ

    打ち込み系の音楽やったことがあるひとならクォンタイズというとそういう用語だと言うことがわかると思いますが展覧会の解説は以下のようにサイトに書いてありました。

    絵画においての「凍れる音楽」とも言えるカンノの作品はこれまで、音楽経験から学んだインプロヴィゼーション(即興性)と直観によって描かれてきましたが、今回は一転、独特の有機性と最小限の即興性を残しつつ、作品を構造化し要素の関係性により重きを置いた、あらたな発想で制作を展開します。

    これは主に、既製のテンプレートや過去の作品画像のトリミングから抽出された線画などでいくつもの小さなオブジェクトをつくり、画面 を等分割したグリッドを基に構図を組み立てながら配置し画面の構成を決定するというものです。構成が決まった後、下書きとしてオブジェクトがトレースされ、そこから絵筆をもちます。DAWにおけるスライスのように、分断され出自が異なる断片的なオブジェクトが画面上で関係性を築き、あらたな作品として再構成されるということです。

    音楽と美術の両面に常に通底するロジックとコンセプトを用いるカンノは、近年、機材/コンピューター/ガジェットなどの進化により変容、多様化し続ける音楽の生成過程に向き合うことで、自身の絵画作品制作においても徐々に意識の変革が起きました。

    再現や規則性から解放され、快適な調和の瞬間をどこまでも自由に探りつづけることができる即興的な描画は、モードジャズにおけるインプロヴィゼーションを聴いているようなダイナミズムと緊張感を画面 に閉じ込めることができます。しかしその主体のみに依るジェスチャーは、ともすれば手癖の繰返しとメ語彙モの陳腐化を孕みます。自由で無限だと思えた即興の世界にはそれほど奥はなく、むしろオブジェクト化することや、それにより再構成されて生み出される世界こそが無限であり自由であると考えたのです。

    今まで以上に視座を高くもった今回からの制作スタイルは、常に自分の表現を俯瞰することで、近視眼的になりがちな制作から脱却するとともに、かつて使った作品の一部さえも要素として取り出すなど、作家自身を制作の主体とせず客体化することを可能にしています。

    という感じでコンセプトは非常にわかるんですけど、音楽の編集を知っていると自分とはちょっと違うかなと思いました。

  • 興梠優護 「boiling point」- CASHI

    興梠優護 「boiling point」- CASHI

    興梠優護 「boiling point」- CASHI

    boiling pointというタイトルだけあった何かが気化していく様のような感じだけど、何か溶け出しているというイメージの方が強く感じてしまって液体のイメージに近かったです。

    そもそも元が固体である人の様なものなのでどうしても固体のイメージが離れないので気化というより液化に見えてしまったところがある気もします。

  • 「4人展-絵画-」- ShugoArts

    「4人展-絵画-」- ShugoArts

    「4人展-絵画-」- シュウゴアーツ

    出展作家は、池崎拓也、石井友人、鹿野震一郎、近藤亜樹(敬称略)の4人の展示です。シューゴアーツの平面作品はいつも結構好きなものが多いのですが、池崎拓也さんと石井友人さんの作品はかなり好きなタイプです。鹿野震一郎さんは謎が多いので理解が難しい。近藤亜樹さんはプリミティブというか、力強いという感じでした。

    池崎拓也さんは平面とはいえないのかも。木枠を書いたり何も書かれていない額を書いていたりなかなか面白かったです。

    石井友人さんは赤青の飛び出すメガネで飛び出してきそうな絵を書いているというスゴい感じです。もしかしたら本当にあのメガネで飛び出るのかという感じ。曖昧な線のボヤケたイメージの絵が飛び出てくるってどんなだろう思ったり。

  • マリーン・マリノ + 谷口真人 「Daughters of the Lonesome Isle(孤島の娘たち)」展 – スプラウトキュレーション

    マリーン・マリノ + 谷口真人 「Daughters of the Lonesome Isle(孤島の娘たち)」展 – スプラウトキュレーション

    マリーン・マリノ + 谷口真人 「Daughters of the Lonesome Isle(孤島の娘たち)」展 – スプラウト・キュレーション

    スプラウトのサイトを見ると難しいことが書いてあるのですが、イマイチそこまで読み取れず。とはいえ、谷口さんの作品は好きだし、展示としても女性の多面性的な部分がテーマになっているように思える面白い展示でした。

    写真から見える色々な被写体の面を切り取ったマリーンマリノさんの作品と、表から見ると絵の具の山にしか見えない作品が裏を鏡でのぞくことにより、表が出てくる様な谷口さんの作品の両方からは女性の多面性的な部分が見え隠れする様な印象。

    まあ、誤読といえばそうなのかもしれないけど、展示として面白かったです。

  • 「アートとプロダクトの不穏な関係」展 – Ai Kowada Gallery

    「アートとプロダクトの不穏な関係」展 – Ai Kowada Gallery

    「アートとプロダクトの不穏な関係」展 – Ai Kowada Gallery

    何をまとめた展示なのかタイトルとか見たけど、イマイチ見ててよくわかんなかったんです。既製品をつかって作ったアートを集めたのかな?

    出展作家は、磯谷博史 大田秀明 木住野彰悟 佐藤好彦 鈴木康広 土屋貴哉 冨井大裕 ホンマタカシ 三田村光土里 森田浩彰(敬称略)
    キュレーション:HAKUHODO ART PROJECT

    本展覧会 は、そうした現代のアーティスト・クリエイターによる“プロダクト”にまつわる作品を通し、私たちと“プロダクト”の関係性や、 それを使った表現のあり方に新しい示唆を得ることを目的としています。かつて広告が「企業から消費者へのラブレターである」と言われた時代がありました。 メディア環境の変化でその意味が変質するなか、本展覧会は「消費者の一人としてのアーティストから企業、そして社会への回答」だとも言えるでしょう。

    これを博報堂がキュレーションしてるってところまでを含めて現在の広告という業界がなにか違う方向をみちゃってるっていう意味かな?こういうキュレーションの展示ってわかりづらい。

    BOOK

    OTHER

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  • オノ・ヨーコ 「灯 あかり」- 小山登美夫ギャラリー

    オノ・ヨーコ 「灯 あかり」- 小山登美夫ギャラリー

    オノ・ヨーコ 「灯 あかり」- 小山登美夫ギャラリー

    オノ・ヨーコさんが小山さんのところに所属してるのかどうかとかわかりませんが、小山さんのところでやっていると言うことなので観に行きました。

    何となく暗闇の中に見えない壁があるんだけど、みんなあかりに向かって歩いて行くような作品でした。

    ヨコハマトリエンナーレでやっている迷路と似ているんだけど、トリエンナーレの電話を灯と置き換えるのは無理があるので、作品としては全く性質が違うものでした。

    小山登美夫ギャラリーでの展覧会「灯 あかり」では、震災を受けた日本に灯をもたらすような、数々の作品を展示します。《灯への道》は、観客が巨大な迷路の中を歩き、暗闇を抜けた先に光を見つける作品。《ミエナイ人タチ》、暗闇の中のほのかな光にうつし出される透明な人型のオブジェ。広島市現代美術館で展示された《ノコリ》、東日本大震災で倒壊した家の部材、家具を再建への願いを込めて並べた作品の再制作。また、同作品の一部に基づいて、今回の「灯 あかり」展のために制作した新作エディション作品《AIR CLOCK》も展示されます。そして6Fのスペースには、作家の祈 りと思いが込められた文字が展示されます。

    という感じでまさに今回の震災をうけての真直ぐな作品といえるような気がしました。どんな作品を作っているかそこまで詳しくしらないですが、いかにもオノヨーコさんらしい気がしました。

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    今あなたに知ってもらいたいこと
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  • 佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 2  内藤礼展 – 佐賀町アーカイブ

    佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 2 内藤礼展 – 佐賀町アーカイブ

    佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 2ということで、内藤礼展を3331の佐賀町アーカイブでやっていたので、観てきました。

    1991年、佐賀町エキジビット・スペースで行われた個展「地上にひとつの場所を」における、繊細なもので空間を満たしたインスタレーションは、その後の展開につながる代表作となりました。「地上に存在していることは、それ自体、祝福であるのか」というテーマを追求し、近年では、ものと自然との出会いから生まれる出来事をありのままに受容する場をつくり出しています。

    今回は、インスタレーション「地上にひとつの場所を」のために描出された当時の珠玉のドローイングを佐賀町コレクションから10点、新作とともに展示します。20年程前に制作された貴重なドローイングと最新作、ここでしか見られない何かとの出会いに、足をお運びいただければ幸いです。

    昔のドローイングの作品をみたり佐賀町でどのような展示をしていたかを見たのですが、昔から一人づつしか体験できない作品をつくったりしていたのにはビックリしました。今みたいに空気や雰囲気を作る様な作品よりは、昔の作品は存在感のある作品でした。一見したドローイングは微妙だなーと思ったりしましたが、そのインスタレーションのための下書き的ドローイングだとわかってから、その思考が見えてるようで面白く感じました。

    BOOK

    豊島美術館 写真集
    豊島美術館 写真集

     

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    内藤 礼 西沢 立衛 鈴木 研一
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    地上にひとつの場所を
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    内藤 礼
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    世界によってみられた夢 (ちくま文庫)
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  • 都築響一「暗夜小路 上野~浅草アンダーグラウンド・クルーズ」- NADiffギャラリー

    都築響一「暗夜小路 上野~浅草アンダーグラウンド・クルーズ」- NADiffギャラリー

    NADiffギャラリーで、都築響一「暗夜小路 上野~浅草アンダーグラウンド・クルーズ」を観てきました。

    都築さんの東京右半分を中心にした展示があったので観てきました。詳しくはリンク先でも読んでもらったほうがはやいと思うのですが、なかなかアンダーグラウンドの中のディープな部分でした。

    男の娘文化があんなことになっているとは思わなかったなー。ラブドールもおさわりしてきました。いやー。まじで深い。最深部っていう印象。どこまで掘れるかというか掘っていいのか迷いがでるほどの深さまで掘りましたという印象でした。とにかく必見。特に東東京に住んでる人は。

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    演歌よ今夜も有難うー知られざるインディーズ演歌の世界
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    天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~
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  • 畠山直哉展「Natural Stories」- 東京都写真美術館

    畠山直哉展「Natural Stories」- 東京都写真美術館

    東京都写真美術館で、畠山直哉展 Natural Storiesを観てきました。

    今回は「Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ」と題して、初期の作品から現在に至るまでの作品の中から、自然と人間との関わりを改めて俯瞰するような作品を主に構成します。

    ということで、鉱山、工場、ビル解体、陸前高田、爆破のような種類の写真があって、しかしどれも擬似的自然やそれが持っている感覚を写真にしたようなものなんですが、裏に潜む自然の力強さも感じるというような写真で、凄く良かったです。

    BOOK

    Underground
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    畠山 直哉
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    Zeche Westfalen I/ II Ahlen
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    畠山直哉
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  • 大友良英×とらや「和菓子を聴く」展

    大友良英×とらや「和菓子を聴く」展

    大友良英×とらやの「和菓子を聴く展」を観てきました。

    大友良英さんが、菓銘、意匠、味わいから連想される情景を、音楽で表現しているという不思議な展示。曲目は、『夜の梅』、『水の宿』、『残月』。という、とらやで売っている3つの和菓子から連想する音楽を作って、それが聞けるようになっていました。

    これがまた和菓子を目の前に聴くと、妙な存在感というか、これの音楽って分かるというような不思議な気分になりまして、面白かったです。ちゃんと譜面とかもどうしてこういう音楽になったかも書いてあったりして、そういう製作過程もなかなか面白いと感じました。

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    大友良英サウンドトラック Vol.0
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    F.M.N.SoundFactory (2010-06-12)
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    山下毅雄を斬る
    山下毅雄を斬る

     

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    大友良英
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  • アラヴェナ展 – ギャラリー間

    アラヴェナ展 – ギャラリー間

    アラヴェナ展をギャラリー間に観に行きました。

    チリの建築家のアレハンドロ・アラヴェナ氏の展示です。

    何がプロジェクトのフォルムを決めるのか。

    私たちは、単に答えを出すためにではなく、然るべき問いを設定するためにも、十分に時間をかける。その問いを解決することが、プロジェクトの役目なのだから(見当違いな問いに律儀に応えてしまうことほど不毛なことはない)。


    プロジェクトの方程式には不可避の項もある。例えば重力や自然がそうである。重力は事実であり、プロジェクトに重さがあることの帰結でもある。かたや自然はさまざまな度合いで作用するので、私たちはプロジェクトの全体像を見失ってはいけない。重力にせよ自然にせよ原始的な力をフォルムに隔世遺伝させ、そうしてフォルムをいくぶん規定していく。これが恣意性を取り除くフィルターの働きをしてくれる。

    普通は気づかないかもしれないが、ほかにも建築に作用する力はいろいろある。むしろ先のふたつよりずっと強力なので、これには素直に従いたい。一例が、生活習慣と日常生活の影響力である。野原を最短距離で横断するための近道を探ること、寝室にさわやかな朝日を取り入れ、逆に夜は暗くすること、あるいは何千年も前から進化していない人間の眼にはまぶしすぎる、オフィスのカーテンウォール越しに射す現代的な光を和らげようとカーテンを吊るすこと、すべては生活習慣の力の痕跡なのである。

    いずれの力も、建築のフォルムを決める(仮にこれらを無視したとしても、どのみちフォルムは変わる)はずである。本展は、これらの力の作用の記録である。
    アレハンドロ・アラヴェナ

    このようにどのようにしてそこの考えに至ったのかを紹介する動画が結構合ったイメージです。模型とかは結構少なかったかな。チリから持ってくるのも大変だしそういうことになるのかもしれません。

    しかし、展示方法としては結構こだわっていて、動画で見せるのもそうですが、それぞれの写真を木にくっつけて中庭においてあったり、空中に浮いているバルーンに括りつけてあったりと、建築を考える時に切り離せない自然とか重力とかそのあたりとの関係を連想させるようなつくりにはなっていた様な気がします。ギャラリー間らしいといえばそうなのかなって思う感じです。

    建築としては結構奇抜なカタチと言われそうなタイプの建築が多かったようにも思えるのですが、それぞれに理由がありそれぞれがなるべくしてこのカタチになったのだということをいいたい様な展示でした。

    展示で座りながら動画をみるときにアラヴェナが作ったvitraのchairlessを渡されたんだけど、これ何度かつかってるけど、体の小さい日本人にはあんまり合わないんだよなーっていうのが非常に印象に残ってます。残念。でも、南米の建築とかサイズ感とかが違うんだろうなーって感じがわかって1回南米の建築みたいなーと思いました。

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    アレハンドロ・アラヴェナ フォース・イン・アーキテクチャー
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    TOTO出版
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  • 伊藤存「潮の動きとこだわりのない置き物」- タカイシイギャラリー

    伊藤存「潮の動きとこだわりのない置き物」- タカイシイギャラリー

    伊藤存さんの「潮の動きとこだわりのない置き物」をタカイシイギャラリーで観てきました。

    今度の展覧会では、1999年に一度制作した「しりとりおきもの」の続きと、最近始めている鉛筆のドローイングを同時に展示します。
     しりとりは最後に「ん」の付く言葉以外を、ずがいこつ>つくし>しこく、という様にしりとっていきます。「しりとりおきもの」とはこうやって、並ぶことになった様々な物(事)を言葉の状態から、おきもの化し、質量のある状態にする作業です。また、おきもの化することで様々な物(事)に平等に空間を共有させる事が出来ます。
     鉛筆のドローイングでは、潮の満ち引きの様子を、絵らしく、いらないと思ったものは省きつつ、わりと任意な手の動きで描いてみます。これは、周期的な潮汐に個人の(鉛筆の)時間を落とす作業でもあります。
     性格の異なるこの2つが同時にあると場はたいへんへいたんになるし。
    伊藤 存

    ギャラリーに入った瞬間に鉛筆で書かれたドローイングと謎の置物が空間を余らせながらならんでいて、一体何事かと思いましたが、何らかのルールがあるんじゃないかと思ってそこにあった紙を観てみるとどうやらしりとりで置物が作られているよう。

    ただそれだけなんだけど、ある一定のルールというものを与えてそこに出てくるものを記録するという方法なのかなーってドローイングも観つつ思いました。そして、そこから考えると今まで刺繍で行われていたものも、何となくある下絵のようなものを一定のルールのに基づいて刺繍してたのかな?などと想像力を膨らましてみたり。実際はどうかわかりませんが。それにしても、タイトルとピッタリあった展示でした。

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    NEW TOWN
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    伊藤 存
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  • things on strings 展 – 小山登美夫ギャラリー

    things on strings 展 – 小山登美夫ギャラリー

    小山登美夫ギャラリーで行われていた、things on strings 展を観てきました。

    今回は国内外の7人のアーティストの展示をします。日本、台湾、アメリカ、オーストラリア、デンマークからのアーティスト達です。[things on strings]というのは、糸の上を歩いているような作品たち、というような意味で、何かと何かの境界線の際で制作しているアーティストたちの作品を集めてみました。

    ひとつの空間に同時に二つの空間を感じさせる今村遼佑、頭のなかのプランと現実とのギャップのなかを楽しんでいく落合多武、物質や空間のいくつかの側面を意識的に使うクリスティーネ・クリメンスン、フラジャイルな素材による形を永遠の素材に置き換えるリッキー・スワロー、自分の作品を極小にしてコレクションするトム・フリードマン、記憶と現在を行き来するジェニー・ワトソン、部屋から集めたほこりで身近な風景やオブジェを彫刻し、記録する王雅慧(ワン・ヤホイ)。アプローチは様々ですが、何かぎりぎりの際で、出てきたものを作品にしていく様は、とても魅力的だと思います。この機会にぜひ、ご高覧ください。

    ということで観て来たんですが、やっぱり個人的にグループ展というのがどうも得意でないというか、どうやってみていいのかわからないんです。ギリギリの際という共通点ということらしいのですが。作品の系統が似た様な人や、同じ様な考えでアートを製作している人を集めているので、好きなアーティストが見つかる可能性も高いのかな?

  • 丹羽良徳「共同体の捜索、もしくはその逃亡劇」- AI KOWADA GALLERY

    丹羽良徳「共同体の捜索、もしくはその逃亡劇」- AI KOWADA GALLERY

    丹羽良徳さんの「共同体の捜索、もしくはその逃亡劇」をAI KOWADA GALLERYで観てきました。

    共同体の捜索、もしくはその逃亡劇

    可能な限り積極的に仮象を生産しつつ、そのなかに埋没してしまいそうになりながらもその不可能性の中でしか現実を生き抜くことはできないとうことを掴めればと思っている。ぼくらはきっと、そんな表裏一体の社会構造の中軸に存在する。私達が形成する共同体へ向かおうとすれば、するほど逆に遠のいてしまうのも事実だと思っている。これらの作品群は、一見なんの変哲も無い行為の記録で あるが、よく考えてみれば確かに我々の社会構造の一端を抉り取られているようにも思える。その違和感が感じ取れる限りにおいては 、ぼくはその人間性というものを信じたいとも思っている。


    今回の作品は「自分の所有物を街で購入する」(2011)「デモ行進を 逆走する」(2011)を中心に様々な社会現象や構造の中に軽や かに突入するかの如く挿入された異形の行為が、私達の見ている社 会の表層にどのような波紋を作り出すことができるのか。現実の中で状況に応じて、私達が能動的に生き抜くために。

    2011年 丹羽良徳

    文中にもあるように、今回の作品は「自分の所有物を街で購入する」(2011)「デモ行進を 逆走する」(2011)です。

    一つは自分が街で購入したものと同じものを売っている店でもう一度その手に持っている同じ商品を購入するというもので、誰も気がつかずにそのまま購入できてしまう。

    もう一つはデモ更新を逆走してあるくというもので、完全に不可解な感じで周りにみられつつも特に何も起きないんだけど、なにか歪みの様なものの間を歩いている見えるような作品が2つでした。

    どちらも、何か歪んでいるんだけど、結局なにも変わらないし、なにも起きないというものだったように思えます。

    BOOK

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    その他の投稿はありません。

  • 泉太郎「ヤブ医者/髭の中」 – SPROUT Curation

    泉太郎「ヤブ医者/髭の中」 – SPROUT Curation

    泉太郎さんの「ヤブ医者/髭の中」をSPROUT Curationで観てきました。

    となりでやっているhiromiyoshiiでの展示とはうってかわって、こちらはドローイング中心の展示でした。いわゆる普通のドローイングらしきものもあるんですが、(普通のドローイングかはわからないけど。)映像がついているドローイングもありました。

    泉さんらしくそのドローイングを書いている過程が映像になっていて、偶然?とか適当に?感性で?みたいな部分で作られたドローイングなんだなと言うことが分かるものでした。

    あと、立体の影をなぞるように書かれたドローイングとか、いわゆるドローイングとは違った過程が大切というか、過程が見える様なドローイングが並んでいました。ドローイングというとそういう過程とか気にしない軽いものというイメージがあるなかで、そのような作品だったので面白かったです。

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    ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開
    松井みどり、国際交流基金
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  • 泉太郎「勇ましいあくび」- hiromiyoshii

    泉太郎「勇ましいあくび」- hiromiyoshii

    泉太郎さんの「勇ましいあくび」をhiromiyoshiiで観てきました。

    泉太郎の作品は、様々な分析や思考の過程をこねくりまわし、試行錯誤を繰り返す実験のように作られます。それは観客が見ることで、それらの過程や結果の間を行き来できるような構造を持っています。

    今回、泉は 「人間とその周りにあるものの隠された動力やバランスについて」制作と展示の中で考え、実験します。

    私達の身体、社会、機械、自然や宇宙まで、世界は見えない部分で常に何かが起こり、変化し続けています。身の回りにある、ありふれた事や物でさえ、実はひとつ均衡が崩れたら成り立たない、ぎりぎりのバランスの上に存在すると言えます。それら目には見えない変化、バランスといったものを見ようとする、隠れていて触れられないものに触れようとする、といった試みの中で、いったい何が生み出されるのでしょうか。

    ということで、観て来たのですが、行ってみると重力のバランスがおかしくなった様な傾いた家具がたくさん展示されていて、一体??というなるんですが、良く見ると木で作られた小さいロボット?小人さん?のようなものが家具を持ち上げているという展示でした。それは本当に実態のあるものなのかないものなのか?よくいわれるみえないもののようなものを面白おかしく実体化させたのかなぁ?って作品でした。

    奥には映像作品がながれていて、これは結構いつもの泉さんの作品というような偶然によって作り上げられた作品とその過程のような映像が流れていました。いつも通りと言えるかもですが、双六ではなかったのでちょっと新鮮だったかな?

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    ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開
    松井みどり、国際交流基金
    美術出版社
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  • 「Out 
of 
Bounds」展 – 東京画廊+BATP

    「Out 
of 
Bounds」展 – 東京画廊+BATP

    東京画廊+BTAPで「Out 
of 
Bounds」展を観に行きました。

    東京画廊+BTAPが2002年よりギャラリーを構える中国・北京は、日本人の私たちにとって「向こう側」と 出合う境界線上にあるかのようなマージナルな都市です。いまだ謎めいた「”さらなる”向こう側」をうかが い知るきっかけとして、私たちは向こう側の美術に興味を抱きました。ちょうどそのころ、「向こう側」と「こ ちら側」を行き来しながら北京に身を置く東アジア学研究者・荒巻正行氏と出会い、彼を紹介者として向こう 側の美術作品を集めた展覧会を企画しようと試みました。この東京画廊+BTAP特別展「Out
of
Bounds」展は、 荒巻氏が「向こう側」からあらゆる方法で入手した絵画作品を展示いたします。


    近代文明が成熟した今日でも、世界は境界線を隔てて「向こう側」と「こちら側」に分かれているといえます。境界線の向こう側の国には、国家が抱える画家が約1000人存在しているそうです。彼らは政治プロパガンダを目的とした絵画を描いています。当然、それらの作品は美術品として画廊等で発表されることなく、本来の目的を貫くべく公共的な場所に掲げられています。
    本展で展示される絵画は、荒巻氏が以下のテーマを提案した複数の画家との共同作業から生まれたものです。

    「ディフェンス・ビューティー」
 
 「ハッピー・ピョンヤン」
 
 「6・9 (ロック) ガールズ」

    
 この3つのテーマはこの展覧会のコンセプトでもあります。このコンセプトにしたがって3つのシリーズで作品は構成されています。それぞれの絵画には、かつて理想とされた「こちら側」である近代国家の最後の様相を垣間見ることができるかもしれません。このように、作品は、境界(Bound)を越えて言葉では伝えることのできない質の情報をもたらしてくれます。このことは、美術がコミュニケーションの手段であることをあらためて証明してくれました。

    というような展覧会。

    昔でいえば中国のイメージだったプロパガンダとか革命とかとセットになって連想される共産っぽい絵が、今では北朝鮮にいかないとあまりないという状況が生まれているようで、そこで3つのテーマについて書いてもらった絵画というようなものでした。いわゆる何か共産主義的表現なのか?そのように美しく書いていて、これはこれでコンセプトさえ上手く立てればアートとして面白く成り立つんだなぁという印象で、面白かったです。