FM「REISSUED WOMEN(AN HOMAGE TO DAVID SALLE)」- スプラウト・キュレーション

FM「REISSUED WOMEN(AN HOMAGE TO DAVID SALLE)」をスプラウト・キュレーションで観てきました。

奇妙なポーズをとっている恐らく娼婦のモノクロームの写真。というのがこの展示を観ての最初の印象でしたが、近く見るとこれはペインティングであるということがわかって何故写真をペインティングにしているんだろうなぁ?という感じでした。

構図とかは結構スタイリッシュといえばいいのか?それとも古めの欧米の広告写真のようであるといえばいいのか細かくはわからなかったですが、そういう雰囲気のある物で、時々そのペインティングに印象的な色のついた空間が介入してくるというもので、そのモノクロでない色の部分があたらしさと古さの境界のようなものがあって面白かったです。

それだけかな?と思っていたのですが、裏には少しコンテクストがあったようす。元を知らないという勉強不足でしたが、そう考えると何となくいろいろと合点がいくような。WEBから少し抜粋するとこんな感じです。詳しくは上のリンクから飛んでください。

これらの写真は、そのユニークさ故に、独立した写真作品として発表されているが、10年間という撮影期間は、ひとつのシリーズに掛ける時間としてはあまりに長すぎる。やはりペインティングのエスキースにすることが目的で撮影されたと推測すべきだろう。実際いくつかのカットはペインティングになったものの、その多くは写真集に閉じ込められたまま、その後より複雑化するアート・コンテクストの奔流で、いつしか多くの人が意識する存在ではなくなっていった気がする。

それから20年。
極東の島国で、二人の若きアーティストがこの未遂のエスキースの存在に気が付いた。

ということで、デヴィッド・サーレというアーティストの写真を利用して作られていなかった作品を自らの手で作ってしまおうという作品だったようです。裏のコンテクストがわかるとなかなか面白い展示でした。