タグ: 十和田市現代美術館

  • 十和田市現代美術館 と その周辺

    十和田市現代美術館 と その周辺

    西沢立衛さん設計の十和田市現代美術館を観てきました。

    小さい箱が通路で繋がっているというのは西沢さんらしいというか、SANAAらしいというか、21世紀美術館は美術館内部に入るにはどこからでも入れるけど、展示室には入れないように区切られている感じでしたが、十和田市美術館に関しては箱がバラバラに置いてあるが。その通路のなかには入れないことで展示室に入れないという感じでした。どちらもSANAAの建築で見る方法ですが、こっちの方が集合住宅的な手法でつくられている感じでした。

    草間彌生さんを筆頭にアート広場には大きめの野外作品が置いてあって、結構日本では見ない規模の野外作品だったので、結構すごいなという印象ですね。あと、残念ながら常設の方は写真不可なんだけど、やはりロン・ミュエクは一見の価値ありですね。目を合わせると合うんですよね。リアルすぎて。今なら進撃の巨人ってこんな感じかと思ったり。あとは、ジム・ランビーとかスゥ・ドーホーとか結構好きな作品もありました。

    アート広場はあるけど、建築自体が小さいところをみると土地はあったけど、予算が・・・という感じなのかもしれませんが、やっぱりもうちょっと大きな美術館だといいのになーと思いました。企画展のスペースが小さすぎる気がするんですよね。常設が3/4くらいある感じだし。

    とはいえ、美術館はそんな感じだけれども、十和田市はそれだけじゃないのがすごいですね。十和田市民図書館が安藤忠雄さんの建築なのです。中は安藤さんには珍しく木で暖かい感じにできていて採光も多くて明るい図書館でした。しかし、安藤忠雄部屋みたいなところもあって、そこはいかにも安藤さんだなという部屋でおもしろかったです。

    そして、さらにあるんです。隈研吾さんが作った市民交流プラザ、トワーレがあります。歩いて行ける範囲で安藤建築・隈建築・西沢建築がみられる場所って日本でも表参道か十和田市かって感じなんじゃないんだろうか?しかも表参道よりもこちらの方が作家性が出てて面白いです。そんな隈研吾さんは最近の感じの木を使った建築です。

    中は子供達が遊べる空間があったり、休憩することができる空間があったり市民交流プラザとして、人気でしっかり使われている感じがよかったですね。内側も木を使っていて綺麗にできててさすが隈さんだなぁという感じ。予算をかけずに見た目良くって感じで作ってそうだけど上手だなぁーという印象でした。

    十和田市はもちろん美術館の内容とか展示とか展覧会とかが中心で来る機会となったんだけど、こんなに建築的にも面白いところでいいなぁーと思いました。コンパクトながらに面白いものが集まっていました。センスがいいなぁ。

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  • 村上隆のスーパーフラット現代陶芸考 – 十和田市現代美術館

    村上隆のスーパーフラット現代陶芸考 – 十和田市現代美術館

    村上隆さんの「村上隆のスーパーフラット現代陶芸考」を十和田市現代美術館で観てきました。

    最近村上さんがFacebookなどでいろいろ投稿している現代陶芸の展覧会です。村上さん自身が現代陶芸のコレクターであるので、そのコレクション展であるのですが、村上さんは日本の現代陶芸と現代美術の共通点やその文脈から芸術を問い直すようなことをしていて、それの展覧会という形です。

    ステイトメントやコンテクストのようなものは村上さんのFacebookの2017年の前半くらいを見るといろいろ書いてあったりするので、その辺りを観ていただければと思いますが、陶芸の世界は日本の芸術の縮図でもあり、現代生活陶芸も現在外に活路を見出す時期に来ているのではないか?しかし、そんななかいつもの日本的な考え方でまた悪い方向に向かっているのではないか?というようなものであると思います。それを村上さんとしては打破して新たな芸術の道を進んでいこうとしていると思うのですが、それらのなかで重要となってくる作品の展示という感じでした。

    大谷工作室さんの巨大な作品から、奈良美智さんのような現代アートから来ている陶芸や、桑田卓郎さんのような陶芸の新たな一歩を進んでいるようなもの、また逆に普通の皿や壺のようなものまで所狭しと並べられていて、村上さんの話に出てくる作品を直に観るような機会になりました。

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  • 「村上隆のスーパーフラット・コレクション」カタログ

    「村上隆のスーパーフラット・コレクション」カタログ

    改めて分厚い本だなと、写真がとにかく多く綺麗なので、展覧会の内容がよく分かると思います。書いてある文章自体もそれほど難しくはなく、とにかくアーティストではなくコレクターとしての村上隆さんがどのような人なのか。どのようにアーティストとしての村上隆と繋がっているのか?が分かるような内容です。

    こういうことを知りたくて村上隆さんがコレクターになったというステートメントの一部を抜粋しておきます。

    まず・・・・・・芸術はなんで高額で取引されるのか?
    それから・・・・・・古いものはなぜ、高額になってゆくのか?
    古くて、かつ、芸術的に高い価値を持つものとは何か?
    有名な名物の古いものと、無名のものとの間にある差とは何か?
    芸術における良し悪しとは何に起因しているのか?
    価値に個人的な思い入れは関係があるのか?
    国によって、価値の変動はあるのか?
    画商ってどういう商いを行うのか?
    コレクションを集めてゆくとはどういうことなのか?
    美術館とはなぜできたのか?
    人はなぜ、芸術を鑑賞せねばならないのか? などなど。

    十和田市現代美術館で行われる展示はこの中から特に現代陶芸の部分に焦点をあてて、強力なコレクターとして、さらには世界的なアーティストであるという視点を入れた展示になっているようなので、かなり面白そうで、行きたいのですがいけるかなぁ・・・。頑張って予定を早く立てないと気がつくと終わっちゃう展覧会とかあるので要注意ですね。

    ちなみにステートメントの一部を抜粋しておきます。

    利休にはじまる茶の湯、柳宗悦を中心とした民藝運動、デパート陶芸からクラフトフェアまで、多様に展開する陶芸の世界から、日本の価値と美のありようを汲み上げる村上の頭の中の陶芸史を初公開。陶芸の文脈を再考しつつ、「芸術とはなにか」に迫る、村上隆キュレーションによる美術館初の陶芸展です。ぜひご期待ください。

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