アラヴェナ展 – ギャラリー間

アラヴェナ展をギャラリー間に観に行きました。

チリの建築家のアレハンドロ・アラヴェナ氏の展示です。

何がプロジェクトのフォルムを決めるのか。

私たちは、単に答えを出すためにではなく、然るべき問いを設定するためにも、十分に時間をかける。その問いを解決することが、プロジェクトの役目なのだから(見当違いな問いに律儀に応えてしまうことほど不毛なことはない)。


プロジェクトの方程式には不可避の項もある。例えば重力や自然がそうである。重力は事実であり、プロジェクトに重さがあることの帰結でもある。かたや自然はさまざまな度合いで作用するので、私たちはプロジェクトの全体像を見失ってはいけない。重力にせよ自然にせよ原始的な力をフォルムに隔世遺伝させ、そうしてフォルムをいくぶん規定していく。これが恣意性を取り除くフィルターの働きをしてくれる。

普通は気づかないかもしれないが、ほかにも建築に作用する力はいろいろある。むしろ先のふたつよりずっと強力なので、これには素直に従いたい。一例が、生活習慣と日常生活の影響力である。野原を最短距離で横断するための近道を探ること、寝室にさわやかな朝日を取り入れ、逆に夜は暗くすること、あるいは何千年も前から進化していない人間の眼にはまぶしすぎる、オフィスのカーテンウォール越しに射す現代的な光を和らげようとカーテンを吊るすこと、すべては生活習慣の力の痕跡なのである。

いずれの力も、建築のフォルムを決める(仮にこれらを無視したとしても、どのみちフォルムは変わる)はずである。本展は、これらの力の作用の記録である。
アレハンドロ・アラヴェナ

このようにどのようにしてそこの考えに至ったのかを紹介する動画が結構合ったイメージです。模型とかは結構少なかったかな。チリから持ってくるのも大変だしそういうことになるのかもしれません。

しかし、展示方法としては結構こだわっていて、動画で見せるのもそうですが、それぞれの写真を木にくっつけて中庭においてあったり、空中に浮いているバルーンに括りつけてあったりと、建築を考える時に切り離せない自然とか重力とかそのあたりとの関係を連想させるようなつくりにはなっていた様な気がします。ギャラリー間らしいといえばそうなのかなって思う感じです。

建築としては結構奇抜なカタチと言われそうなタイプの建築が多かったようにも思えるのですが、それぞれに理由がありそれぞれがなるべくしてこのカタチになったのだということをいいたい様な展示でした。

展示で座りながら動画をみるときにアラヴェナが作ったvitraのchairlessを渡されたんだけど、これ何度かつかってるけど、体の小さい日本人にはあんまり合わないんだよなーっていうのが非常に印象に残ってます。残念。でも、南米の建築とかサイズ感とかが違うんだろうなーって感じがわかって1回南米の建築みたいなーと思いました。

BOOK

アレハンドロ・アラヴェナ フォース・イン・アーキテクチャー
アレハンドロ アラヴェナ
TOTO出版
売り上げランキング: 125471