菅 木志雄さんの「分けられた指空性」を小山登美夫ギャラリーで観てきました。
菅木志雄は、1960年代終わりから70年代にかけて起こった芸術運動「もの派」のメンバーであり、同時代を生きる、戦後日本美術を代表するアーティストの一人といえます。「もの派」以降も東洋的思想に共鳴した独自の哲学に基づき、素材や物質、空間に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」の持つ存在の深淵を顕在化させてきました。「もの派」への評価が国際的に改めてクローズアップされている昨今においても、菅は更にその思考を深化させ、追求し、その表現をし続けています。
という紹介が書かれている菅さんですが、その「もの」を出会わせているような感じの作品がなんとも言えないバランスでカッコよくというか、美しくというか、美術的に収まっているという素晴らしさがあります。なんといっていいかわからないのですが、これがもの派の「もの」に対するというスタンスなのかなと思わされます。
額のように見えるようなフレームやキャンパスのあるように思える作品がいくつかあり、その中または外に飛び出す形で、絵画のようなバランスをもっているものなどもあり、単に空間とのバランスで作品となっているものだけではなくそれとして作品になっているものなどもありおもしろかったです。