播磨みどり「Year Without a Summer」- MAHO KUBOTA GALLERY

播磨みどりさんの「Year Without a Summer」をMAHO KUBOTA GALLERYで観てきました。

コピーされた用紙を使って作られた立体作品があったのですが、等身大の人間の形をしていて、想像以上に紙としての存在感以上の雰囲気や物語のようなものが立ち上がってきていて驚きました。

ステイトメントを読むと、

今回の個展のタイトルである「Year Without a Summer」とは約200年前の1816年に北ヨーロッパや北米を中心に実際に起こった、夏のない、異常気象の年のことをさします。その年の7月、8月には北米の川で凍結が見られ農作物が壊滅的な被害を受けたと記録されています。原因は前年、遠く離れたインドネシアで起きた火山噴火だと言われています。

であり、ここから

地図上のひとつの地点で起きたある出来事が間接的に、遠く離れた別の場所に宿命的な影響をもたらしていく。「Year Without a Summer」という言葉のもつ不条理を展覧会全体を覆うメタファーとして引用しながら、その不条理にまっすぐに立ち向かい、そこにひとつの答えのきっかけを表出させることはアーティストの新境地を開く挑戦となることでしょう。

と書かれているように、何か圧倒的な理不尽から逃げる人々というような、寂しさや悲しさのような物語がギャラリーないにあったような気がしました。そこには、難民問題や資本主義の限界のような何かを考えさせるような力があったように思えました。

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