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  • カンノサカン 「クォンタイズ」- ラディウムーレントゲンヴェルケ

    カンノサカン 「クォンタイズ」- ラディウムーレントゲンヴェルケ

    カンノサカン 「クォンタイズ」- ラディウムーレントゲンヴェルケ

    打ち込み系の音楽やったことがあるひとならクォンタイズというとそういう用語だと言うことがわかると思いますが展覧会の解説は以下のようにサイトに書いてありました。

    絵画においての「凍れる音楽」とも言えるカンノの作品はこれまで、音楽経験から学んだインプロヴィゼーション(即興性)と直観によって描かれてきましたが、今回は一転、独特の有機性と最小限の即興性を残しつつ、作品を構造化し要素の関係性により重きを置いた、あらたな発想で制作を展開します。

    これは主に、既製のテンプレートや過去の作品画像のトリミングから抽出された線画などでいくつもの小さなオブジェクトをつくり、画面 を等分割したグリッドを基に構図を組み立てながら配置し画面の構成を決定するというものです。構成が決まった後、下書きとしてオブジェクトがトレースされ、そこから絵筆をもちます。DAWにおけるスライスのように、分断され出自が異なる断片的なオブジェクトが画面上で関係性を築き、あらたな作品として再構成されるということです。

    音楽と美術の両面に常に通底するロジックとコンセプトを用いるカンノは、近年、機材/コンピューター/ガジェットなどの進化により変容、多様化し続ける音楽の生成過程に向き合うことで、自身の絵画作品制作においても徐々に意識の変革が起きました。

    再現や規則性から解放され、快適な調和の瞬間をどこまでも自由に探りつづけることができる即興的な描画は、モードジャズにおけるインプロヴィゼーションを聴いているようなダイナミズムと緊張感を画面 に閉じ込めることができます。しかしその主体のみに依るジェスチャーは、ともすれば手癖の繰返しとメ語彙モの陳腐化を孕みます。自由で無限だと思えた即興の世界にはそれほど奥はなく、むしろオブジェクト化することや、それにより再構成されて生み出される世界こそが無限であり自由であると考えたのです。

    今まで以上に視座を高くもった今回からの制作スタイルは、常に自分の表現を俯瞰することで、近視眼的になりがちな制作から脱却するとともに、かつて使った作品の一部さえも要素として取り出すなど、作家自身を制作の主体とせず客体化することを可能にしています。

    という感じでコンセプトは非常にわかるんですけど、音楽の編集を知っていると自分とはちょっと違うかなと思いました。

  • ギャラリー巡り 10.03.19

    ギャラリー巡り 10.03.19

    ちょっと一気にギャラリー巡りしすぎて筆が止まってました。いつまでも止めておく訳にもいかないので、そろそろ頑張って書きます。

    まずはspace355のKEUMSAN GALLERY TOKYOとGALLERY HASHIMOTOですね。KEUMSAN GALLERYは何か2人展みたいなのだったんですが、WEBに情報がでてませんね。絵画でした。GALLERY HASHIMOTOはドローイング系。空気とか雰囲気をドローイングするタイプだったようにおもいますが、イマイチフィットしない感じでした。ちょっと余白が多すぎるというか、余白に意味を感じ取れなかったというか。

    次はTARO NASUですね。秋吉風人さんの「口説き文句は持ってない」がやってました。コレは結構好きだったなー。Roomっていう1色なんだけども空間を切り取ったようなシリーズがスゴい良かった。その他も結構好みのタイプ。それにしてもTARO NASUはどこに値段があるかよくわからない。どうせ高くて買えないとは思うんだけど。

    その次はFOIL GALLERYへ。新津保建秀+池上高志さんの
    「Rugged TimeScape」
    がコレってATAKあたりの絡みをあるので、ATAKの音が流れてたり、相対性理論+渋谷慶一郎のジャケとかがあったり。写真ってよくわからないし、FOILはわからないことが多いんだけど、コレはスゴく良かった。ものすごく細かい部分やザックリとしたもののバランスというか切り取り方というか。そのあたりが秀逸という言葉があうような感じで写真ではない作品として出来上がっていたと思う。

    さらにまとめてαMへ。半田真規展です。これはもう壮観。このギャラリーに来た事のない人はもしかしたらどこがどう作品なのかよくわからないかもしれないけど、ギャラリー全体が作品となっていて、なんと言い表したらいいのかわからないんだけど、日常のなかにある違和感とか不思議なバランスと言うものを見せつけられた感じ。面白かった。

    その後、少し歩いてレントゲンヴェルケとCASHI°に。レントゲンヴェルケはレントゲンコレクションということで、在籍しているアーティストの作品を並べるって感じでした。佐藤好彦さんの作品は(この2007年のやつ)くすぐられるよねー。普通に。エフェクターだもん。ホントに音が出たらなお楽しい。あと、あるがせいじさんの作品は立体感がやばい。普通に誰がみても面白いって思いそうだし、良かったなぁ。平面だと思うものを過剰に堆積させる事によって立体を生み出すって言葉で書くと普通だけど、結構面白い。

    CASHI°では、杉浦慶太さんの「Inkjet」がやってました。なんというか、なにもないような何かというプリントでした。うーん。おもしろそうだけど、イマイチわからないタイプだったなー。

    電車で移動して、今度は清澄白河へ。小山登美夫ギャラリーから。桑原正彦 展「とても甘い菓子」。どこか不思議な感じをカワイイ絵で切り取ったって感じなんだけど、イマイチよくわからなかった。ちょっとカワイイの理解が難しい。というか、苦手かも。

    タカイシイギャラリー。ダン・グラハム個展。反射して、そこに映り込みの出来るような透明の素材を使って空間のなかに新しい虚像の空間を作り出すタイプの作家さんでした。面白いんだけど、なかに入ったりすることで楽しめるので、イマイチギャラリーで見るにはちょと向いてないかな。

    hiromiyoshii。Enlightenment|AD 2010。平面の堆積っていう発想はさっきもあったんだけど、コレはまた違うタイプの平面の堆積ですね。堆積という感じではないけど、平面を重ねに重ねていたりとかそういうことをしている。あと視覚的にかなり刺激があるような感じ。まさにエンライトメントという感じですね。このカチカチしたデジタルっていう感覚は嫌いじゃないなー。

    ShugoArts。森村泰昌さん「なにものかへのレクイエム:外伝」。自分がその人物になりきってその写真を撮るという作品たちでした。「私はあなたを忘れません」ということの証としてのレクイエム。ということがHPの説明文に書かれているけれども。まさにそういう感じというか作家のその被写体に対する愛のようなものが感じれて面白い。

    次はTAKE NINAGAWAで、後藤輝さんのLove You More Than Painting。好きな感じの作品なんだけれども、イマイチピンと来なかった。抽象的すぎるというかどこを楽しんでみれば良いかを掴めなかった。もうちょっと色々な作品を見たら印象も違うし、わかるようになりそうなんだけど。

    やっと最後。といっても、白金のギャラリービルなのであと3つ。まずは山本現代。「だれもいないまちで」という3人展。

    この展覧会では、小林耕平の「1-10-1」、西尾康之の「蟻塚、ジオラマ」、杉浦慶太の「惑星」の連作という人間の登場しないジオラマの世界や無人の町の風景をモチーフに据えている作品を一同に展示することで、『ひと』への問いを立ち上がらせることを試みます。という説明。確かに共通して誰も存在しない街が取り上げられているがその共通性は少し希薄。同テーマでやるならもうちょっとつながりが見えるようになってたら、より面白かったなかぁ。とはいえ、それぞれにテーマに沿っていてそれで見ると面白かったので良かったのかもしれないが。杉浦慶太さんの「惑星」という写真のシリーズは闇という余白に浮かび上がる何かが印象的でスゴくわかりやすく好きな感じだった。もっと色々作品観たいな。

    NANZUKA UNDERGROUND。津村耕佑さんの [ MODE less CODE ]ですね。FINAL HOMEの津村さんがコンピュータ関連の日々使っているような素材の廃材を利用してそれを編み込んで服をつくるという作品。産業廃棄物を別のものとして生き返らせるという感じや何か都市とかそういうものまでを見通しながら服をつくっていくという考え方は結構面白いと思うので、作品としては面白いのだが、もうちょっと何か実用性のあるところまで落とし込めると個人的にはもっと面白くみれたかな。この状態でも、かなり面白かったんだけども。なんとなくそう感じた。

    児玉画廊。関口正浩さんの「平面B」作品ギャラリーがあったからこれを見ると面白いと思います。これは僕はかなり好きなペインティング?ですねー。一旦、何かにペイントしてそれをはがしてペイントとしてもう一回利用しているんだけど、平面を強引と言っても良いような手法で立体にしてるんだけど、結果平面に収まっているという感じ。とにかくそれを目の前に観た時に単純にその色とか形というのも面白いと思えるんだけど、そこ以外に何かの引っかかりがあって良いです。欲しいなーって思いました。普通に筆とかを使っていては作れない手法であらたなペインティングの方法とも言える気もするし。かなり良かったです。

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  • 馬喰町とか浅草橋とかのギャラリーへ 10.02.09

    馬喰町とか浅草橋とかのギャラリーへ 10.02.09

    まずはspace355のKeumsan GalleryとGALLERY HASHIMOTOへ。まずは、Kemusan Galleryへ。アジア若手作家2人展がやってました。松枝悠希さんと金英眞さんの2人展ですが、松枝さんの立体がちょっと好みでした。一見平面に関連した何かが空中に浮いているような飛び出したような状態になっているようなものでした。まあ、何となく整いすぎてるなーという印象もあったけど、またどっかで観るかもなと思いました。

    次にGALLERY HASHIMOTOへ。こちらは、開発好明展がやってました。こちらは、なんともやっちゃってるなーって感じでした。SALEって書いてあるから何事かとおもったら、会期が進むに連れて作品がセールになるってもので、さらにその作品も安売りのシールが上から張られちゃってるようなそんなものだったり。そして、会場ではくじ引きが行われててそれが安売り感をあおってたりして。なんかちょっと面白かったです。HPにもあるように、デパートやスーパーなどで普通に行われている値引き、景品システムを美術展に流用します。っていうそれ自体をとりこんでの現代美術でした。

    gallery αMへ。変成態の鬼頭健吾さんの展示を観てきました。巨大に広がったパラソルの集合体とそれに囲むようなクロスも含めて色彩豊かでPOPな空間に仕上がっていました。そのほかにも平面とかミラーボールを連ねたものとかもありました。とにかく何と言って良いかわからないのですが、空間をPOPな感じに思わせる力がすごいです。まあPOPと感じるのはそれぞれな部分だとは思うのですが、空間や雰囲気というものを何らかの形に変えているという感じがしました。

    TARO NASUへ。Ryan Gander “I’m an Aurefilian”がやってました。うーん。面白いものもあったとは思ったのですが、解説もないし作品タイトルとかだけではイマイチなにを表してるのかわからない感じでした。難しい。コンセプチュアルなんですが、もうちょっと説明がないとわからない作品だったので、よくわからないなーって感じでした。とてもコンセプチュアルなので、もう少し勉強してからじゃないとですね。

    ラディウム – レントゲンヴェルケへ。満田晴穂さんの自在という展示がやってました。金属で昆虫を作っているというものなんですが、超精密に本物と見間違えるかのようなように出来ていてビックリしました。もはや現代アートではなく、工芸とかに近いのでは?と感じでしまうところもありました。

    CASHI°へ。彫刻家Negam!さんの個展「ザギンでシースーを -Breakfast at Tiffany’s-」をみました。かなり面白かったです。彫刻なんですが、全体的に面白みを狙っているというか、かなりシニカルなギャグというか。小さな西郷さんの彫刻を渋谷のハチ公をもっているようにして大きさを逆転させて映像にしてたり、自分の5人肩車しながら歩ける彫刻を肩車しながら色々なところを歩いたり、自転車乗ったりなどなど。とにかく作品を利用した作品がかなり面白いことになってました。もともと彫刻とかには弱いので、面白かったなぁ。

    最後は、MAKII MASARU FINE ARTSへ。舩木大輔“アートによるアポとーシス”展をみました。結構POPな雰囲気の人の彫刻とか絵画なんですが、今回のアポトーシスということとちょっとPOPな作風とイマイチあっていなかったというか。何となくもうちょっとその作風を変えてやってくれたら面白かったかなぁとも思ったんだけど。それかPOP過ぎて気味が悪いとか。まあなかなかそういう感じにも行かないだろうし難しいなー。なんか妙な感じでした。それが正解なのかもしれないけど。

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  • 東日本橋から銀座ギャラリー巡り 09.05.14

    東日本橋から銀座ギャラリー巡り 09.05.14

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    まずは、CASHI°

    吉永マサユキ「ちょッカン」- CASHI°
    下手をすれば単なるヤンキーのバイク写真なんだけど、ちょっと違う感じ。現代アートとして見せられると、何故かこれは日本にしかない日本の文化なんだよな。なんて思ったりもする。それが狙いかはわからないけど。そんな気になった。

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    その次はお隣のラディウムーレントゲンヴェルケ

    ラディウムーレントゲンヴェルケ「FISSION – FUSION」
    澤柳英行さんの作品で、金属のプレートに色々なサイズの穴があけられていて、それが上手く光りを利用する事で、絵のような感じになっている。そして、その作品の先にある陰にもまた絵が映り込んで独特の雰囲気を作ってます。かなりカッコいいって思う作品なんですが、ちょっとモチーフが顔なのが個人的には重い感じが。手法としてはスゴくいいです。単純にカッコいいって感じ。

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    FOILギャラリーとαM

    角田純 作品展「Sounding through」- FOIL GALLERY
    ここは比較的ドローイングみたいな作品が多いかな?ちょっとしたギャラリービルみたいな所にある感じです。しかし、ドローイングっていうのは色々観た訳じゃないですが、結構バランスやスピード感タッチ等で差が出ます。色使いとかは最近はパステルな感じとか光るものとかが多いのかな?そういう感じでスピード感とかがあるような作品でした。ちょっとこの分野はまだ僕には説明できるレベルじゃないです。

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    これは新しくできたαMの入り口ですね。

    中原浩大「変成態−リアルな現代の物質性 Vol.1」- gallery αM
    こちらもさっきのギャラリーと同じビル。最近出来たところです。ムサビが運営してるみたいです。ここには植物のような巨大作品が。まだ、このかたをよくしらないんですが、結構巨大なインパクトのある、独特な感じでした。植物とその実のような何かのイコンのようなものがある作品でした。

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    Space335

    津上みゆき「新作版画展」- Space335−201
    今年のARTIST FILEでいいなーって思っていた津上みゆきさんの作品が売ってました。お。買える?って思ったんだけど、かなり売れてましたねぇ。残念。個人的には間をつかったり、あえて輪郭をぼやかす事で想像力をかき立てるという手法が好きなので、(いわばDUBにも通ずる?)結構気になっている作家さんです。この建物は一階もギャラリーでした。

    ARATANIURANO

    ARATANIURANO 西野達「バレたらどうする」
    西野さんのモノがあったら絶対観に行った方が良いよって人に勧めたいです。でも、今回は西野さんの中では結構手こずったんじゃないかな?ギャラリーでやるタイプのひとではないので。それでもダイナミックで面白かったです。非日常を日常に取り込んじゃう方です。今回は空間を歪めてました。天井が落ちてきていたり、街灯が部屋を突き抜けていたり。ちなみにエルメスの屋上での作品は僕の中で革命でした。

    日本橋高島屋 美術画廊X 東恩納裕一展
    高島屋でのまさかの現代アート。百貨店で観ると思わなかった。しかも東恩納さんです。一番有名なのは蛍光灯をシャンデリアにしてるのとかではないでしょうか?好きです。今回は他にも色々ありましたが、どれも光を意識しているという気がしました。光のように発散するスプレーをつかったり、その陰の部分を利用したり。もちろん蛍光灯もありました。

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