obさんの「となりあうもの」をKaikai Kiki Galleryで観てきました。
以前からobさんをみていればすぐに気がつくと思うのですが、いままでのどこまでも入っていってしまうような、黒くて深い目の表現が変わっていました。
全体的に淡い色合いだったりするのが、より淡い色合いに変わっているような印象もあり、書き込み自体も少し増えているのか、絵画の全体の印象も変わってきています。
しかし、やはり最初に書いたように目の表現が吸い込まれそうな黒から、何も見えなくなってしまったような白に変わったところが、とても印象的でした。
展覧会のタイトルが「となりあうもの」ということから、隣に誰か(または何らかの動物とか)がいる作品が多いような気がします。となりあうものがいる作品に限って目は真っ白になっているという。
黒目のようなものが少しだけある作品はこちらが見られているような向かい合っているような気にさせられ、こちらが隣り合っているかのように思えます。
ドローイングなども展示されていたのですが、それは目の表現は白と黒が反転しているような?ハイライトが多く入っているような、書き方なので、それがどんどん進行して光が入りすぎて真っ白になってしまったような経過が見て取れるような気がしました。
展覧会にあたってのobさんのコメントと村上隆さんのコメントがステイトメントとして出ているのですが、とても面白いです。
このコメントを読めばそれがすべてなのではないかと思えるほどなので、ぜひ読んでもらえるといいと思います。
この表現の変化と、パンデミックと、obさんがペロタンギャラリーで取り扱われて世界的にブレイクして人気になっていることとがリンクしていてとても興味深い話でした。
こういうようなスタイルの絵なのにも関わらず、大きな画面を埋めてしまえるほどの技量を重ねてきたところが、このブレイクにもつながっていると思うと、ブレイクするべくしてしたと思えて感動的でした。
PHOTO
BOOK
INFO
ob「となりあうもの」
会場:Kaikai Kiki Gallery
会期: 2023年3月10日(金)~3月30日(木)
開館時間:11:00 – 19:00
閉廊日:日曜・月曜・祝日
WEB:https://gallery-kaikaikiki.com/category/exhibitions/ex_solo/solo_ob/となりあうもの/