カテゴリー: MUSEUM

  • 今井俊介「スカートと風景」- オペラシティアートギャラリー

    今井俊介「スカートと風景」- オペラシティアートギャラリー

    今井俊介さんの「スカートと風景」をオペラシティアートギャラリーで観てきました。

    本展は、2022年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された、美術館における初めての個展を、東京に巡回します。本展ではストライプの絵画に至る過程ともいえる作品群を新たに加え、初期作品から新作まで、絵画を中心に、立体や映像、インスタレーションなど、さまざまな表現をあわせてご紹介します。

    引用:https://www.operacity.jp/ag/exh261/j/introduction.php

    瀬戸内国際芸術祭のタイミングで丸亀で行われていた展示の巡回となります。丸亀の展示に行けなかったので、とても楽しみにしていました。

    今井俊介さんといえば、カラフルなストライプとドットとチェックの柄が絡みあうように立体的に描かれている絵画シリーズを作っている作家です。

    独自のポップな色彩感覚で、波や旗のようにも見えるイメージを表した絵画シリーズは、ある時ふと何気なく目にした知人の揺れるスカートの模様や、量販店に積み上げられたファストファッションの色彩に強く心を打たれた体験が原点となっています。
    ストライプや水玉といった単純な色と形の組み合わせによる模様をランダムに配置し、さらにそれらが歪んだり波打ったりすることで生まれる形態をキャンバスに描きだす今井の制作は、絵画の基本要素である色や形、平面性への考察に基づいており、今井は絵画の根本的な意味やその可能性を問い続けています。

    引用:https://www.operacity.jp/ag/exh261/j/introduction.php

    展示内で展示されていた動画でも言っていたのですが、デザインや建築などに興味があったということで、絵画の中にデザインや建築の要素に感じる部分が多々あります。

    重なり合う柄はそれぞれが壁のように空間を意識させるようにも感じますし、その色の組み合わせや柄の組み合わせはデザイン的にも感じます。

    ショップの方にもあった、建築もつくったりしたエルズワースケリーの色の感じを思い出したり(以前の展覧会の、Red, Green, Blue, Yellow, and Whiteってその影響かもしれない)、ブリジットライリーの色やゆらぎを思い出したり。

    カラフルな色が多く鮮やかな作品も多いですが、少ない色で大きな面を埋めているような作品の前では、バーネットニューマンの作品の前で感じたような色で目眩がするような感覚もあったりしました。

    美術界からの影響を感じながらも、どこかデザイン的または建築的に落とし込んでいるような気もしてしまう部分が面白く感じます。デザインというフィールドでアート的なことをやる人は多いような気がしますが、アートというフィールドでデザイン的なことをやる人はそれほど多くないように感じるので、これからどういう作品を作るのか気になっています。

    巡回の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の展示でのインタビューが面白かったので是非。前編後編

    関連展示がNADiff Galleryで行われています。

    PHOTO

    INFO

    今井俊介「スカートと風景」

    会場:オペラシティアートギャラリー
    会期: 2023年4月15日(土) 〜6月18日(日)
    開館時間:11:00-19:00
    定休日:月曜(ただし5月1日は開館)

    WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh261/

    BOOK

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  • DUMB TYPE「2022: remap」- アーティゾン美術館

    DUMB TYPE「2022: remap」- アーティゾン美術館

    DUMB TYPEの「2022: remap」をアーティゾン美術館で観てきました。

    今回の展示は、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示で発表された「2022」の、単純な再現展示ではなく、アーティゾン美術館の空間に「2022: remap」として再配置した展示です。

    まず、ダムタイプがどのような集団なのかをWEBの解説から引用します。

    ビジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成されるグループ。1984 年の活動開始以来、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を続けてきました。特定のディレクターをおかず、プロジェクト毎に参加メンバーが変化するなど、ヒエラルキーの無いフラットでゆるやかなコラボレーションによる制作活動は、既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして内外で紹介されています。

    引用:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/

    アートコレクティブ的な集団ですが中心メンバーのような人物はいて、私の認識では、最初は古橋悌二さんなのですが、亡くなってしまったため、その後は高谷史郎さんや、池田亮司さんというイメージがありました。ですが、今回は音楽が池田亮司さんではなく、坂本龍一さんが担当していました。

    といっても、坂本龍一さんがピアノで曲をつくったとかではなく、ヴェネチアビエンナーレという世界的な場での展示なので、世界中のフィールドレコーディングされたものや、地理の教科書から取られたシンプルで普遍的な問いが読み上げられるサウンドディレクション/デザインを行なっていました。

    使っている機器や技術を新しいものにアップデートしつつ、集団のメンバーも新陳代謝を行なって作品がつくられているので、DUMB TYPEというイメージは共通のまま新しいDUMB TYPEになっているという印象があります。

    今回の作品は、レーザーや超指向性スピーカーなどを使って、真っ暗な空間のなかで、掴み取れそうで掴み取れないような存在感がありながらも、一部は気配を作り出すような繊細さもあり、想像力や読解力のようなものを問われているような展示でした。

    会場が暗いという理由だけでなく、それぞれの機器が機械としての存在感があまりないようなものを選択されているのか、作品への没入感が強く、超指向性のスピーカーが突然近くに存在があらわれるようなインスタレーションの強さがありました。体感しないと分からない部分が大きく、これがDUMB TYPEの作品だなと感じました。

    MOVIE

    引用:The Japan Foundation国際交流基金
    第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示
    ダムタイプ《2022》報告会
    引用:VernissageTV
    360°: Dumb Type / Pavilion of Japan
    at Venice Art Biennale 2022

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    BOOK

    INFO

    DUMB TYPE「2022: remap」

    会場:アーティゾン美術館
    会期: 2023年2月25日(土)~5月14日(日)
    開館時間:10:00–18:00(5月5日を除く金曜日は20:00まで)
    休館日:月

    WEB:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/

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  • 泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」- オペラシティ アートギャラリー

    泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」- オペラシティ アートギャラリー

    泉太郎さんの「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」をオペラシティ アートギャラリーで観てきました。

    はじめに、この展覧会は体験する要素が多いので、行く予定の方はそっとブラウザを閉じていただいた方がいいかもしれないです。

    また、VR作品があるのですが、3時間待ちだったので、観ていません。全て見られる方は、朝一で行かれた方がいいかもしれません。

    展覧会に入ると、荷物をロッカーに入れるように言われるのですが、すでに荷物が入っていて、どうやらそれを着て観てください。とのことでした。

    袋をあけるとマント?が入っていたので、それの白い方を着て展示室へ。(子供用のマントもありました。写真は子供用です。)

    展示室にはいると、QRコードを読み込み、そこで17分程度の展覧会を観るルールとそれは出来ないなぁと拒否する会話を聞きます。また、この会話の中に展覧会のヒントのようなものが散りばめられています。(ヒントといっても答えがあるわけではないのですが)

    その曖昧でわからないルールと、展覧会のヒントと、壁に書かれた曖昧でわからない説明を手掛かりに展覧会をみることになります。

    さらに進むと、ずれたカーペット、倒れたような壁、ON/OFF、ひっくり返って点いているのかわからないモニタ、過去の展覧会の要素なのか?縮小版なのか?、落ちた宇宙船のようなVRを観るための作品、米と犬とポップコーン・・・。

    もはや何もわからない中、手探りで観ていると突然マントを脱ぐ指示と棒を取り墓を立てろという指示。

    次の展示室に入るとテントがたくさん立った部屋が現れて、墓がテントで・・・。マントを裏に返し、古墳の石室のテントを開いているスペースに作り、このテントの中でゆっくりして寝転んでもいい。

    部屋の奥には先ほどの宇宙船のようなVRの作品を観るための予約受付と、事務的な予約の呼び出し。

    (3時間待ちだったのでVR作品は見られず)

    待ち時間をテントの中でゆっくりと待つことができる。このテントの数だけの人間がこの中にいると思うと(実際は全部にはいないけれど)かなり人が密集している。

    けれどもテントの中にいるので、どれだけの人がいるかわからないため、思った以上にリラックスできる。これは美術館なんだろうか。そのまま展覧会が終了します。

    これが再野生化なんだろうか。とにかく体験しないとわからない気がしました。体験しても何をしているのかわからないのですが、それが良かったです。

    わからないということが作品であるような気がします。現代アートとなると、分かる人/分からない人で分けられてしまう部分が多少なりともあると思うのですが、分からないを作品にすることで鑑賞の体験を均等にしています。

    これが色々なものを曖昧に案内している泉太郎さんの意図かどうかはわかりませんが、分からないという体験、おそらく分からないままでいい、分かってみようかな?と考えるという面白さがあると思いました。VRが全員みれないのは意図だと思いますし、それもまた曖昧さだと思います。

    追記:会期後半に公開されたインタビューが面白かったので、追加しておきます。
    TOKYO ART BEAT「【対談】泉太郎×武田宙也「わからなさについてのプロセス」という永久機関。「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」展の謎を語り合う」

    MOVIE

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    BOOK

    INFO

    泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」

    会場:オペラシティ アートギャラリー
    会期: 2023年1月18日(水)〜 3月26日(日)
    開館時間:11:00 – 19:00
    休館日:月、2月12日(全館休館日)

    WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh258/

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  • 加藤泉「寄生するプラモデル」- ワタリウム美術館

    加藤泉「寄生するプラモデル」- ワタリウム美術館

    加藤泉さんの「寄生するプラモデル」をワタリウム美術館で観てきました。

    加藤泉さんは、昔は比較的ペインティングが多いような印象でしたが、最近は木や石などの自然の素材を使った立体が多くなっている印象でした。

    ところが、今回はさらに人工物であるプラモデルを使って作品を作っていました。とはいえ、昔から色々な場所でカラーリングが違うソフビの作品を売っていたり、シャンプーボトルの作品もやっていて、そのようなものが作品に取り込まれていたこともあるので、プラモデルも自然に作品に取り込まれていました。

    ただプラモデルと言ってもロボットとか車とか戦車ではなく、それどこに売ってるの?というような、動物や昆虫や魚のプラモデルでした。

    ステイトメントを見るとどうやら、ヤフオクやeBayで買った昔のプラモデルらしいのですが、それを見つけている時点で流石です。

    展覧会の最初の方の作品は、石にペインティングをした加藤泉さんのいつもの精霊のような何かを、作品にしているものとプラモデルが並んで組み合わさって作品になっていました。

    木彫の大きい作品などと、プラモデルがいくつも組み合わさっている作品などはもはやジオラマのようなプラモデルとの一体感があるように感じました。

    プラモデルとの組み合わせの面白さを観ていく展覧会のようにも見えたのですが、それだけではなかったです。

    最終的には、石の作品がそのままプラモデルになって組み立てられるというものが展示されていました。パッケージまで完璧にできているので、販売しているかのようなクオリティー。

    組立説明書もあるし、ポスターのようなものもあって、プラモデルを組み立ててデカールを貼ると完全に作品となるようです。

    しかし、これはいざ売ってたとして、買っても大切にして組み立てられないかもしれない。

    プラモデルと合わさった作品から、プラモデルが作品になるまで、なめらかに物語がつながっていて、とても面白い展覧会でした。

    外には、大きい石の作品がワタリウム美術館の道を渡った向かいにあるので、それも必見です。

    MOVIE

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    加藤泉一寄生するプラモデル

    会場:ワタリウム美術館
    会期:2022年11月6日(日)〜 2023年3月12日(日)
    休館日:月曜日(1/9は開館)、12/31-1/3
    開館時間:11時 – 19時

    WEB:http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202211/

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  • 大竹伸朗「大竹伸朗展」- 国立近代美術館

    大竹伸朗「大竹伸朗展」- 国立近代美術館

    大竹伸朗:宇和島駅

    大竹伸朗さんの「大竹伸朗展」を観に国立近代美術館に行ってきました。

    大竹伸朗さんの伝説の展覧会「全景」展から16年ぶりの回顧展で、楽しみに行ってきました。500点というとても大量の作品数ですが、以前の全景と比べると(比べる意味はないけど)流石に少なく感じましたが、それでもすごいボリュームの展覧会です。

    「全景」展の時と同じく、今回も入口で宇和島駅が迎えてくれます。そして「Documenta 13」で展示されたモンシェリーを筆頭に、大きな作品も多数展示され、「ヴェネチア・ビエンナーレ」と同じようにスクラップブックも全て展示されています。キーとなる展示を引用しつつ、平面も立体もあり、圧倒的なエネルギーや時間を感じることになります。(かつて行ったDocumenta13の記事はこちら。

    大竹伸朗:モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像

    今回の展覧会は、作品が時系列に並べられるのではなく、「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」という、7つのテーマに分類されています。分類は一応されていますが、テーマが重なったり横断することもあり、混ざり合って展示されています。

    水戸芸術館で開催されたビル景などを例にしてもわかるように、1つのテーマでも美術館をいっぱいにできる作品数があるはず。なので、まだまだもっとたくさん観たいという気持ちになります。

    作品の大きさだけみてもモンシェリーは美術館の天井に突き刺さっているし、その他の作品も天井ギリギリまでの作品も多く、一般的な美術館という空間には収まり切らないスケールの作品ももっとあるのでは?と思わせられました。

    そういう意味では、直島のような野外であったり、建物ごと作品のような、自由にひらけた環境の方が大竹さんにはあっているのかもしれないと思ったりもします。

    現代美術だとコンテクストが複雑なものもある中で、大竹さんの作品はもっと直感的または原始的とも言えるようなものが多いように思います。

    それはテーマになっているものからもわかると思いますが、時間や記憶や音などのような、誰にでもあるようなものを堆積させて作品にというところか、作品を直感的にしているようにも思えました。

    大竹伸朗さんの作品は、コラージュやアッサンブラージュがされているものも多く、それがサンプリングやリミックスのように、切り取られ、編集され、貼り付けられ、使われていくという部分を核に観ていくと作品の導入として良いかもしれません。

    スクラップブックが、その傾向が最も分かりやすいと思います。コラージュなどが圧倒的な、量、時間、堆積となり作品を構成しています。

    もちろん、それだけではなく、ドローイングのようなものや、版画や、コラージュを剥がした痕跡のような作品など、積み重ねていくだけではないシンプルな作品もあり、作品の種類は多岐にわたります。

    ニューシャネルも、ただそこにあったドアを切り取り使い方/見せ方を変える事で新たな作品としてしまうなど、サンプリングと近い手法にも感じます。

    このニューシャネルからさらに発展させて大竹文字と言われるフォントまで展開させていくこともまた、リミックスの発想に近い手法に感じます。

    日本景、ぬりどき日本列島などのシリーズもサンプリング的な手法ですし、様々な部分から何気ないものを作品として変化させられる審美眼のようなものを感じます。

    ダブ平の名前の元になっているDUBという音楽もそんなサンプリングやリミックスを中心とした音の加工も含めた手法。音楽も作品としている大竹伸朗さんらしい手法とも思えます。

    一見まるでゴミのような素材を、その選択眼・審美眼により見極め堆積させ・混ぜ合わせ、新たな作品を生み出していく、そこに尋常ではないエネルギーが詰まっていることが感じ取れます。

    圧倒的なボリューム、スケール、時間、堆積、などなど、そこにあるものを受け取るだけでも作品が成立するので、難しいことを考えずに身を任せて観られる展覧会です。誰にでもオススメです。まずは、そのエネルギーを感じてください。

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    大竹伸朗展

    会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー、2Fギャラリー4
    会期:2022年11月1日(火)~2023年2月5日(日)
    休館日:月曜日(ただし1月2日、9日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月10日(火)
    開館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)
    *入館は閉館30分前まで

    公式WEB:https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/
    東京国立近代美術館WEB:https://www.momat.go.jp/am/exhibition/shinro-ohtake/

    巡回展: 
    愛媛県美術館 2023年5月3日(水・祝)―7月2日(日)
    富山県美術館 2023年8月5日(土)―9月18日(月・祝) [仮]

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  • 金氏徹平「S.F (Something Falling/Floating)」- 市原湖畔美術館

    金氏徹平「S.F (Something Falling/Floating)」- 市原湖畔美術館

    金氏徹平さんの「S.F. (Something Falling/Floating)」- 市原湖畔美術館に行ってきました。

    金氏徹平さんの久々の美術館での個展なので、市原湖畔美術館まで行ってきました。S.F.シリーズの最新展覧会で、今回は(Something Falling/Floating)です。金氏さんといえば、コラージュ的作品が多いですが、展覧会タイトルですら、組み合わせです。

    昔に比べコラージュ対象自体がサンプリングされてサイズが変更されているので、作品が大きくダイナミックです。

    平面や、半平面が多い時期もあった気もするけど、今回は立体が多かったです。

    作品自体はモノトーンのものが増えていて、ほとんどの作品が灰色ですが、展示空間が全体的にライティングされていて、色が変わり続ける、カラフルな展示でした。

    色が変わり続けることで、作品がいつもの作品のようにカラフルになるのですが、色が変化するのでダイナミックに作品が変化しているとも言える感じになっていました。

    色が常に変化していくことやダイナミックな感じは大地の芸術祭でみた「SF (Summer Fiction)」に通じるものがありました。

    大地の芸術祭ではそこにあったトラクターとか除雪車のようなものがコラージュされていたのに対して、今回はいつもの作品に近い印象です。

    TOWERのようにどこかで何かが起きて変化しているように、常に表情が変わり続けるので、いくらでも観ていられます。

    作品ダイナミックになっていっているので、美術館なんかの大きな空間ならでわの作品があって良かったです。

    MOVIE

    引用:市原湖畔美術館
    引用:アイエム[インターネットミュージアム]

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    金氏徹平「S.F. (Something Falling/Floating)」

    会場:市原湖畔美術館
    会期:2022年4月16日(土)- 6月26日(日)
    休館日:月

    WEB:https://lsm-ichihara.jp/exhibition/金氏徹平sf/

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  • チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム森」- 金沢21世紀美術館

    チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム森」- 金沢21世紀美術館

    チェルフィッチュ × 金氏徹平さんの「消しゴム森」を金沢21世紀美術館に観に行きました。

    チェルフィッチュ × 金氏徹平さんの、消しゴムシリーズの美術館版となる「消しゴム森」です。

    消しゴムシリーズでやっていることは、おそらくその演劇に出てくる役者や舞台美術などのすべてのものを等価に捉え、人がものを使うのではなく、ものが人を使うようなことが起こる。

    そんな関係性を曖昧に新しくしていく演劇だと思われます。そこは、美術館のWEBページを見ると書かれています。

    「消しゴム山」でやっていた劇場という空間の制限や、役者と観客という関係すら曖昧にしてしまう。それが美術館版の「消しゴム森」だと思いました。

    美術館のいくつかの展示室があるので、何も起きていない空間や、何かが起きている空間、何かが起きているかもしれない空間など、曖昧に存在し、それらを自由に行き来することができる。

    展示室を見ているとある時突然パフォーマンスをしていたりすることがありました。パフォーマンスといっても、役者が何かをしていることもあるし、していないような場合も。

    または、役者が映像として空間にものと並列に設置されパフォーマンスをしている場合などもありました。

    そして、役者はものを移動させ、常に様々なものが曖昧に変化していく。そのような空間の中では、観客すら、自ら移動するものであり、役者として演じさせられているとも言えるようでした。

    いくら状況を説明しても、一体何が起きているのか分かりづらく、体験してみないと説明はできないと思ってしまいます。

    そんなですが、こちらのページで360°の動画がこちらで体験できます(現時点では無料公開されていました)。これもまた実際の体験とは違った体験ですが、雰囲気の一端がわかるのではないかなと思います。

    観客のための演劇や作品ではなく、新たな関係性を見つけるような作品でした。おそらく消しゴムシリーズをいくつか体験することによち、消しゴムシリーズの見方のようなものが新たに見つかっていくように思いました。

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    BOOK

    INFO

    チェルフィッチュ × 金氏徹平「消しゴム森」

    会場:金沢21世紀美術館
    会期:2022年2月7日(金)〜2月16日(日)
    開館時間:11:00 – 17:00
    ライブパフォーマンス:11:00〜16:00

    WEB:https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=45&d=1778

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  • DUMB TYPE「Actions + Reflections」- 東京都現代美術館

    DUMB TYPE「Actions + Reflections」- 東京都現代美術館

    DUMB TYPEの「Actions + Reflections」を東京都現代美術館で観てきました。

    結成35周年にあたる2019年に開催する本展は、2018年にフランスのポンピドゥー・センター・メッス分館において開催された個展(キュレーション 長谷川祐子)の作品群や新作にパフォーマンスアーカイブなどを加え、よりバージョンアップした内容となります。

    ー中略ー

    本展は、大型インスタレーションによって構成される大規模個展であるとともに、古橋悌二の没後も独自のスタイルで若手アーティストに大きな影響を与える高谷史郎や池田亮司らに加え、若いメンバーを得て活動を続けるダムタイプの、まさに「ダムタイプ- タイプ」といえる卓越したあり方を包括的にみせる試みです。

    引用:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/dumb-type-actions-reflections/

    それぞれの展示作品については、東京都現代美術館の展覧会のページに詳しく書かれていたので、それを見るのがもっともわかりやすいと思われます。

    入ってすぐのところに展示されていた、様々な展覧会でのセッティング図のようなものが物語るように、メディアアートとされるものでは、機材とそのセッティングも作品の重要な要素になります。

    美しく描かれたセッティング図は、ダムタイプの展示の美しさ、静けさ、力強さが表されているようで、ここが根幹にあるということを言っているような展覧会のスタートでした。

    そこから「Playback」、新作の「TRACE/REACT II」へと続きます。会期前半は「TRACE/REACT II」ではなく、「LOVERS」が展示されていたということですが、こちらも観てみたかった。

    その次に超巨大LEDパネルの「MEMORANDUM OR VOYAGE」の展示に。 ダムタイプの過去3作品「OR」、「memorandum」、「Voyage」から印象的/象徴的なシーンをピックアップし、さらに新しく撮影した映像素材を組み合わせて再編集して一つのビデオインスタレーションにした作品。

    最後は、「LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE」と「pH」を合わせた部屋に。

    どの作品にも共通して言えることだと思うのですが、メディアアートなので、テクノロジーが重要だと思うのですが、ただ単純に最新のギジュを使った作品です。というわけではなく、「LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE」に象徴されるような背景に共通するテーマをもち、「ダム※(セリフの排除)」という手法で、装置、映像、音、これらに反応するパフォーマーの生の身体によって作品を構成されています。(※ダム dumb [英] :間抜け、ばかげた、口をきこうとしない、の意)

    すぐに答えにたどり着くような表現ではなく、問いを提示しながら、身体を包み込むような作品がメディアアートでしか表現できないものになっていて強度がある表現でした。

    MOVIE

    引用:Museum of Contemporary Art Tokyo
    ダムタイプ|アクション+リフレクション Dumb Type | Actions + Reflections
    引用:Epidemic Video
    Dumb Type – MEMORANDUM OR VOYAGE

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  • トム・サックス「ティーセレモニー」- オペラシティアートギャラリー

    トム・サックス「ティーセレモニー」- オペラシティアートギャラリー

    トム・サックスさんの「ティーセレモニー」をオペラシティアートギャラリーで観てきました。

    DIY的な材料や方法を使いながら、作品を作っていくトムサックスの、茶道に焦点をあてた展覧会です。

    2016年にニューヨークのイサム・ノグチ美術館での展覧会「トム・サックス ティーセレモニー」がその起源である日本でついに開催という位置付けです。

    まずは、トムサックスによるお茶会のレクチャー動画を見ます。これを見ればおおよそ全てのことがわかるのではないかと思われます。茶道を学びそこから、トムサックス流に解釈しお茶会を行うというレクチャーによりこの展覧会の成り立ちが説明されているようでした。

    逆にいえば、このセレモニーを行うために展覧会があるようにも思えます。

    今回の展覧会は、オペラシティアートギャラリー自体が一つの庭としてつくらてれいます。

    本展の作品は体感型の空間として、庭(「内露地」「外露地」)、手作りの合板の茶室、ボーイング747機の設備をより機能的にしたトイレユニット(「雪隠」)、鯉が泳ぐ美しい佇まいの池、そして様々な門によって構成されます。

    引用:https://www.operacity.jp/ag/exh220/j/exh.php

    庭に入る前に、レクチャー動画内で出てきたそれぞれがNASAやDIY的な、トムサックス的な装飾を施されつつも本来の機能は維持している、トムサックス流の茶道の道具(茶碗や釜、柄杓、掛軸、花入れ)が再現され並んでいました。

    庭の前に置かれたイサム・ノグチの彫刻は、ダンボールで作られた作品で、本物を置けない代わりにつくられたようですが、ここで再現されたことで全てが再現であるという象徴としても機能しているように思えました。

    庭には、本物の鯉が泳いでいる池、松の葉がマッチ棒などで再現されている盆栽、五重塔、茶室までが再現され、完全なお茶会が可能な環境がそろっていました。実際にオープニングではトムサックスによるティーセレモニーが行われたようでした。

    再現といっても、トムサックス流のDIY感ある造形とNASAなどのテクノロジーを感じさせ、すこしだけシニカルで面白いな部分があるような作りでした。

    それらも茶道としては見立て的にも見え、千利休的にも思えます。また、どこかそれらに侘び寂びを感じる部分もありました。

    展覧会を見るというよりも、ところどころにある、見立てや面白さのようなものを感じつつ、侘び寂びの効いたどこかの日本庭園を散歩するような気分で展覧会を見ました。

    展覧会のタイトルが「ティーセレモニー」ですが、まさにトムサックス流のティーセレモニーがどういうものかを体験/理解するための展覧会だったと思えました。

    MOVIE

    TOM SACHS: TEA CEREMONY

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    トム・サックス「ティーセレモニー」

    会場:オペラシティアートギャラリー
    会期: 2019年4月20日(土) 〜6月23日(日)
    開館時間:11:00-19:00
    定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜日、ただし4月30日は開館)

    WEB:https://www.operacity.jp/ag/exh220/

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  • 五木田智央「PEEKABOO」- オペラシティアートギャラリー

    五木田智央「PEEKABOO」- オペラシティアートギャラリー

    五木田智央さんの「PEEKABOO」を東京オペラシティアートギャラリーで観てきました。

    五木田さんと言えば、最初はイラストレーターとして活躍されていた方ですが、現在ではNYのMary Boone Galleryでの個展が即日完売したり、日本ではTaka Ishii Galleryで扱われるような画家として勢いに乗っている方です。

    アーティストのKAWSや、バスキアの作品を落札した、前澤友作さんの所有している作品も出品されていました。(ちなみに上のHow to Marry a Millionaireという作品はKAWS所有、左は前澤さん所有のLady dada)

    誰がもっているとか、それほど重要なことではないですが、アート作品をもって自分も楽しむ想像をしたり、コレクションについて考えるというのも良いと思います。

    昔は、色のついた作品も作っていたようなのですが、五木田さんと言えば今はモノクロームのイメージで、今回の展覧会も全てモノクロームの作品でした。展示作品の半分は旧作で半分は新作、あとはおまけがある感じでした。

    前半の過去の作品はグラデーションや様々なタイプの筆致がみれたり、作品の書き込みを意図的に減らしたりするバランスが絶妙で素晴らしかったりします。

    また、特に顔などの書き込みが減らされていたりすると、そこに想像する余地があったりして面白いです。

    しかし、後半の最近の作品になると粗めのタッチかつ顔などの書き込みもあったりして、レトロなモノクロ写真を見ているかのような作品が多くなっていて、なんというか、多少コミカルな雰囲気さえあるような作品が増えていました。

    詳しくはわからないけれども、昔のアメリカの独特な雰囲気が詰め込まれた絵画であり、雑誌の切り抜き写真のようでもありました。どうやらそういう雑誌からサンプリングされているようです。

    またアメリカ的なモチーフというか、メキシコ的なモチーフというか、みたいなものも多く、さらにはプロレスをモチーフにしたものも多くあります。

    小さいものを集めて一つの作品にしたようなものや、一つのシリーズにしたようなものもありました。

    水彩の滲みのテストのようなものや、小さいドローイングやペインティングをまとめて一つの巨大な作品にしたようなもの、レコードのジャケットのようなプロレスラーのドローイングなど。様々なものがありました。

    モノクロだけの作品なのに、五木田さんのキャラクターが色濃く出たような作品がたくさんあってとても良い展覧会でした。

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  • 奈良美智「for better or worse」- 豊田市美術館

    奈良美智「for better or worse」- 豊田市美術館

    奈良美智さんの「for better or worse」を豊田市美術館で観てきました。

    奈良さんの今までの流れをすべて汲んだような、総決算的な展覧会だったように思えました。その昔横浜美術館で見た時の印象が強く、その後も展覧会ではないけども作品は単品で観てきましたが、今回の展覧会はすごく静かな雰囲気だったように思いました。

    それも、事前に村上隆さんの展覧会についての投稿を読んでしまったから、かもしれないし、そうでないかもしれない。または、ブラッドサースティブッチャーズの吉村さんに向けたものがいくつかあったというころでそう思ったのかもしれない。とにかくPOPにキャッチーなという横浜で感じたそういう部分よりも、奈良さんの今までの流れとそして現在とても静かだけども力強い作品になるまでの過程を見たような気がしました。

    豊田市は写真の撮影は禁止だけれども、奈良さんのインスタグラムに画像や動画が投稿されていたりするので、気になる方はインスタグラムをチェックするといいと思います。

    あと、今回すごく思ったのはとにかく展示が上手い。作品点数がそれほど多くないとはいえ、大きな作品もたくさんあるし、すごいボリュームがある。展示が上手くて、物語を見るように行間でも楽しめるようなそういう展示ですごいなと思いました。自分のバックボーンとなる部分の導入から、初期の無邪気でいたずらっぽさのある雰囲気から、いろいろなことを考えたり、いろいろなところで火がついたり、いろいろな共同作業をしたり、そこから少しづつ静かな大人になっていくような物語のような。最終的に肖像画のような作品ばかりになって目の力と少しの表情だけで多くのことを伝えるようになる今まで。とにかくいい展示でした。

    現在の奈良さんまでの回顧展のような展覧会なので、必見だと思います。(とはいえ、実は総決算と思いつつ、最近の奈良さんの陶芸とかの面は出てない気がするんだけど、それはそれで、物語が完成してたから、総決算的であることは間違いと思います。)

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  • 遠藤利克 展「聖性の考古学」- 埼玉県立近代美術館

    遠藤利克 展「聖性の考古学」- 埼玉県立近代美術館

    遠藤利克さんの「聖性の考古学」を埼玉県立近代美術館で観てきました。

    とにかく作品が大きいと感じるサイズに作ってあり、それが所狭しと美術館の中に窮屈にと言っていいほど詰め込まれているので、圧倒感があります。そして、火や水や木という人間の中で原始的に近い部分を利用して作品を作っているので、それ自体の強度も作品がまとっていてより圧倒感を出していると思いました。

    作品がもの派の物語を排除しものの関係性から作品を作ったことに対して、物語の復権ということを考えているようなので、それぞれの作品のモチーフや作りというものも、大きな意味での物語に属して想像できるようなものとなっているように感じました。とにかく大きさを含めて体感することでわかるという作品なので、見に行かなければ始まらないという感じの展覧会でした。

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  • 大巻伸嗣「YCC Temporary」- YCCヨコハマ創造都市センター

    大巻伸嗣「YCC Temporary」- YCCヨコハマ創造都市センター

    YCC Temporary 大巻伸嗣をYCCヨコハマ創造都市センターで観てきました。

    ヨコハマの歴史とヨコハマの地図と建物の記憶を混ぜたような展示。白く書かれた大きな地図がさすが大巻さんだなという繊細さとダイナミックさを持っていてそれだけでも成り立ってしまいそうなクオリティーでした。時間のサイクルと歴史のサイクルを意識したという15分ののループするインスタレーションでおもしろかったです。

    大巻さんの作品で煙やシャボン玉を使ったものや、こういう地面に絵を描いても変化をさせていくようなものとかもあるので、そういう変化が起きるという意味ではそのループのサイクルも変化にも思えるし、横の赤い窓の中の絵や、全体が赤くなる瞬間など、戦争や地震という災害にサイクルがあるようにも思えるそういうテーマの作品で、読み込んでいくといろいろなコンテクストがあるような作品でした。

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  • 青森県立美術館

    青森県立美術館

    青木淳さん設計の青森県立美術館を観てきました。

    青森で土地が余っているのか、かなり巨大な美術館で展示空間も超巨大なものがあって、これほど大きな作品を作るのは日本人ではあまりいないだろうなと思うし、海外からこれほど大きな作品をもってくることもなかなかできなさそうなので、この空間を生かすのは大変そうだなと思ったり。

    半分地下に埋まったような作りで、その地層がところどころ見えているような作りが、近くにある遺跡を思わせる作りになっているのは良いです。ただ、なぜレンガのようなファサードでそのレンガをわざわざ白く塗っているのかはわからなかったなぁ。10年たったので結構メンテナンスが大変そうな感じになっていました。

    コレクションは奈良美智さんの作品が1/3くらいを占めていた印象で、あと棟方志功の部屋みたいなのがありました。さらにシャガールのバレエ「アレコ」舞台背景画というのが超巨大空間を埋めていてこれのためにこの地下に埋まった天井高のある空間があるんだなという感じでした。あとは、野外作品に奈良さんの作品が2つあってあおもり犬は人気でした。あと、コレクション展のところにあった立石大河亞さんの立体もなかなかおもしろかったな。

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  • ラブラブショー2 – 青森県立美術館

    ラブラブショー2 – 青森県立美術館

    ラブラブショー2を青森県立美術館で観てきました。

    コンセプトが近かったり、合わせてみると面白いというような作品を、同じ空間に置いてそこから新たなコンテクストを読み解くような展示でした。

    コラボレーションという形というよりは、同じ空間に置いてあるという感じで、一緒に作品を作るという感じとはちょっと違ってるかなという感じでしたが、それはそれで面白い見方もできたりしてよかったです。また、青森県立美術館の建築としての面白さは遺跡のような地中に入っているような空間や、その中に現れる超巨大空間かと思うのですが、岡本光博さん(美術家)× 青秀祐さん(美術家)の部屋は巨大な作品が超巨大空間にあって、空間が生かせていて面白かったです。

    東京の飛び地も余裕があれば観に行きたい気もするがって思ったら、もう終わっていた。笑

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  • 十和田市現代美術館 と その周辺

    十和田市現代美術館 と その周辺

    西沢立衛さん設計の十和田市現代美術館を観てきました。

    小さい箱が通路で繋がっているというのは西沢さんらしいというか、SANAAらしいというか、21世紀美術館は美術館内部に入るにはどこからでも入れるけど、展示室には入れないように区切られている感じでしたが、十和田市美術館に関しては箱がバラバラに置いてあるが。その通路のなかには入れないことで展示室に入れないという感じでした。どちらもSANAAの建築で見る方法ですが、こっちの方が集合住宅的な手法でつくられている感じでした。

    草間彌生さんを筆頭にアート広場には大きめの野外作品が置いてあって、結構日本では見ない規模の野外作品だったので、結構すごいなという印象ですね。あと、残念ながら常設の方は写真不可なんだけど、やはりロン・ミュエクは一見の価値ありですね。目を合わせると合うんですよね。リアルすぎて。今なら進撃の巨人ってこんな感じかと思ったり。あとは、ジム・ランビーとかスゥ・ドーホーとか結構好きな作品もありました。

    アート広場はあるけど、建築自体が小さいところをみると土地はあったけど、予算が・・・という感じなのかもしれませんが、やっぱりもうちょっと大きな美術館だといいのになーと思いました。企画展のスペースが小さすぎる気がするんですよね。常設が3/4くらいある感じだし。

    とはいえ、美術館はそんな感じだけれども、十和田市はそれだけじゃないのがすごいですね。十和田市民図書館が安藤忠雄さんの建築なのです。中は安藤さんには珍しく木で暖かい感じにできていて採光も多くて明るい図書館でした。しかし、安藤忠雄部屋みたいなところもあって、そこはいかにも安藤さんだなという部屋でおもしろかったです。

    そして、さらにあるんです。隈研吾さんが作った市民交流プラザ、トワーレがあります。歩いて行ける範囲で安藤建築・隈建築・西沢建築がみられる場所って日本でも表参道か十和田市かって感じなんじゃないんだろうか?しかも表参道よりもこちらの方が作家性が出てて面白いです。そんな隈研吾さんは最近の感じの木を使った建築です。

    中は子供達が遊べる空間があったり、休憩することができる空間があったり市民交流プラザとして、人気でしっかり使われている感じがよかったですね。内側も木を使っていて綺麗にできててさすが隈さんだなぁという感じ。予算をかけずに見た目良くって感じで作ってそうだけど上手だなぁーという印象でした。

    十和田市はもちろん美術館の内容とか展示とか展覧会とかが中心で来る機会となったんだけど、こんなに建築的にも面白いところでいいなぁーと思いました。コンパクトながらに面白いものが集まっていました。センスがいいなぁ。

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  • 村上隆のスーパーフラット現代陶芸考 – 十和田市現代美術館

    村上隆のスーパーフラット現代陶芸考 – 十和田市現代美術館

    村上隆さんの「村上隆のスーパーフラット現代陶芸考」を十和田市現代美術館で観てきました。

    最近村上さんがFacebookなどでいろいろ投稿している現代陶芸の展覧会です。村上さん自身が現代陶芸のコレクターであるので、そのコレクション展であるのですが、村上さんは日本の現代陶芸と現代美術の共通点やその文脈から芸術を問い直すようなことをしていて、それの展覧会という形です。

    ステイトメントやコンテクストのようなものは村上さんのFacebookの2017年の前半くらいを見るといろいろ書いてあったりするので、その辺りを観ていただければと思いますが、陶芸の世界は日本の芸術の縮図でもあり、現代生活陶芸も現在外に活路を見出す時期に来ているのではないか?しかし、そんななかいつもの日本的な考え方でまた悪い方向に向かっているのではないか?というようなものであると思います。それを村上さんとしては打破して新たな芸術の道を進んでいこうとしていると思うのですが、それらのなかで重要となってくる作品の展示という感じでした。

    大谷工作室さんの巨大な作品から、奈良美智さんのような現代アートから来ている陶芸や、桑田卓郎さんのような陶芸の新たな一歩を進んでいるようなもの、また逆に普通の皿や壺のようなものまで所狭しと並べられていて、村上さんの話に出てくる作品を直に観るような機会になりました。

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  • カールステン・ニコライ「パララックス」- 市原湖畔美術館

    カールステン・ニコライ「パララックス」- 市原湖畔美術館

    カールステン・ニコライさんの「パララックス」を市原湖畔美術館で観てきました。

    展覧会自体はあまり大規模というほどでもなかったのですが、最初のunidisplayの作品はいくつものパターンを流したりするので、ボリューム的に少ないとはそれほど感じませんでした。結構湖畔美術館は空間が変な形で使いづらそうなのに、空間の使い方が上手いなーという部屋にあったそれぞれの展示でおもしろかったです。模様やパターンが少しづつ変化しながらサウンドを生成するような巨大なunidisplayは見飽きないで見続けられる映像で、映像美という言葉はまた違う気もしますが、こういうのも映像美としか言えない気がします。

    強いて言えば、映像はかなりしっかりと大きく出力されていたのに対して、音が思ったよりも小さめでもうちょと大きめな良いサウンドシステムで音を出したら面白いのになと思ったりしましたが、まあ、それぞれの作品の音声が干渉しあわないバランスをとるとあれくらいなのかもしれません。unidisplayとかは爆音で聴きたかったですね。

    今まであった路線バスがなくなり、最寄りの駅からはタクシー利用か丘を1つ越える20分コースの歩きしかないし、その最寄駅までも電車が1時間に1本あるかないかという非常に過酷な場所でやっていますが、見に行った甲斐はあったなと思いました。とはいえ、もうちょっとどうにかならないものかと思いますが・・・。苦笑

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  • 藤森照信展「自然を生かした建築と路上観察」- 水戸芸術館

    藤森照信展「自然を生かした建築と路上観察」- 水戸芸術館

    藤森照信さんの「自然を生かした建築と路上観察」を水戸芸術館で観てきました。

    藤森建築だなーというものが主に写真で展示されていて、そのほかにもスケッチや模型というよりはジオラマのようなものもあったりして、藤森さんが建築建築した建築家ではなく建築史家が少し建築をつくってますよという感じがわかるとも言えるような気がします。

    なので、あまり超巨大な建築は作ってないと思いますが、とはいえ、壁の加工や銅のトタンのようなものを手作りしたり、屋根を緑化したりそういうのの処理はたいへんですし、そういうところは、藤森建築の特徴だし単なる建築史家だけじゃなく建築家だと言えると思います。

    とはいえ、展示の1/3くらいはたねやに支配されていたというか、協賛なので仕方ないと言えるとは思いますが、とはいえ、結構たねやの印象が強かったです。まあ、もちろんその建築は藤森建築の代表作といえるのですが。

    あとは、やはり茶室ですね。藤森さんといえば茶室の印象が強くて、もちろん高杉庵とか、空飛ぶ泥舟とか(これは実際入った、茶室として面白いけど、人数制限あり。笑)、そういうのの印象が結構あります。

    最後は通常現代美術の展示をやっているところで、路上観察の展示をやっているという最後まで藤森照信さんだなという展覧会で終わっていました。5/7に磯崎新さんとのトークショーがあるようで予定があって行けなかったですが、聞きたかったー。

    併設のカフェの作りは藤森さんなのかな?フリードリンクで結構ゆっくりしてしまった。本が読めるようになってるんだけども、ラインナップも良かった。

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  • 「片山正通的百科全書」- オペラシティアートギャラリー

    「片山正通的百科全書」- オペラシティアートギャラリー

    片山正道さんのコレクション展「片山正通的百科全書」をオペラシティ アートギャラリーで観てきました。

    所狭しと並べられたコレクションが大量で、今までオペラシティアートギャラリーで観た展覧会の中でもっとも壁が多く、細かい通路が多く、小部屋が多く作品点数が多かったのではないかなと思いました。

    コレクション展なので、特に強いキュレーションがあるわけでもないので、羨ましいなーと観ていく感じなのですが、こういうコレクション展の中では一番好みがあうというか、有名な物好きというか。苦笑。

    村上隆さんのコレクションは別格でもはや美術館クラスだなと思ったのですが、これはコレクションという感じがしつつ、海外のものも交えて有名な作品がほとんどを占めているあたりが観やすくて良かったです。

    特にこのAdrian Ghenieと五木田智央さんの部屋とかは、五木田さん好きもありますが、Adrian Ghenieを初めて実物でみたのでもっといろいろ観てみたいなと思わされました。(できればアクリルなしで。笑)

    KAWSとは友達のようで、限定のTシャツとかSHOPで売っているほどでしたし、コレクションもたくさんありました。

    他にサイモンフジワラとライアンガンダーのコレクションもいっぱいありましたが、説明をできれば何かに詳しく書いておいてくれると嬉しかったり、サイモンフジワラさんのは特に映像がなくてあんまりわからないなーっていう感じだったりだったので、流し観的な感じになりましたが、たくさん持っていました。

    意外だったのが、村上隆さんのまだスーパーフラット以前と思われる作品がいくつかあったりして、こういうのが観れたのは面白いなと思いました。(写真の青い作品がそう。よく見るとDate Paintingで日付が膨らんでいる。写真では全然わかりません)

    ほとんど海外作家というわけでもなくて、若手もちょこっとあったり、大竹伸朗さんとかもあったり、松江泰治さんがあったり、日本人作家も結構ありました。

    とにかく、お金もちでオシャレなアートがいっぱいあります。みたいな感じで、自由に買っている感じがして羨ましいなーと思うと同時に、自分も何も考えないで買うとこれのショボい版になるだろうという危機感が。

    いいと思う作品をある程度何でも買えれば、それはいいコレクションになりそうですが、自由に買えないとなると、もっとどういうコレクションにしたいか考えたりしないとな。なんて思ったりしました。

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  • N・S・ハルシャ展「チャーミングな旅」- 森美術館

    N・S・ハルシャ展「チャーミングな旅」- 森美術館

    N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅を森美術館で観てきました。

    森美術館でインドのアーティストというのを何人か見ていると思うのですが、共通して、いろいろな人種がでてきたり政治的な動きをしているという印象があります。

    これは森美術館が選んでいるからこうなるのか、インド人のアーティストがそういう方向なのか、わからないですが、N・S・ハルシャも真面目なアーティストで、いろいろな人種や政治的なことがらをモチーフにしている印象でした。

    それに加えて、モチーフとして出てくるのかミクロな視点とマクロな視点を中心として捉えた絵画が大半の作品をしめているという印象でした。繰り返しのモチーフの中に微妙な違いがあり、そのなかに様々な人(有名なキャラクターや、有名なアーティストなど)がいろいろなストーリーを作りながら作品を作っていて、時には自爆テロのようなモチーフもあったりなど、読み解きやすくもしっかりとしたテーマを扱っている感じでした。

    子供達とのワークショップのような作品とか社会とのつながりもある作品もありましたが、やはり一番印象的だったのは、巨大な宇宙のような一筆書きのような作品で、マクロ視点とミクロ視点を繰り返しを使わずに巨大作品として成立させていました。やっぱりこれだけ大きいと迫力がありますね。

    テーマとしては難しいテーマかと思いますが、作品を読み解くという意味では分かりやすく入りやすい作品が多かったので、見やすい展示でした。

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