タグ: 無人島プロダクション

  • 小泉明郎展「帝国は今日も歌う」- VACANT

    小泉明郎展「帝国は今日も歌う」- VACANT

    小泉明郎さんの「帝国は今日も歌う」を原宿のVACANTで観てきました。

    GWを含む9日間のみの会期なので、見れない人も結構いるかもしれませんが、思った以上に混んでいて注目度の高さが伺えました。

    私の夢も帝国に侵されたことがあります。というサブタイトルの通り、そのようなところから語りがスタートしますが、父が権力に連れて行かれる不安のようなものや、力や思想によって弾圧されるようなもの、それを見ようとしない外枠の人々のようなもの、それらの中を連れて行かれるような、夢のように進んで行く映像でした。

    結局のところこれを伝えるというようなものとは少し違った現在の空気をアートという形に封入して、それを長い時間いろいろな場所で再現できるようなものであるような気がしました。不安と権力と力と思想の混じり合ったものが圧倒的に迫ってくるようなものでした。国立や都立の美術館とかでは見れなさそうという話があるのも納得できるような気がしてしまうほど、強度のある映像でした。

    MOVIE

    BOOK

  • Chim↑Pom「The other side」- 無人島プロダクション

    Chim↑Pom「The other side」- 無人島プロダクション

    Chim↑Pom「The other side」を無人島プロダクションで観てきました。

    Chim↑Pom は2014 年からアメリカ合衆国の国境問題をテーマとした、「COYOTE」 (2014, NY と東京で展示)、「U.S.A. Visitor Center」 (2016)、「LIBERTAD」「The Grounds」 (ともに2017)を制作してきました。今回の新作を含むこれらの連作プロジェクトは、Chim↑Pom のメンバー、エリイが抱える アメリカへの入国規制という個人的な問題をきっかけとして、古今東西さまざまな場で引かれてきたボーダーに着目し制作したものです。また、2015年、Chim↑Pom イニシアティブのもとでスタートした、東京電力福島第一原発の事故によってできた帰還困難区域内での国際展「Don’t Follow the Wind」も、世界中のさまざまな「立ち入れない場所」をChim↑Pom が意識するきっかけとなりました。

    どんな展覧会なのか?は、この引用のままだし、作品の内容については無人島プロダクションのWEBを見てもらえればだいたいわかるのではないかな?と思ったりするわけなんで、ぜひそちらを参考にしていただけると、ほぼ完全な説明ですね。笑。ということで、別角度からの話ですが、このトランプが壁と言い出している時にこういう作品を作れる作家が日本にいるというところがすごいし、このスピード感でやっていけるからこそChim↑Pomはここまでの存在感をもっているんだなという裏付けにも感じてしまう良い展覧会でした。

    若手で単純に世界でやっていけるのではないか?世界規模での視点がある作家がいるのか?日本だけしか見えてないんじゃないかな?って思ったりする中でこの広い視野とスピード感でやっていて、このままどれだけ進化してくのか楽しみです。美術は作品を作るまでに時間がどうしてもかかってしまうから、今の問題を取り上げるのは難しかったり、時代と同時進行していくというのはなかなか大変だとおもうのですが、今の問題を捕まえて作品にする。それをやってのけているのがよくわかる展覧会でした。必見です。

    PHOTO

    BOOK

    Don’t Follow the Wind: 展覧会公式カタログ2015
    河出書房新社
    売り上げランキング: 618,432
    エリイはいつも気持ち悪い エリイ写真集 produced by Chim↑Pom
    Chim↑Pom
    朝日出版社
    売り上げランキング: 324,105
    芸術実行犯 (ideaink 〈アイデアインク〉)
    Chim↑Pom(チン↑ポム)
    朝日出版社
    売り上げランキング: 235,142
    SUPER RAT
    SUPER RAT

     

    posted with amazlet at 17.03.06
    Chim↑Pom(チン↑ポム)
    パルコ
    売り上げランキング: 599,217
    なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか
    河出書房新社
    売り上げランキング: 300,931
    Chim↑Pom---チンポム作品集
    Chim↑Pom—チンポム作品集

     

    posted with amazlet at 17.03.06
    Chim↑Pom
    河出書房新社
    売り上げランキング: 622,357
  • Chim↑Pom「REAL TIMES」- SNAC

    Chim↑Pom「REAL TIMES」- SNAC

    Chim↑Pomの「REAL TIMES」をSNACで観てきました。

    何だかんだで、最近話題になっているChim↑Pomの最新の展覧会がSNACで6日間だけやるということだったので、初日に行ってきました。

    今回の話題はやはりTVのニュースでも取り上げられてしまっている、LEVEL7.feat「明日の神話」です。渋谷の明日の神話に今回の福島第一原発事故の絵を追加したというもので、いかにもChim↑Pomらしいやり方で話題をさらっています。その絵もあったし、その映像も流れていました。作品自体はコンセプトアートに近い文脈にある気がするので、もうその役目を果たしている感じと思っています。

    今回の作品の中に前もみた「不撓不屈」のやつもありました。これは広島の(あの問題になった)時に、現地の有名な被爆者の方から話を聴いたりしている時に、仲良くなり、その後今回の原発の事があってからどう思うか聴いてFAXで帰ってきたというもので、下に書かれている人の英知を信じるという言葉が重くのしかかってきます。

    そのほかにも、現地でボランティアをしてその現地の仲間たちと気合入れを100連発でやるとかもナカナカ良い映像でした。実際のところどこまでボランティアをしてたのか?とかわかりませんが、とにかく現地で勢いで気合い入れをするというのは、Chim↑Pomのスピード感に通じることもあるし、力もあったように思えました。

    そのほかにも、今では入れない地域にいつ撤去されるかわからない旗を掲げたり、かかしを立ててきたりなんていう作品もありました。とにかく日本の今という意味では外せない今回あった原発の事故を捉えることがChim↑Pomのリアルタイムということだったんだと思えました。そして、やはりChim↑Pomのスピード感を感じることができました。

    彼らはやっぱりなんかやろうぜ!って盛り上がって悪ふざけしちゃうくらいの早いスピード感でものをつくりつつ、ギリギリのラインをスケールを変えてやっちゃう所がスゴいと思うのでそれを感じられて面白い展示だったともいます。もちろん悪ふざけのようなギリギリのラインだから嫌いな人もいると思うけど、話題になったもの以外もみたらChim↑Pomは面白いです。

    PHOTO

    BOOK

    Chim↑Pom---チンポム作品集
    Chim↑Pom—チンポム作品集

     

    posted with amazlet at 11.05.21
    Chim↑Pom
    河出書房新社
    売り上げランキング: 14433
    なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか
    河出書房新社
    売り上げランキング: 27363
    JOY TO LOVE:Chim↑Pom
    JOY TO LOVE:Chim↑Pom

     

    posted with amazlet at 11.05.21
    ラムフロム
    売り上げランキング: 20711
  • 田口行弘「Pan! Pan! Pan!」- SNAC

    田口行弘「Pan! Pan! Pan!」- SNAC

    田口行弘さんの「Pan! Pan! Pan!」をSNACで観てきました。

    田口行弘さんというと、僕が見た覚えがあるのはαMの複合回路で観たのを覚えているのですが、この時は影と実態の境界を歩くような作品でした。そのような虚数と実数の間のような間のないところの間をみせるアーティストなのかな?って思っていたんですけど、今回はそれとはまた違うタイプの作品でした。

    今回の作品は2つあって、一つはパラパラマンガを写真でつくるというタイプの作品で、これは言ってみれば現実でアニメーションをつくっているという感じでしょうか?実際ではあり得ないことが起きるアニメを利用して実際には起きないことを起こすという感じにも捉えられました。

    もう一つは2人で会話をしているのだけど、間に一人言葉を伝達する人がいるという作品。音を空気の振動と捉えるならばその振動役の人間がいるというような作品です。

    αMで見た作品とかからも感じたことではあるのですが、何となく見えないものに実態を与えようとしているのかな?という印象を受けました。実際はそこに無いものをあるように表現するにはという感じで面白かったです。

  • 清澄白河ギャラリー巡り 10.04.21

    清澄白河ギャラリー巡り 10.04.21

    ・小山登美夫ギャラリー
    ベンジャミン・バトラー 展 Paintings and Drawings 2010
    葉っぱとか木とか、植物のようなものを抽象的にかいているのかな?っていう感じでした。かなり抽象化した上にペインティングもそのタッチを残すような緩い感じの色の付け方をしているんだけど、イマイチ僕にはフィットしなかった感じでした。うーん。なんというか、緩くて好きなものもあるんですが、どこか面白いとかなにか一つが無かった感じでした。

    ・hiromiyoshiiギャラリー
    大城絢|Between a Woman and a Woman
    井上信也|5、6の事
    うーん。これまたどちらもよくわからなかったです。どう捉えればいいのかなぁ?って感じでした。大城さんの動画は結構手書きの感じとかそれが動画になっている感じとかは面白かったんだけど、なんかもう一つ面白味という点でわからなかったというか。

    ・タカ・イシイギャラリー
    法貴 信也
    パッと見単なる線画かな?って思ったんですが、良く見るとそれとは全然違ったものに感じる。いや、線画という事には変わりないんですが、線が2本の線画ですね。恐らくペンを2本同時に持って線画を書いているという感じだとは思うんですが、その2本の線がペンの傾きや向きによって近づいたり離れたり絶妙にするのでそこに空間的なものを連想させるということになっていてコレが絶妙に良い感じなんですよねぇ。とにかく見てて飽きないし、すごいなっていう感じで面白かったです。

    ・SNAC
    八木良太展
    清澄白河に新しく出来たギャラリーのSNACの初の個展の八木良太展にいって来ました。八木良太さんといえば前に、「Winter Garden:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」で、氷で作ったVINYLって作品が面白かったので結構期待していったのですが、今回はイマイチだったかなー。なんかそこにいたギャラリーの人?が文化祭か?ってくらいに説明してくるし。それが印象的だったとはいえ、作品自体もイマイチ何となく足りない感じがしたなぁ。

    BOOK

    ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開
    松井みどり、国際交流基金
    美術出版社
    売り上げランキング: 122497
    その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる (THEORY BOOKS)
    小山 登美夫
    講談社
    売り上げランキング: 72752
    現代アートビジネス (アスキー新書 61)
    小山 登美夫
    アスキー・メディアワークス
    売り上げランキング: 13626
    小山登美夫の何もしないプロデュース術
    小山 登美夫
    東洋経済新報社
    売り上げランキング: 88562