トム・サックス「ティーセレモニー」- オペラシティアートギャラリー

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トム・サックスさんの「ティーセレモニー」をオペラシティアートギャラリーで観てきました。

DIY的な材料や方法を使いながら、作品を作っていくトムサックスの、茶道に焦点をあてた展覧会です。

2016年にニューヨークのイサム・ノグチ美術館での展覧会「トム・サックス ティーセレモニー」がその起源である日本でついに開催という位置付けです。

まずは、トムサックスによるお茶会のレクチャー動画を見ます。これを見ればおおよそ全てのことがわかるのではないかと思われます。茶道を学びそこから、トムサックス流に解釈しお茶会を行うというレクチャーによりこの展覧会の成り立ちが説明されているようでした。

逆にいえば、このセレモニーを行うために展覧会があるようにも思えます。

今回の展覧会は、オペラシティアートギャラリー自体が一つの庭としてつくらてれいます。

本展の作品は体感型の空間として、庭(「内露地」「外露地」)、手作りの合板の茶室、ボーイング747機の設備をより機能的にしたトイレユニット(「雪隠」)、鯉が泳ぐ美しい佇まいの池、そして様々な門によって構成されます。

引用:https://www.operacity.jp/ag/exh220/j/exh.php

庭に入る前に、レクチャー動画内で出てきたそれぞれがNASAやDIY的な、トムサックス的な装飾を施されつつも本来の機能は維持している、トムサックス流の茶道の道具(茶碗や釜、柄杓、掛軸、花入れ)が再現され並んでいました。

庭の前に置かれたイサム・ノグチの彫刻は、ダンボールで作られた作品で、本物を置けない代わりにつくられたようですが、ここで再現されたことで全てが再現であるという象徴としても機能しているように思えました。

庭には、本物の鯉が泳いでいる池、松の葉がマッチ棒などで再現されている盆栽、五重塔、茶室までが再現され、完全なお茶会が可能な環境がそろっていました。実際にオープニングではトムサックスによるティーセレモニーが行われたようでした。

再現といっても、トムサックス流のDIY感ある造形とNASAなどのテクノロジーを感じさせ、すこしだけシニカルで面白いな部分があるような作りでした。

それらも茶道としては見立て的にも見え、千利休的にも思えます。また、どこかそれらに侘び寂びを感じる部分もありました。

展覧会を見るというよりも、ところどころにある、見立てや面白さのようなものを感じつつ、侘び寂びの効いたどこかの日本庭園を散歩するような気分で展覧会を見ました。

展覧会のタイトルが「ティーセレモニー」ですが、まさにトムサックス流のティーセレモニーがどういうものかを体験/理解するための展覧会だったと思えました。

MOVIE

TOM SACHS: TEA CEREMONY

PHOTO

INFO

トム・サックス「ティーセレモニー」

会場:オペラシティアートギャラリー
会期: 2019年4月20日(土) 〜6月23日(日)
開館時間:11:00-19:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜日、ただし4月30日は開館)

WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh220/

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