五木田智央さんの「PEEKABOO」を東京オペラシティアートギャラリーで観てきました。
五木田さんと言えば、最初はイラストレーターとして活躍されていた方ですが、現在ではNYのMary Boone Galleryでの個展が即日完売したり、日本ではTaka Ishii Galleryで扱われるような画家として勢いに乗っている方です。
アーティストのKAWSや、バスキアの作品を落札した、前澤友作さんの所有している作品も出品されていました。(ちなみに上のHow to Marry a Millionaireという作品はKAWS所有、左は前澤さん所有のLady dada)
誰がもっているとか、それほど重要なことではないですが、アート作品をもって自分も楽しむ想像をしたり、コレクションについて考えるというのも良いと思います。
昔は、色のついた作品も作っていたようなのですが、五木田さんと言えば今はモノクロームのイメージで、今回の展覧会も全てモノクロームの作品でした。展示作品の半分は旧作で半分は新作、あとはおまけがある感じでした。
前半の過去の作品はグラデーションや様々なタイプの筆致がみれたり、作品の書き込みを意図的に減らしたりするバランスが絶妙で素晴らしかったりします。
また、特に顔などの書き込みが減らされていたりすると、そこに想像する余地があったりして面白いです。
しかし、後半の最近の作品になると粗めのタッチかつ顔などの書き込みもあったりして、レトロなモノクロ写真を見ているかのような作品が多くなっていて、なんというか、多少コミカルな雰囲気さえあるような作品が増えていました。
詳しくはわからないけれども、昔のアメリカの独特な雰囲気が詰め込まれた絵画であり、雑誌の切り抜き写真のようでもありました。どうやらそういう雑誌からサンプリングされているようです。
またアメリカ的なモチーフというか、メキシコ的なモチーフというか、みたいなものも多く、さらにはプロレスをモチーフにしたものも多くあります。
小さいものを集めて一つの作品にしたようなものや、一つのシリーズにしたようなものもありました。
水彩の滲みのテストのようなものや、小さいドローイングやペインティングをまとめて一つの巨大な作品にしたようなもの、レコードのジャケットのようなプロレスラーのドローイングなど。様々なものがありました。
モノクロだけの作品なのに、五木田さんのキャラクターが色濃く出たような作品がたくさんあってとても良い展覧会でした。