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  • DUMB TYPE「2022: remap」- アーティゾン美術館

    DUMB TYPE「2022: remap」- アーティゾン美術館

    DUMB TYPEの「2022: remap」をアーティゾン美術館で観てきました。

    今回の展示は、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示で発表された「2022」の、単純な再現展示ではなく、アーティゾン美術館の空間に「2022: remap」として再配置した展示です。

    まず、ダムタイプがどのような集団なのかをWEBの解説から引用します。

    ビジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成されるグループ。1984 年の活動開始以来、集団による共同制作の可能性を探る独自の活動を続けてきました。特定のディレクターをおかず、プロジェクト毎に参加メンバーが変化するなど、ヒエラルキーの無いフラットでゆるやかなコラボレーションによる制作活動は、既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして内外で紹介されています。

    引用:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/

    アートコレクティブ的な集団ですが中心メンバーのような人物はいて、私の認識では、最初は古橋悌二さんなのですが、亡くなってしまったため、その後は高谷史郎さんや、池田亮司さんというイメージがありました。ですが、今回は音楽が池田亮司さんではなく、坂本龍一さんが担当していました。

    といっても、坂本龍一さんがピアノで曲をつくったとかではなく、ヴェネチアビエンナーレという世界的な場での展示なので、世界中のフィールドレコーディングされたものや、地理の教科書から取られたシンプルで普遍的な問いが読み上げられるサウンドディレクション/デザインを行なっていました。

    使っている機器や技術を新しいものにアップデートしつつ、集団のメンバーも新陳代謝を行なって作品がつくられているので、DUMB TYPEというイメージは共通のまま新しいDUMB TYPEになっているという印象があります。

    今回の作品は、レーザーや超指向性スピーカーなどを使って、真っ暗な空間のなかで、掴み取れそうで掴み取れないような存在感がありながらも、一部は気配を作り出すような繊細さもあり、想像力や読解力のようなものを問われているような展示でした。

    会場が暗いという理由だけでなく、それぞれの機器が機械としての存在感があまりないようなものを選択されているのか、作品への没入感が強く、超指向性のスピーカーが突然近くに存在があらわれるようなインスタレーションの強さがありました。体感しないと分からない部分が大きく、これがDUMB TYPEの作品だなと感じました。

    MOVIE

    引用:The Japan Foundation国際交流基金
    第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示
    ダムタイプ《2022》報告会
    引用:VernissageTV
    360°: Dumb Type / Pavilion of Japan
    at Venice Art Biennale 2022

    PHOTO

    BOOK

    INFO

    DUMB TYPE「2022: remap」

    会場:アーティゾン美術館
    会期: 2023年2月25日(土)~5月14日(日)
    開館時間:10:00–18:00(5月5日を除く金曜日は20:00まで)
    休館日:月

    WEB:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/dumbtype/

    OTHER

  • DUMB TYPE「Actions + Reflections」- 東京都現代美術館

    DUMB TYPE「Actions + Reflections」- 東京都現代美術館

    DUMB TYPEの「Actions + Reflections」を東京都現代美術館で観てきました。

    結成35周年にあたる2019年に開催する本展は、2018年にフランスのポンピドゥー・センター・メッス分館において開催された個展(キュレーション 長谷川祐子)の作品群や新作にパフォーマンスアーカイブなどを加え、よりバージョンアップした内容となります。

    ー中略ー

    本展は、大型インスタレーションによって構成される大規模個展であるとともに、古橋悌二の没後も独自のスタイルで若手アーティストに大きな影響を与える高谷史郎や池田亮司らに加え、若いメンバーを得て活動を続けるダムタイプの、まさに「ダムタイプ- タイプ」といえる卓越したあり方を包括的にみせる試みです。

    引用:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/dumb-type-actions-reflections/

    それぞれの展示作品については、東京都現代美術館の展覧会のページに詳しく書かれていたので、それを見るのがもっともわかりやすいと思われます。

    入ってすぐのところに展示されていた、様々な展覧会でのセッティング図のようなものが物語るように、メディアアートとされるものでは、機材とそのセッティングも作品の重要な要素になります。

    美しく描かれたセッティング図は、ダムタイプの展示の美しさ、静けさ、力強さが表されているようで、ここが根幹にあるということを言っているような展覧会のスタートでした。

    そこから「Playback」、新作の「TRACE/REACT II」へと続きます。会期前半は「TRACE/REACT II」ではなく、「LOVERS」が展示されていたということですが、こちらも観てみたかった。

    その次に超巨大LEDパネルの「MEMORANDUM OR VOYAGE」の展示に。 ダムタイプの過去3作品「OR」、「memorandum」、「Voyage」から印象的/象徴的なシーンをピックアップし、さらに新しく撮影した映像素材を組み合わせて再編集して一つのビデオインスタレーションにした作品。

    最後は、「LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE」と「pH」を合わせた部屋に。

    どの作品にも共通して言えることだと思うのですが、メディアアートなので、テクノロジーが重要だと思うのですが、ただ単純に最新のギジュを使った作品です。というわけではなく、「LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE」に象徴されるような背景に共通するテーマをもち、「ダム※(セリフの排除)」という手法で、装置、映像、音、これらに反応するパフォーマーの生の身体によって作品を構成されています。(※ダム dumb [英] :間抜け、ばかげた、口をきこうとしない、の意)

    すぐに答えにたどり着くような表現ではなく、問いを提示しながら、身体を包み込むような作品がメディアアートでしか表現できないものになっていて強度がある表現でした。

    MOVIE

    引用:Museum of Contemporary Art Tokyo
    ダムタイプ|アクション+リフレクション Dumb Type | Actions + Reflections
    引用:Epidemic Video
    Dumb Type – MEMORANDUM OR VOYAGE

    PHOTO

    BOOK

    OTHER

  • 「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」- 森美術館

    「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」- 森美術館

    六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?を森美術館で観てきました。

    いろいろな作家が出てたけど、なんかこういう所で見せられてもなーっていうストリートアートみたいなものをいくつかあって、なんだかもうちょっと見せ方をどうにかしたらいいのかなぁ?なんて思ったものもありました。

    そんななか雨宮庸介さんの作品を見ている最中に突然本人のパフォーマンスがはじまって現実と非現実/その場と画面の向こうの空間の交差する感じが面白く感じました。ストリートアートもそれくらいの努力をみせたら面白かったかもな。完全なストリートをどうにか再現するみたいな。

    それ以外で、結構気になったものは、照屋勇賢「告知-森」も結構前にどこかで見た時から気になっていたんだけど(確かネオテニージャポンかな?)、なかなかスゴく細かくて面白く出来てると思ったなー。小金沢健人「CANBEREAD」に関しては、小金沢さんの「速度の落書き」みたいな作品をちょっと期待してたので、過度に期待しすぎてちょっと微妙だったけど、なかなか面白かったと思う。青山悟さんの刺繍で作られた作品も良かった。単にキレイっていうだけっでも評価出来てしまう作品の強度があったし。ダムタイプとかちょっと重い話系の作品もあったけど、何となくちょっとフィットしなかったかなぁ。

    そもそも芸術は可能か?っていうテーマみたいな言葉を掲げてしまったが為にちょっと見方がぶれたような気がしました。六本木クロッシングっていうタイトルだけだったらまあそういう大枠で捉えられたんだけど、なんか芸術は可能か?というテーマには何も答えが出てない気も。ちょっと不思議な感じ。

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